13. シリアスな場面でED曲のイントロ

「昨日、ツユキからED曲エンディングが切ないって話を聞かされて、オレにもそういうのを思いだすアニメ作品があるんだ」

「どんなのですか?」

「ちょっと古いけど『機体戦士ギンデム シーズ エタニティ』ってやつな。ツユキは知らないかなあ」

「伝説的アニメとして、その機体戦士ギンデムのシリーズがあるのは知っています。でもどれがシーズ エタニティなのかは知りません」

「そうか。オレが小学6年くらいのとき、テレビで再放送されてたんだけど、毎回ラストシーンで、ED曲のイントロが入るんだ。特にそのシーンがシリアスな場面だったら、ちょっとハスキー声の女性ボーカルが、なんて云っているのは知らないけど、なにか嘆くような叫び声を1つあげて、そこからアップテンポの曲が流れてくる。作品内に引きこまれて、次週も絶対に観逃すものかと思えるような演出なんだ」

「そうですか。ブルーレイディスクの販売はありますか?」


 露樹のやつ、今のオレの話で興味を持ってくれたのだろうか。


「あるだろうな」

「今度買ってみます」

「ツユキは金持ちなのか?」

「いいえ普通です。ワタシ、普段はムダつかいしないので、こういうときに惜しみなく使えます」

「そうか。計画的に金を使うなんて、良妻賢母だな。きっと将来いい嫁さんになるぞ、このオレのな」

「カギタイくんと結婚するなんて云ってません」

「そうか。毎晩オレとあんなことやこんなこと、むふふと楽しめるのだがなあ」

「えっちです! こんなすけべな人のお嫁さんには、なってあげません!!」


 ごっつぁんです! なんか話しているオレがムラムラしてきた。

 透き通るような露樹の制服のシャツが眩しいぜ。

 つーか、けっこう透けてしまって桃色のブラがよく判る。


「今日も下着はピンクだな?」

「えっちえっち!」

「その胸に触れていいか?」

「そんなのいけません! もうカギタイくんは、すけべすぎです!!」

「お、すまんすまん」


 今日は金曜だ。月曜の放課後に最後のレッスンをしてもらい、火曜の午後1コマ目にギターの実技テストがある。

 どうにかオレもやれそうだと思う。ありがとな、露樹。

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