体調
それからまた暫く立つと、今度は婆様が暑さにやられて体調を崩すようになり、
お満は相楽と婆様の世話とで忙しい日々を過ごすようになっていた。
相楽が出来るだけ婆様と過ごしてやるようにと気を利かせてくれるが、
相楽とて病人だ。放っておける訳がない。
もしお満がいない間に逝ってしまったらと思うと長時間離れるのも怖い。
かと言って婆様が逝ってしまうのだって嫌だ。
寝る間も惜しんで家を行き来していたが、秋口に差し掛かった頃、
お満はぐったりとして気持ちが悪くなり、その日の夕餉を戻してしまった。
それを見た婆様が半狂乱になって、
「儂のせいで若ぇお前ぇさまで!
もういい。もういい。儂なんど構わんで相楽様のところで暮らしんさい。
沢山寝て休んでおくれや。お願ぇだ。お願ぇだ。」
と泣き出した。
「そんな体で放っとける訳ねぇ。変なこと言わねぇでけろ。お願ぇだ。」
と今度はお満が泣き出し、その日は泣き疲れて二人ともすぐに眠ってしまった。
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