第四十二話―残響の月が奏でる不協和音

 気が付くと、目の前には石を積み上げた天井が広がっていた。

 ひんやりと冷たい床。湿った臭いが鼻腔の奥を刺激する。


 薄暗い部屋と呼ぶのも怪しいその場所には、何故か見覚えがあった。

 ずっと見ていた筈なのに、記憶の端から消えたその場所の景色に心がざわめいた。


 息苦しさに、口をパクパクと酸欠の魚みたいにみっともなく開けても、息苦しさは解消されない。

 手足から熱が奪われていく感覚と、何かが絡みつく触感から逃れるように、大きく手を伸ばす。直後、ズキリと胸を激しい痛みが貫いた。


「――!?」


 ハッと、目を開くとそこは特夷隊の詰め所内の仮眠室だった。


「はあ、はあ、…」


 無意識に伸ばしていた手をゆるゆると降ろし、南天は胸元に引き寄せた。

 じっとりと全身を濡らす汗。異様に早い鼓動を感じながら南天はゆっくりとベッドに横たえていた身体を起こした。


「……」


 乱れた呼吸を整えるように深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。すると、幾分か呼吸が楽になった。


 目を覚ます寸前、誰かの名前を叫んでいた気がするが、完全に覚醒した今はその名前が思い出せなかった。


(…あの景色…何処かで…)


 ぼんやりとカーテンの閉められた仮眠室の中を見渡し、南天は深く息を吐く。


 この所調子が悪いのは自覚していたが、睡眠はそれなりに取れている方だった。

 そもそも、それ程長時間眠らずとも南天は短時間の睡眠で体力を回復できるよう訓練されていた。今の部隊に引き抜かれるまで、闇に息を潜め、対象を暗殺する部隊の出である身にとって、疲労感は任務に支障をきたす程の障害ではなかったのだが。


 最近は不調のせいなのか、疲労感が完全に抜けきらない事が多くなっていた。


(まずいな…)


 簡易のパイプベッドの上で膝を抱えて南天は内心焦りを感じた。


 先日の怪夷の討伐でも真澄達の足を引っ張っている。

 このままでは、自分は夜間の巡回任務から外されるのではないか。


 真澄は隊員の健康や状態を気に掛ける。今の不調が長引けばなにかしら理由を付けて前線から外され兼ねない。そんな危惧が南天の胸に去来した。


(それじゃ、マスターを護れない…)


