第4話『鳥籠の解放』



「ほう...これは驚いた。」

院長にカルテを渡して読んでから数時間経っていた。

「どうですか?院長」

「合格だ、これなら外出を許可する。」

「ありがとうございます。患者にも伝えておきます。しかし、あのカルテの中身は相当意地悪な仕組みでしたね。」

「育君も気づいていたか。そう、あれは読み解くより認識のテストなのだよ。」

「まさか、書いた内容をホログラム加工してある上に凹凸を作るなんて。」

「まぁ、これで晴れてあの娘は外の空気を吸うんだ。外出許可証を作ってあげるわ。」

「了解しました。」

育は院長室を後にして芽好の部屋に移った。

「ダメだよ、ネコさん。おイヌさんが可愛いそうだわ。」

ガラっと音を立ててドアを開けた。

「おかえりなさい、育。どうでしたの?」

「許可が下りたぞ。よかったな」

「本当?!やったわ!」

「んじゃ、俺の役目は終わったな。」

部屋に出ようとしたら芽好は服の袖を引っ張った。それに気づいた俺は足を止めた。

「育、貴方の役目はまだあるわ。」

「どうした?」

「外出の時に一人は怖いわ、それに私はレディですのよ?雨は私を脅かし心をざわめかせる。だから貴方もついて来なさい。」

「俺はいいよ、家族と一緒に回らないのか?」

「家族なんて居ないわ。でも頼れる友達ならいるわ

"育"っていう私の友達がね。」

「....はぁー全く困った友達を持ったもんだな。仕方ないなーついて来てやるよ、芽好。」

「楽しみね、育。」


to be continue....

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色彩のカルテ 希@縫いぐるみ使い @hope_dollmaster

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