消えた相楽
初めには、出鼻を挫かれた思いであったが、
この若武者がもしかしたら昼餉、むしろ朝餉すら食べてないのではないかと気づき、おミツは厨に向かって行った。
侍が来るということで、村の者の誰かが整えたのか、厨は綺麗になっていた。
病を患っているそうなので、食欲もあるかわからぬが、
消化に良いものを何品か作り、お膳に載せて侍の元へと行く。襖越しに声を掛けると返事がない。
よくよく気を付けて見れば、人影も見えない。
おミツが厨に向かっている間に外に出ていたようだ。
食事が冷めぬうちにと慌てて探しに外に出たが、いつ出て行ったかも解らぬ。
少ししかいない村の者に聞いて回りながら、おミツはやっと若武者を見つけた。
あまり人の来ない小さな滝壺の有る開けた場所に相楽はいた。
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