 自分の存在意味が失われるかもしれない状況に悩み身体を丸めて蹲っていると、仮眠室の扉がゆっくりと開かれた。

 詰め所の仮眠室は隊員なら誰でも使用できるので、出入りもそれなりにあり、誰が入ってきたなど気にも留めないでいると、不意に声を掛けられた。


「南天、大丈夫ですか?」

「…鬼灯…」


 顔上げると、気遣わしげに自分を見下ろしてくる淡い紅梅色の瞳と視線がぶつかった。

 ゆっくりとベッドの縁に腰を下ろした鬼灯を南天は少し驚いた様子で見つめた。


「鈴蘭から聞きました。最近調子が悪いそうですね」


 正面を向いたまま切り出した鬼灯の話題に、南天はびくりと肩を震わせた。


「…それは…」

「別にわたくしは貴方を叱責するつもりはありませんよ。仲間として副官として貴方の体調を気にしているだけです」


 南天の様子に目を眇めた鬼灯はそのまま南天から目線を外すように天井を見上げた。それに合わせて南天も顔を膝の上に埋めた。

 天井を見上げたまま、鬼灯は淡々とだが穏やかな口調で南天に語りかける。


「南天、今度の満月の日に召喚を行いますので、準備をしておいてください」


 鬼灯が告げた内容に、南天はハッと顔を上げて横に座る鬼灯を凝視する。

 その視線に気づいた鬼灯は、ゆっくりと首を回して南天の顔を覗き込むと、慈しむようにその頭を撫でた。


「話し相手がいた方が、少しは気も紛れるでしょう。上手くいくようにコンディションを整えて下さいね。失敗はしたくないでしょう?」

「…分かった」


 鬼灯から告げられて今後の動きを理解して、南天は静かに相槌を打った。


 二、三度南天の細く柔らかな銀色の髪を撫でてから鬼灯は衣擦れの音を立てて腰を上げる。

 ニコリと、未だ俯き気味な仲間へ微笑みかけ、来た時と同じように鬼灯は静かに仮眠室から出ていった。


 扉が閉まる音を聞きながら、南天はそっと拳を握り締めた。




 鬼灯が去った後、それに続くように南天は仮眠室のある二階から階段を駆け下り、一階の奥にある医務室へ足を運んだ。


「あれ?南天君、一人で来るなんて珍しいね」


 医務室の扉を開けると、医療道具の整理をしていた天童がいた。


「天童先生、三好先生は?」


 キョロキョロと医務室の中を見渡して南天は目当ての相手を探す。


「三好先生なら奥の検査室だよ。呼んでこようか?」

「大丈夫です…自分が行きます」


 天童に会釈をして、南天は医務室に入ると、真っ直ぐにその奥にある検査室の扉を開いた。

 薄暗い室内で、三好は椅子に座り、机に向かいながら顕微鏡を覗き込んでいた。


「珍しいな、君が一人で私の所に来るなんて」


 南天の気配を感じ取り、三好は覗き込んでいた顕微鏡から顔を上げ、肩越しに来訪者を振り返った。


 三好の前に立つ南天は、思いつめた表情をしている。それに気づいた三好は、眼鏡をかけ直して椅子から立ち上がると、南天の傍にゆっくりと歩み寄った。


「随分顔が強張っていますね。何をそんなに悲観しているんですか?」

「……」


 三好からの指摘に南天は思わず顔を逸らす。自分でも感情が顔に出ていた事に酷く驚いた。


「私の元を一人で訊ねたという事は、鬼灯には言えないような事ですか?」


 南天の身長に合わせるように背中を折り、三好は南天の俯いた顔を覗き込んだ。


「…お願いがあります…」


 袖の中に隠れた拳を握り、南天は絞り出すように声を震わせた。


「…マスターの血を、用意してもらえませんか…?」


 張りつめた声と切羽詰まった表情の南天の様子に、三好は面食らったように目を見開いた。普段、感情に乏しく淡々として物静かな南天が、まるで追い詰められたような顔をしているのは珍しかったが、同時にその小さな胸が抱えているモノの深刻さを、三好は医者としての経験から感じ取った。


「九頭竜隊長の血を手に入れて、どうするつもりかな?」


 南天が何を考えているのかはうっすらと勘付いたが、己の憶測だけで判断するのは主治医として憚られたため三好は静かに理由を尋ねた。


「ボクの中に宿る聖剣の力を引き出すためです…この所、どういう訳かうまく力が出せません。ここに来た時にマスターの血を飲んだら力を引き出せたので、同じような効果が得られないかと」


 自身の胸元を手で掴み、必死な様子で南天は目的を三好に訴えた。


(なるほど…やはりそういう事か…)


 南天の必死の訴えを聞き、三好は自身の予想がおおよそ当たっていた事を確信した。


 鬼灯から、聖剣の力を引き出す為に必要な使い手の契約を、南天は真澄と結べていない事は聞いていた。


 どうして真澄が契約を拒んでいるのか、治療中にでも聞き出して欲しいと頼まれた事もある。


(話には聞いていたが、南天自身がここまで追い詰められているとは思わなかったな…)


 自身を人形と言い切る通り、南天の感情の振り幅は同じ年頃の大翔や桜哉達に比べて少ない。本当に感情の無い人形かと錯覚してしまうように彼の言動は常に感情を伴なっていなかった。それが、今目の前にいる人物は、必死に何かに縋り付くように言葉を詰まらせ、胸を痛めてその憂いを自分に打ち明けている。


