第3話 3歳~4歳 遊んでいる余裕は俺にはない
よし!
『吟遊詩人』もLVが1に上がった!
これでMPがまた増える。
さらにLV上げの効率が上がっていく。
そうそう。
吟遊詩人は魔力を歌か演奏に込めて経験値を得る。
夜はうるさいから、やめた方がいいか。
明日からは1日のノルマが
主に夜は僧侶
0.2×7回×2セット
主に昼は魔法使いと吟遊詩人
0.1×11回×1セット
0.3×5回×1セット
もうそろそろ『僧侶』『火魔法使い』のLVが上がる。
そうすれば、さらに効率が上がっていく。
【経験値吸収】の次の狙いは『水魔法使い』。
その次は『土魔法使い』の予定だ。
あはははは、順調。順調。
このペースでいけば、全職業LV5もいけるかもしれない。
しかし、ここで思わぬ邪魔が入る。
家族がユウキの異常な行動を心配したのである。
ユウキの1日の流れは
4時間睡眠→2時間(朝食&LV上げ)→
4時間睡眠→2時間(昼食&LV上げ)→
4時間睡眠→2時間(夕食&LV上げ)→
4時間睡眠→2時間(風呂&LV上げ)→
このサイクルでここ数ヶ月動いていた。
一見、寝過ぎに見えるが、LV上げでMPを使い果たし、フラフラしながら帰って来てはそのまま寝る。
家族はレベルを上げていることなど、知るわけが無い。
外に出て行ったと思えば、フラフラになって帰ってくる。
端から見れば病気に見えなくもなかった。
心配した母さんと、会話が減っていた兄達が俺に構いだしたのである。
母さんは俺と居たがるようになり、兄達は俺を見付ければ遊びに誘ってくれるようになった。
しかし、元『勇者』だったユウキには兄達と遊んでいても燃えられない。
「はぁぁぁぁ。」
今日も長男のアレクが好きな『勇者』ごっこだ。
長男のアレクが勇者役、次男のマイクが『バトルマスター』役、俺が魔王役だ。
兄のアレクが叫んでいる。
「てやぁぁぁぁ!」
なんて可愛い攻撃なんだ…。
アレクがキラキラ輝いて見える。
別の意味で凶悪さを感じる…。
うちの兄弟は外見だけは無駄に良い。
重度のショタコンだった『大魔導師』エミリアに見つかれば、もう連れ込まれているだろう。。。
「ぎゃぁぁぁ。」
俺は魔王役に徹する。
「ユウキ、魔王がそんなに可愛い訳ないだろ。」
次男のマイクが言う。
「…………。」
兄さん達には絶対言われたくない。
そう思ったユウキだった。。。
ユウキはただレベルを上げたいだけ。
ただそれだけなのに、思うようにそれができず、もどかしくて仕方が無かった。
1日4セットだったMPの回転は、すぐに3セットを割るまでに落ち込んだ。
でも、母さんや兄さん達は好きだから、なるべく心配は掛けたくない。
しかし、俺には遊んでいる暇は無い。
いつしか、彼は家を出て寮のある学校に通いたいと思うようになっていた。
理由は2つある。
1つ目は人がいないせいで、吸収できる職業に限りがあるからだ。
せっかく色々な職業を吸収できるのに、この人口500人程度の町では一般的な職業ばかりだった。
2つ目は誰にも邪魔されず、自分のペースでレベルを上げたかった。
彼自信は人並みの学校で良かったが、人並みの学校なら町の学校で十分だ。
家を出る理由として、公爵領にある上級小学校の受験を考えるようになっていた。
4歳の誕生日、父さんと母さんに
・職業『戦士』『火魔法使い』の2つになれるようになった
・公爵領にある上級小学校を受験したい
その2点を伝えた。
本当はこの時点で10個の職業になれたが、それはユウキの言う人並み程度に押さえたらしい。。。
父さんも母さんも喜んでくれた。
母さんは、4歳にして2つもの職業になれるようになった優秀な息子を。
父は…
優秀な子供には人気が集まる。
どこかの貴族の従者か婿になって、領地に援助を…
その一心ではあったみたいだが…。
ユウキが上級小学校に入ってくれれば、すぐに金を持っている貴族に手当たり次第、売り込もう。
少しでも高く売れてくれれば十分。
そんな父の思惑など知らず
この日から父が積極的にレベル上げに協力してくれるようになった。
ユウキはそれに満足していた。
ステータス
ユウキ 4才
HP 70/70
MP 109/109
体力 46
力 42
魔力 96
精神 85
速さ 48
器用 42
運 29
吸収 3
職業
戦士 LV1(2.88/100)
火魔法使い LV3(36.06/300)
水魔法使い LV3(5.66/300)
土魔法使い LV3(7.59/300)
風魔法使い LV3(8.28/300)
僧侶 LV3(2.53/300)
盗賊 LV1(1.44/100)
武道家 LV0(5.12/50)
吟遊詩人 LV3(2.17/300)
植物魔法使い LV3(7.46/300)
剣士 LV2(157.93/200)
スキル
経験値吸収 LV3(205.18/300)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます