第7話 異世界の神『アライアス』
宿屋の俺の前に眩い光が現れそしてその中から綺麗な女性が現れた。
女性は真っ白のローブを着て長い金色の髪をなびかせ俺の前に立った。
「私の名前はアライアスこの世界を管理及び監視している神だ」
アライアス神の声は透明感に
「よくぞこの世界に来てくれましたねタツヤ。歓迎します。あなたの世界の神から聞いていると思いますが、この世界の人々は魔物や同じ人によって
「はっはい、出来る限り頑張ります」
アライアス神は俺に微笑み言葉を続ける。
「明日、タツヤを訪ねる者が現れます。その者達の言葉に従い行動する事を願います」
そう言葉を残してアライアス神はすぅーと光の渦へと消えて行った。
神が消えた後俺は神が消えた空間をぼぉーと眺めていた。
綺麗だったなこの世界の神は…そうじゃなくて、明日俺を訪ねる人が来るのか…。
たぶんこれはこの世界での最初の
◇◇◇
時は少し
場所はタツヤがいる大陸より西に位置する大陸『ラーザニア』。その中央に位置する街『ポイドン』の南の林の中を男女二人の冒険者が
「本当にこっちであってるのか?ミーニャ」
そう声を掛けたのは見た目30歳台の白髪の男性。
見た目は冒険者風の警備な皮鎧を着ているが素肌が見える所は筋肉が詰まっている様子がうかがえる男だ。
「ええ、間違いはずよ。昨日夢に出て来た神が言ってたんだから。私を信用しなさいよカイン」
カインの問いに答えたのは頭の上から足の部分までを黒いローブを身を包んだ女性。唯一見える顔はキレながらの目が特徴のこちらもカインと同様の白髪の女性だ。
「しかしいきなりだな神様ってやつも。前回俺達の前に現れたのは6年?程前じゃなかったか?」
「確かそのくらいだったかしら。でも今回なんか願いがありそうな予感がするのよね」
「まあ、なんにしろ会ってみりゃわかるだろ。飛ばすぜミーニャ!」
「ええ、急ぎましょう」
そして二人の冒険者が走る事1時間、二人の目の前には10人が手を繋ぎ囲んでも足りないくらいの大きな巨木が現れた。
「この木の前でいいんだな」
「そのはずよ」
二人の冒険者が巨木の前に到着した瞬間に眩い光が現れそしてその中から綺麗な女性が現れた。
二人は
「よくぞ参りました。カインにミーニャ、顔を上げなさい」
「お久しぶりです。アライアス神さま」
それは二人同時にはもるように神に声を掛ける。
「この世界に異世界より助っ人が参りました。その人間を鍛えてもらいたい」
「お言葉ですがアライアス神さま。現在、この地の南で2つの都市が魔物によってすでに壊滅しており、あと少しで3つ目の都市も
ミーニャがアライアス神の言葉に返すように答える。
「わかっています。ですので
「どうだ?ミーニャ?時間はどのくらいあるんだ?」
カインがミーニャに尋ねる。
「そうね、移動を含めて8日…いや9日までなら問題ないかな」
ミーニャがカインの問いに答えお互い目で合図しカインが返答をする。
「わかりました。アライアス神さま、その依頼受けさせて頂きます。そっそれでですね、達成報酬ですが…」
カインが手をモミモミさせ口元をニヤニヤさせならがアライアス神に問う。
「いいでしょう。前回と同様に数百年誰も入っていないダンジョンの場所を
その瞬間カインが拳を握りガッツポーズをする。
「それではカイン、ミーニャ。異世界から来た男の名はタツヤ人間種、居場所はグラン王国内の街キールです。頼みましたよ」
言葉を終えるとすぅーと光の渦へとアライアス神は消えて行った。
「受けちまったな」
カインがボソリと呟く。
「まあ、神の依頼だからね」
ミーニャがしょうがないと言う感じ答える。
「それでどうやって行くんだ?キールまで」
カインがミーニャに問う。
「そうね、ここから一番近いラファエルがある街が『ポイドン』ね。そこからグラン王国の首都へ飛んで、そこから『キール』へと飛べば一日もかからずに現地まで行けそうね」
ミーニャが案を言うと同時にカインの顔色が少し青くなる。
「そっそれでミーニャ。その…ラファエルを2回も使うとなるとどの位金が必要になるんだ?」
「そうね、930万ジール程度で行けるんじゃないかな。そこまで連続で飛んだ事ないからたぶんだけど」
ミーニャが答えた瞬間にカインが両手を合わせ拝むようにミーニャに頭を下げる。
「すっすまんミーニャ。かっ金を貸してくれないか?」
「はっ!?待ってよカイン。確か10日まえに報酬の金貨500枚ずつを分け合ったばかりじゃない?あのお金どうしたのよ!」
「きっ聞いてくれミーニャ。これには深い深い訳があるんだ」
「いいでしょう聞きましょう」
そしてカインの言い訳が始まった。
「実は3日前に寄ったシラフの街あったろ?実はあそこの街の地下には闇闘技場があったんだ。そこには99戦無敗のカマキリマンって奴がいたんだ。そいつが次勝てば永久チャンプとして登録されるって話があって、丁度俺が行った時は最後の試合の少し前だったんだ。カマキリマンの倍率は2倍で挑戦者の倍率は7倍。俺は確信したんだ、必ずカマキリマンが勝つと」
「で?カインはいくらカマキリマンとか言うのに掛けたの?」
カインは右手の手のひらをミーニャに見せる。
「金貨500枚!」
「はぁっ!?お前バカなのか?そんな怪しい闘技場に金貨500枚も掛けたのか?金貨500枚といったらあの町に大豪邸が建つ金額だぞ!それでどうなったんだ!?」
「カマキリマンと挑戦者がリングに上がり戦いのゴングが鳴った瞬間に二人共武器を捨て
「お前はバカだ!大バカだ!そんなのお前が大金を掛けたせいで八百長が行われたんだよ!で、抗議はしんだろうね!」
「いっ一応はしたけど勝負は時の運と…」
ミーニャはカインの話を聞き頭を抱えていた。
そして何を思いついたのか口元をニヤ突かせカインに言い放つ。
「いいでしょうカインお金は貸しますだけど条件があります」
「じょっ条件とは」
カインはゴクリと唾を飲み込みミーニャの条件を聞く。
「一つ目は今回の異世界から来た男の面倒はカインあなたがメインで見る事」
「ああ、いいぜ。何の問題もない」
「二つ目は貸したお金に利子を付けます。それでもいいですか?」
「りっ利子か…」
ミーニャの事だからめちゃくちゃは取らないだろう。
まあ、ここでゴネてもキールまでたどり着けないからな。
「ああ、いいぜ。全部ミーニャに任せる」
「ええ、カイン。その言葉確かに聞き届けました」
「よし!それじゃあ話はまとまった事だしキールに向けて出発だー!」
そうしてカインとミーニャはタツヤのいるキールの街へと旅立った。
だが、カインはこの決断を後で深く深く反省する事になる。
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