祝言

それから暫くして、どうしてもと言い、

村の者に頭を下げて婆様が綺麗な着物を借りて来たので、相楽と簡単な祝言を上げることになった。


祝い事も何もなかったこの村で、祭事は珍しく、村の者総出で祝ってくれた。


村人の協力もあり、お満と相楽はこの日をもって晴れて夫婦になった。


村人達も口々にお満を美しいと褒めてくれ、婆様は感動で涙を流してくれた。


相楽もこっそりと、

「愛いぞ。お満。」

と言い、普段中々見せぬ恥ずかしそうな顔をして笑った。






この日お満は人生で一番幸せな日を過ごした。

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