 その健気な姿を哀れに思いつつ、三好は真澄にも同情を寄せた。

 真澄が何故南天の申し出を拒んでいるのか、その理由は分からないが三好は聖剣というキーワードが真澄自身にブレーキをかけさせていると考えていた。


 それと同時に、真澄が南天の事を人一倍気にかけている事も知っていたので、今の南天の必死の形相を見たら、彼はどんな顔をするだろうかと、三好は内心溜息をついた。


(まったく…すれ違い過ぎじゃないか、この2人…)


「一応聞いておくが、隊長の血を欲するのは君自身が不調を改善して戦闘での支障を減らしたいからか?」


「…違います、ボクはマスターの力になりたいんです…マスターが契約をしてくれなくても、あの人を傍で守れるように」


「何故そこまで君はするのかな?ずっと気になっていたんだ、九頭竜隊長をそこまでして助けたいと願うのはどうしてか。君は九頭竜隊長と何か特別関係があったような話は聞いた事がないからね」


 南天の肩に手を添え、三好はゆっくりと言葉を選んで質問を投げかけた。

 精神科は専門外だったが、医者として患者の訴えや思いを聞き取るくらいは三好にも出来た。


「…マスターは、必要な人だから…死なせたら駄目なんです…だから…」


「九頭竜隊長を護るというのが、君や鬼灯達全員の目的なのは私も知っているし、彼が重要人物であるのも分かっている。これは、君個人の考えや気持ちの話だ、どうして、九頭竜隊長の力になりたいと思うのか?」


「ボクの気持ち…?ボクは人形です。命令に従うのがボクの存在理由です」


 両手を握り真っ直ぐに南天は三好を見上げる。その透き通った紅玉の瞳は、さっきまでの追い詰められた様子からは一変して、普段の感情の乏しいものに戻っていた。


 南天の様子の変化に三好は片眉を吊り上げて、南天から僅かに距離を取った。


「…分かった。次の巡回までに九頭竜隊長の血液を用意しよう。ただし、戦闘で使用していいのはこの小瓶一杯分だ」


 器具の仕舞われた棚から取り出したコルク栓のされた親指の大きさ程の小さな薬瓶を見せ、三好は南天の願いを承諾した。


「ありがとうございます」


「戦闘でも最初から服用は禁止だ。怪夷の強さに合わせて使用を判断するように。使用後は必ず私の所へ来ること。この条件が護れないなら、君の要求には応じない。出来るかな?」


