二度、三度と読み返して味わいたい恋愛短編小説。若いメイドと幼馴染伯爵のコミカルなやりとりで紡がれるヴァンパイアものですが、でもどこか、余命もののブルーライト文芸やかつてのサナトリウム文学にも近しい読後感がある。それはおそらく、本作がモチーフである「恋」や「病」と誠実に向きあって書かれているものだから。作家様ご自身は「よくあるテンプレみたいな短編」とやや謙遜されているようですが、ファンとしてはむしろ普遍的な一作としておススメしたいです! まだの方は、ぜひ読んでみてください。