ややこ

あくる朝、いつもより多く寝たせいか、体が妙にすっきりとしていた。


ただ胸が少しつっかえたようなモヤモヤとした心地がして、飯の臭いを嗅ぐと妙に気持ちが悪い。


お満は内心これで婆様と相楽と共に逝けると喜んだが、婆様はお満の様子を見ると、

「お満。もしやお前ぇさ。ややこができたんでねぇか?」

と目を丸くした。


婆様はお満の腹を撫でると物凄く嬉しそうな顔をして、血の繋がりもないのに、

「孫娘が身ごもったんにこうしちゃいれねぇ。」

と言った。


その日から、日に日に元気を取り戻し、今度は逆にお満にお節介を焼くようになった。





お満はそんなまさかと思いながらも、大して食ってもないのに日に日に膨れる腹を見て、

やはりややこが出来たかと嬉しくなり、相楽に報告することにした。

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