「分かりました。護ります」


 背筋を伸ばし、命令を受諾した軍人のように南天は深く頷いた。

 さっきまで泣きそうに自分に縋っていた年相応の少年の姿は、いつもと変わらない自らを人形と偽る感情の乏しい美少年に戻っていた。


 一礼して出て行く南天の背中を複雑な思いで見つめると、三好は再び顕微鏡の前に腰を下ろした。



 当直が明け、現状報告を柏木に済ませて執務室に戻ってきた真澄を待ち構えていたのは、鬼灯と鈴蘭だった。


「なんだ、2人揃って…俺に用事か?」

「はい、隊長にお願いがあってきました」


 着物の袖で口元を隠し、鬼灯は微笑みながら真澄へ待ちかまえていた理由を告げた。

 鬼灯の不敵な笑みに嫌な予感を感じながら真澄は、話を聞く為応接用のソファに腰かけた。


「なんだよ、お願いって…よからぬ事考えてんじゃないだろうな?」


「人聞きが悪いですよ。少なくとも、わたくし達のお願いは貴方や特夷隊にとっても有益なものですよ」


 真澄の前のソファに腰を下ろしながら鬼灯はニコニコと笑いながら真澄の考えを否定した。


「そうですわ。鬼灯はこの通り胡散臭いですが、私達は今後の事を考えて提案をしに来たまでですわ。これは、貴方やこの隊の為であると同時に、南天の為でもありますのよ」


「南天の?」


 思いもよらない名前が出たところで真澄は無意識に前のめりに身を乗り出した。


「貴方もご存じでしょう?南天の調子が思わしくないのは…」


 胸元で腕を組み見据えてくる鈴蘭の青い瞳に射抜かれて、真澄は浮かせた腰を再びソファに戻した。


「…だからなんだ?俺に原因があるとか、そういう話か?アイツが持ちかけた契約を拒んでいる事に対する説得か?」


「いえ、南天との契約を貴方が拒んでいるのは確かに気に掛かりますが、今はまだそれほど重要ではないので…その話ではありません。鈴蘭も煽らないでください」


 真澄を宥めるように言葉を掛けてから、鬼灯は隣に座る鈴蘭を一瞥する。その視線が笑っていない事に気づいて、鈴蘭は唇を尖らせて鬼灯から顔を逸らした。


「わたくし達のお願いは、次の満月の日に次の仲間を呼びたいので巡回から外して欲しい、とうお願いです」


 胸元に右手を添え、商人のような口調で真澄に提案を持ちかけた。


「なんだ、また増えるのか」


「はい。南天の精神安定の為にも彼を呼ぶのが適切かと考えました。それに、現状を顧みて陸軍の調査や怪夷討伐もこれから先忙しくなると思いますので」


 鬼灯の話に真澄は頬杖を付いて考え込んだ。

 鬼灯達の正体がかつて怪夷を滅する事が出来た怪夷殺しの聖剣を宿した存在だと明かしてくれてから、鬼灯達への不信感は少しずつ薄れていた。

 彼等が何処かの軍に所属する軍人で、機密保持の為にその正体を明かせないと理解した事で、理解も出来たせいだろう。


 以前はこそこそ動いていたが、今はこうやって堂々と自分達の行動を報告してくる。

 その姿勢は真澄自身評価していた。


(怪夷の討伐に関しても頼りにしているしな…)


 以前、仲間はあと三人いるといっていた。その全員が揃った時、彼等からどんな情報が齎されるのか、興味もあり少し怖さもあった。


「その次の仲間ってのは、どんな奴なんだ?」

「南天と同い年です。南天とは仲がいいので」

「機械いじりの好きな子ですわ。何かと重宝しますわよ」


 鬼灯と鈴蘭から聞かされた特徴に真澄は、内心「そうなのか」と呟いた。


(南天と仲がいい…か)


 脳裏に表情の乏しい美少年の顔を思い出し、真澄は肩を竦めた。

 人と関わるのが苦手な南天にも友と呼べる者がいる事が真澄は心底嬉しかった。


「分かった。だが、一応お目付け役を付けさせてもらう。夜ならいつ怪夷と遭遇するか分からないからな」


「ありがとうございます」


 真澄からの許可に鬼灯はホッと安堵しながら満面の笑みで礼を述べた。




 十五夜の月が涼風の吹く東京の街を照らしている。

 旧江戸城の北東に位置する浅草寺は、1300年の昔から、この地を守護し、かの天下人徳川家康が江戸幕府を開いた折、彼のブレーンであった天海僧正が旧江戸城の鬼門守護の位置へと制定した由緒ある寺院である。


 その隣に隣接する浅草神社に南天、鬼灯、鈴蘭は集まっていた。真澄からお目付け役にと朝月と桜哉、海静の姿もあった。


 煌々と輝く月明かりの下、人気のない境内の中心で鬼灯は鈴蘭を呼んだ時と同じように紙で出来た人型を取り出し、それを中央に置く。その周りに五枚の呪符を五角形の形に配置した。


 鬼灯が準備している様子を朝月達三人は少し離れた位置から見守る。


「一体、何を始めるつもりなんでしょうか…」


 遠巻きに様子を伺いながら桜哉は不安げに呟いた。


「仲間を召喚するっていってたけど…あれ、どう見ても陣だよな…」


 鬼灯の目的を早くから知っていた朝月ですら、鬼灯が何をやろうとしているのか見当がつかなった。ただ、彼等が準備をしているのが術式の一環だということは見ていて明らかだった。


