第2日目 淑女の邸宅
2日目。チェンバレンが事務所に戻ってきた。チェンバレンに拠ると、淑女の邸宅には鍵が掛かっており、そこには置手紙があったとのことだ。
「バーソロミューさん。聞いてください。2日前、あたしの邸宅にストーカーが入ってきて、あたしの水着をすべて奪って逃げました。このままエスカレートしたら・・・・・・ああ、あたしはどうなってしまうのでしょう!!」
この置手紙を読んだバーソロミューは憤慨してビアトリスに言った。
「このままでは淑女はストーカーの手に落ちてしまう。何としてでも、ストーカーの魔の手から淑女を救うのだ。」
そう言うと、バーソロミューはビアトリスと共に淑女の邸宅を視察しに行くこととした。
淑女の邸宅に着くと、ビアトリスと先に到着していたチェンバレンには邸宅の護衛を命じた。ビアトリスには裏門を、チェンバレンには表門を護衛させた。
しばらくすると淑女は現れた。ブラックティー色の綺麗な長い髪と憂いに満ちた瞳。麗しいフリルのスカートが風に舞う。
「あたしがこの邸宅の淑女です。名乗るほどの者ではございません。」
「私が探偵バーソロミューです。お初にお目にかかります。」
「なんだか、あたし達、初めて会ったような気がしませんことね。」
「そうですね。私もです。」
「うふふふ。お紅茶でも淹れますわ。」
この気品に満ちた香りには、嗅ぎ覚えがあった。かつて解決した事件の関係者だろうか?
バーソロミューは淑女とストーカー対策について3時間ほど話した後、邸宅を後にした。表門で退屈そうにしていたチェンバレンと、裏門からやってきたビアトリスを引き連れ、探偵事務所の3人は一緒に事務所に帰投した。もう日も暮れていたので、助手の2人を家に帰すと、バーソロミューは眠りについた。その晩、バーロソミューはビアトリスのことを想いながら夢精した。
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