衰弱

楽しい日々を過ごしていても段々と相楽の体は痩せて行き、

死の影を感じたが、お満はそれでも良いと思った。


気持ちを受け入れて貰っただけでも充分に幸せだった。


それなのに相楽は血の繋がったややこまで残してくれるのだ。


何の文句があるだろう。


ただ一つ我儘を言えば、このまま相楽の病が、

婆様の時のようにケロリと直ってくれないだろうかとついつい思ってしまう。




寒さが身に染みるようになっていくと、相楽の食は細くなり、床に臥せることが多くなった。


それでも体調の良い日は、もう意味など無いのにお満の後ろをついて来たがった。


お満は相楽に、家事等覚えなくて良いとは言うことが出来なかった。


それに段々と腹の中の子の存在がわかるようになり、お満の腹を撫でたり、

耳を当てるのを楽しみにしているようだ。





また、どこかへいなくなったかと不安になり探せば、

襖の奥で一心不乱に何か書き物をしている。


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