第33話 7歳10月 融資の恩恵と超英才教育
この後、ユウキに刑が執行される…。
「そんな…嫌だ!もう嫌だぁぁぁぁ!」
こ、こんなことなら、お金に追われて、ダンジョンにこもってた方が遥かに良かった。。。
数日前。
「ユウキ君!やった!決まったわよ。」
はぁ?何を興奮してるんだ、この女は…
ちゃんと日本語を勉強して欲しい。
「はぁ…?」
「あはは、融資が決まったのよ!
これでお金に少し余裕ができるわよ!
ユウキ君も学校休んでまで、ダンジョンに行かなくてよくなるの。」
「え!?」
マジか!?
別に学校はどうでも良かった。
しかし、毎日毎日、金のことばかり考えるのが辛かった。
「ふふふ、ユウキ君にツラい思いばかりさせてごめんね。
これで少しは人並みの生活を送らせてあげられるわよ。」
「本当に!?本当だろうな!
もう毎日毎日、レアドロップを祈り続ける必要は無いんだな?」
「あはは、レアドロップは出てくれた方がいいけど、人並みに学校に行って、勉強して、恋愛なんかも楽しんでくれたらいいわ。
でも放課後はちゃんとダンジョンに行くのよ?」
うぉぉぉぉぉぉ!
やっと普通に過ごしてよくなるのか…。
ヤバイ。感極まって涙が溢れてきた。
「マジか!?
先生…やばい、嬉しくて涙が出てきたよ…グスッ…」
「ふふふ、ユウキ君。
今まで追い込んで、ごめんなさい。
ほら、おいで。2人で感動を分かち合おうね。」
「はい…先生…グスッ
毎日毎日、本当に辛くて…グスッ
逃亡計画まで立ててたんですから…グスッ」
「よしよし、ユウキ君、辛かったね。
逃亡はダメなんだよ?
でも、もうこれからは大丈夫だからね。」
「はい…先生…グスッ」
「この後、ご融資して下さる魔法担当と打ち合わせすることになるから、ユウキ君も出席してね。」
「分かりました!先生!」
「ふふふ、ユウキ君ったら、こんなに素直になって。」
うわぁぁぁ、空ってこんなにも青いんだな。
金で追い込まれると、空の青さも忘れるって本当だな。
昨日までは空は晴れてても、心は曇ってたってことか。。。
新しい魔法担当の方にしっかりお礼を言わないと。
この世の地獄から救い出して頂き、本当にありがとうございます。
「みんな、紹介するわね。
こちらがこの度、ご融資頂いた『大魔導師』セイラさんと、そのご息女のサラさんよ。
みんな、顔見知りだと思うけど、今後は失礼の無いようにね。」
「もうレベッカ。そんなにかしこまらなくても。」
「ふふふ、セイラ。最初が肝心なの。
みんなにもちゃんと理解してもらわないといけないから。」
「ふふ、みんな。
サラ共々、今後はよろしくお願いね。」
「はい、セイラさん!サラさん!
よろしくお願い致します。」
「ふふふ、ユウキ君、とても元気ね。
それじゃ、早速、今後のカリキュラムを説明するわね。」
「まず、3人には私がサラを育て上げた英才教育を受けてもらいます。」
「え、僕もですか?」
「ええ、そうよ。リヒト君。
【闇魔法】の使い手はとても貴重なの。
リヒト君もユウキ君も【暗黒魔法】まで使えるようになってもらいます。」
「僕も教えて貰えると思ってなかったから…嬉しいです。
ありがとうございます。」
「良かったな、リヒト。
一緒に頑張ろうな!」
あの金に追われる毎日から逃れられるだけでなく、英才教育まで受けさせてもらえる。
俺達の胸は期待と興奮で高まっていく。
「3人には明日から毎日、マジックポーションを配布します。
決められた時間までにMPを使い切って…」
おええぇぇぇ、今日2本目のマジックポーションだ…。
相変わらず不味い。
セリナとリヒトは1本なのに、俺だけ2本飲まないといけない…。
今後の資金繰りの為、5年生が始まるまでに急いで『付与魔法使い』『闇魔法使い』『光魔法使い』を上げて欲しいそうだ。。。
レア属性の付与は値段が跳ね上がるらしい。
ダンジョンに引きこもる地獄のお金稼ぎから解放されたと思ったら…
次に待っていたのは超英才教育というやつだ。
これが思ってた以上にキツイ。。。
学校の授業中はセイラ師匠のご指示により
【闇魔法】と【付与魔法】を使い続けて、レベルを上げなくてはならない…。
しかも、手を抜いたら、報告と罰を受ける監視付きの体制…。
そう、リヒトがずっと俺を見張っているのだ。。。
「ユウキ君。さっきの授業中、5分間くらい休憩してたよね?
ごめんね、ユウキ君。
ちゃんと報告しないと僕が罰を受けるから…。」
「ちょっ!ちょっと待ってくれ。
な、何とか休憩してないことにしてくれないか?
