12. 説明があってシックなOP曲が流れる
「カギタイくんは『メガミさまは視ている』というアニメを知っていますか?」
「いや知らない」
「そうですか。女の子には人気の作品で、原作の小説もロングセラーです」
「ふうん。で、どんなアニメなんだ?」
「ギリシャ宗教系女学院の高等部へ通っている地味目な1年生少女がヒロインです。その人が最初に学院の説明を話して、それから
「へえ~、どんな曲だ?」
「歌詞が入っていなくて、シックな印象の上品な曲です」
露樹が携帯型ゲーム機でその曲を流してくれる。
「落ち着いたナイスな曲だ。少女向けのアニメにはぴったりってやつな」
「はい。セカンドシーズンのOP曲は歌詞が入っています」
「そうか。で、そのストーリーのほうは、どんな感じなんだ?」
「あこがれのお姉さまやお友だちと楽しい学院生活を送ります。ときどきはシリアスな展開になったりもします。学年が進むと後輩も加わります」
「その子たちの下着姿はあるのか?」
「そんなのありません!! えっちは禁止です!!」
「いやあ、すまんすまん。で、男は登場しないのか?」
「ヒロインの弟くんが、近くの男子校に通っているのですけど、そこの生徒会長もでますよ。セカンドシーズンまではそれくらいです。そのあとにOVAがあって、男子校の学園祭へ出向くエピソードもあります。そのときには男子も多く登場します」
OVAというのは「オリジナル・ビデオ・アニメーション」とかの略だ。テレビ放送をした作品をDVDにして売る方式と違って、いきなりDVDやブルーレイでの作品として作って売りだすやつな。
「それじゃあ、オレみたいな男もでてくるのか?」
「カギタイくんのようなすけべな人は1人もでません」
「そうか。そいつは残念だぜ」
どうやら露樹の中で、オレは「すけべ認定」されてしまっているらしい。
それならそれで「すけべ道」を極める必要があるなあ。
「オレのメガミさまはツユキ、お前だ」
「へ?」
「だからオレの
「な、なんですか、懺悔って!?」
「オレは昨晩、ツユキのすっぽんぽんな姿を思い描きながら寝たんだ」
「もう、えっちすぎです!!」
露樹の頬が染まった。こういうすけべ話に免疫がないようだ。
少しブレーキが必要だな。あまりやりすぎるのはよくない。
「携帯電話、持ってるのか?」
「持っていません」
「そうか。オレもだよ」
今どき、高校生で携帯すら持っていないオレたちは希少な存在だろうな。
まあ携帯型ゲーム機で、ネットにつなげれば多少のことはできる。ただ、オレはあまり使いこなせていない。ゲームをやること以外は、あまり興味がないものでな。
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