「…召喚するというのは、もしかして、本当にあの陣を通して召喚するという事なんだろうか…」


 眉を顰めて海静もまた自身の考えを口にした。それに応えたのは彼の中にいる紅紫檀だった。


『海静、アイツ等がやろうとしている事は、本来なら出来ない事だ。まあ、静かに見守ってな』


 紅紫檀の声は桜哉と朝月にも聞こえたのか、海静を含め三人はますます頭に疑問符を浮かべた。


 若者が見守る中、準備を終えた鬼灯は、それぞれ五角形の頂点に立つ南天と鈴蘭に視線を投げかけた。


「二人とも、準備はいいですか?」

「私は問題なくってよ」

「ボクも大丈夫…」


 2人からの応答に鬼灯は不敵な笑みを浮かべると、距離を置いて見守っている朝月達に手を振った。


 それが、儀式が始まる合図だと悟ると、朝月達は怪夷が現れた時の為に各々武器を手に、周囲の警戒を始めた。


「さて、それでは…」


 着物の懐から鬼灯は黒い手の平サイズの板を取り出すと、鏡面のように磨かれたそれの表面に指を這わせた。淡く光り出した板を耳の傍に持っていく。すると、直ぐに板の向こうからノイズが聴こえ、やがて人の声が響いてきた。


「こちら鬼灯です。術式の準備が整いました。そちらはどうですか?」


『こちらは、問題ありません』


 鬼灯の声に応えたのは、アルト音の柔らかな声。


清白すずしろが此方に来てしまうと、通信機器の扱いが出来なくなりますが、その問題は解消されたんですか?」


『それについてはドクターがどうにか対応してくれたよ。だから、清白をそちらに召喚してくれ。後の事はまた清白がそちらに着き次第で』


「承知しました」


 親しげに会話を交わした後、鬼灯は鈴蘭を召喚した時同様に、通信を繋いだまま板状の通信機を帯に差して前を向いた。


「では、いきますよ」


 鬼灯の声を合図に、三人は手を広げて呪文を唱え始める。

 すると、旧江戸城の方角を向く五角形の頂点が淡く光始めた。

 それに呼応する形で、鬼灯達が作った陣が銀色の光を放ちだす。


「あの光…神田明神で見た奴と同じだ…」


 朝月達の目の間で、銀色の光に包まれていく鬼灯達。やがて彼等を包み込んだ銀色の光は、天に耀く月を目指して柱となって伸ばされた。


 月が地上に落ちて来たのかと錯覚するような目映い光が、浅草神社の境内を包み込む。

 昼間の如き輝きに朝月達は咄嗟に目を閉じて顔を逸らした。


 流星が降り注ぐような光の流動が見えた刹那、鬼灯達が囲んでいた陣のうち、呪文を唱え始めた際に真っ先に光り出した頂点に、人影が現れていた。


 身体に纏った銀糸の光がゆっくりと消え、辺りに静寂の闇が戻る頃。南天の目の前に立ってたのは、同じ背格好のフードを被った少年だった。


 薄い色素の髪に全身を覆うフードの付いた外套を纏い、肩から荷物の詰まった革製の鞄を下げている。

 目深に被ったフードの向こうから、少し怯えたような瞳が不安そうに周囲を見渡している。


「清白…」


 ぽつりと、南天が目の前の人物の名前を呼ぶ。すると、フードを被った少年は大きく目を見開き、きゅっと唇を引き結び、プルプルと肩を震わせ始めた。


 そっと、南天が手を伸ばした瞬間、少年は飛び出すようにして南天に抱き着いた。







**********************


暁月:次回の『凍京怪夷事変』は…


弦月:新たな仲間・清白を迎えた真澄達だったが、当の清白は真澄に思う所があるようで…


暁月:第三十三話『鏡花水月』次回もよろしくね!

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