夢中

相楽の美しい舞を見ている観衆たちが、光となって一人、また一人と天に上り消えて行く。


最後に残ったのは数人だったがその人たちがゆったりとお満に近付いてきた。


仮面をしているが、壮年の男性と女性、

後の者は元服仕立ての若武者と武家の者らしい美しい着物を着た少女だ。


その者達がお満に恭しく頭を下げて、また天へと消えて行った。


最後に一人立ち姿の美しい女性がじっと相楽を見ていたが、

お満へと振り返り、深く頭を下げて消えて行った。


観衆はお満一人だけとなり最後にくるりと刃で円を描いて相楽の舞が終わった。




ぺこりとまた一礼し、演武を締めくくる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る