頑張ってたって言ってくれたら…」
「ごめん、今の言葉も報告しないといけなくて。
ユウキ君が不正を働こうとしたって…。」
「ヒィッ…なぁ、頼む!頼むから許してくれ。。。
本当に…本当にキツかったんだよ!」
「ごめん、ユウキ君。
しんどいのはみんな一緒だから…。」
「あはは、ユウキ君。やってるね。
嘘とかズルはお母さんが1番嫌うから、今日は覚悟しといた方がいいよ。」
「そんな…嫌だ!もう嫌だぁぁぁぁ!」
そう、魔法部門のセイラ師匠はとても厳しかった。
ちゃんとできないと厳しい罰を受ける…。
こ、こんなことなら、お金に追われて、ダンジョンにこもってた方が遥かに良かった。。。
師匠の育成方針は「飴と鞭」がはっきりしている。
セリナやサラさんのように優秀な生徒には、ご褒美がしっかりと与えられる。
反面、俺やリヒトのように魔力の扱いが不得意な劣等生は気を抜くとすぐに罰と称した刑が執行される。
師匠曰く、罰はもう2度と受けたくないと思わないと意味がないそうだ…。
この前はリヒトと2人、磔にされて、セリナとサラさんの魔法練習の標的にされた。
ヤバくなると、師匠がダメージを回復してくれる。。。
あれからリヒトは従順になった。。。
精神が低いリヒトは本気で死を覚悟したらしい…。
今ではすっかり、先生と師匠の犬に成り下がっている。。。
そして、もう1つ困ったことがある。
サラさんとセリナが修行を頑張ったご褒美に俺が使われるようになった…。
お金も掛からないうえに、2人のモチベーションも上がるらしい。。。
特に困るのはサラさんだ。
自覚が有るのか無いのか、俺に羞恥プレイを強要してくるのだ。。。
師匠の娘さんにして、貸し主様のご息女だ。
こちらも無下にはできない…。
「あはは、ユウキ君。
今日のポイントを使うね。
今日はサラお姉ちゃん、大好き。って言ってみようね。」
「え…」
「ほら、はやく。」
「いや、それはさすがに。。。」
「お母さんに言いつけるよ?」
「ぐっ…サラお姉ちゃん…大好き…ボソッ」
「声が小さくて聞こえないよ?」
「う…サラお姉ちゃん…大好き。」
「感情を込めて。」
「その…サラお姉ちゃん、大好き!」
「ちゃんと目を見て。」
「あう…サラお姉ちゃん…大好き…。」
「あぁぁぁん、可愛い!
顔を真っ赤にしちゃって。
うふふ、ユウキ君、私も大好きだよ。」
ぐぁぁぁぁぁぁ!
何を…何をやらされてるんだ!俺は!
おい!そこ!セリナ。
頼むから、そんな白い目で見るなよ…。
俺だってやりたくてやってるんじゃないわ!
「あはは、セリナはポイントを貯めてるよね?
ユウキ君に何をやってもらうの?」
「いや…私はもっとご褒美ポイントを貯めてから…
その…秘密です!」
お、おい…秘密って何だよ?
「ねぇ、セリナ。私にだけは教えてよ?」
「もう!サラさんたら…絶対、内緒にして下さいよ。
ごにょごにょごにょ…」
「あはは、セリナったら大胆なんだから。」
「だって、普通にお願いしても、ユウキが断りそうなんだもん…」
お、おい…セリナ。
俺に何をさせる気なんだよ!?
そもそも、何でポイント制で俺がそんなことに付き合わにゃならんのだ…?
俺が景品みたいに扱われてるような気がするんだが。。。
こうして、飴と鞭を徹底した超英才教育により、俺達のレベルはさらに上がっていく。
特に急いで上げるように指示されている『付与魔術師』『闇魔法使い』『光魔法使い』のレベルはしっかり上がっている。
しかし、このペースでも、ノルマである残り2年半でこの3職業をレベル25まで持っていくことは不可能。
どう計算しても無理だ…。
嫌な予感しかしない。
これ以上、過酷になったらどうしよう…。
とてもじゃないが、そんなことは言い出せないユウキであった。。。
ステータス
ユウキ 7歳
HP 515/515
MP 499/499
体力 417
力 368
魔力 486
精神 527
速さ 428
器用 403
運 241
吸収 7
職業
戦士 LV9(464.38/900)
火魔法使い LV10(547.09/1000)
水魔法使い LV8(634.36/800)
土魔法使い LV8(762.91/800)
風魔法使い LV9(65.33/900)
僧侶 LV15(1441.01/1500)
盗賊 LV11(135.06/1100)
武道家 LV8(349.21/800)
吟遊詩人 LV11(835.82/1100)
植物魔法使い LV9(119.63/900)
付与魔術士 LV8(168.43/800)
剣士 LV6(388.19/600)
盾使い LV8(687.91/800)
狩人 LV10(703.31/1000)
薬師 LV8(147.12/800)
魔物使い LV2(127.48/200)
槍使い LV3(35.44/300)
遊び人 LV5(443.36/500)
斧使い LV2(111.36/200)
弓使い LV4(385.85/400)
生活魔法使い LV4(85.24/400)
闇魔法使い LV6(310.59/600)
光魔法使い LV4(313.93/400)
スキル
経験値吸収 LV7(509.91/700)
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