急転
その一時の間だった。
突然相楽が激しく咳をし始めて、血を吐き出し、膝から地面に崩れ落ちた。
おミツは悲鳴を挙げ、相楽に急いで駆け寄る。
体を持ち上げようとするが、脱力した背の高い、鍛えあげられた男だ。
とてもでないがおミツ一人では運べそうもない。
大声で助けを呼びながら、相楽の重い巨体をなんとかずって行く。
やっと人が来た頃には、喉が少しばかり裂けたようで口の中に血の味が広がった。
村にいるのもほとんどが年寄りと女だ。
村人達と協力し、やっと相楽を家に運び入れた頃にはすっかり日が昇っていた。
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