旅立ち

夕刻が過ぎ、それでも相楽から離れられないでいると。


相楽が力なくだが、速い息をしている。


火を近づけ、相楽の顔を覗き込むと、安心したように笑った。


どうすれば。


何を言えば良いか解らなかった。


「相楽様。ありがとう。ありがとう。お側においてくれて。ややこを残してくれて。」


それからそれから・・・。


と最期の言葉をもっと掛けてやりたくて探しながら、顔を覗き込み、昼間のようにぐっと手を握る。






相楽ははっはっと息をし、お満の頬をするりと優しく一撫ですると、

目を閉じて布団の上に手を落とし、それきり動かなくなった。

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