第四十一話―古巣からのカタルシス


 上弦の月が燦燦と輝く深夜。

 湯島天神の傍で真澄達は巡回中に怪夷に遭遇し、討伐任務に当たっていた。


 隼人が張った結界の中、獲物を手に南天、桜哉、鈴蘭、真澄は闇夜に咆哮を迸らせる怪夷に向かって駆け出した。

 逆手に持ったナイフを閃かせ、南天は身軽に跳びあがると、怪夷の背中に飛び乗ろうとする。だが、激しく振り回される尾に邪魔され、南天は軌道を変えて怪夷を飛び越えて反対側に着地した。


「南天、俺達が怪夷を足止めするから少し待ってろ」


 真澄の命令に南天は怪夷の足元で応戦する桜哉や鈴蘭を見遣った。

 目の前にいる怪夷は三つの目と二本の尾を持つ犬のような姿をしている。

 大きさも小柄で、それ程脅威ではない。


(これくらいのレベルならボク一人で倒せるのに…)


 いまいち調子が出ない事に南天は内心困惑した。さっきの一撃で仕留めるつもりが、怪夷の動きについて行けず、躱すのがやっとだった。


「南天、無理はいけませんわ、これは私と桜哉ちゃんに任せなさい」


 頼もしい鈴蘭の言葉に南天は複雑な顔をした。

 彼女の言葉通り、鈴蘭の担いだ大剣が怪夷の前脚を斬り割き、意図も容易くバランスを崩させる。


「今ですわ」


 鈴蘭の声に応じや桜哉が、落ちて来た怪夷の頭部、額の中心目掛けて軍刀を閃かす。

 正確に突き出された切っ先は、怪夷の額に深々と突き刺さり、その奥にある核を砕いた。

 核が砕かれた瞬間、怪夷の身体は黒い靄となって霧散していく。

 その様子を茫然と見詰めて南天は、無意識に袖の中で拳を握った。


「鈴蘭さん、お疲れ様です。やっぱり、聖剣の力は本当なんですね」

「ふふ、桜哉ちゃんのお陰ですわ」


 嬉しげに駆け寄って来た桜哉の肩に優しく手を置いて鈴蘭は、頬を紅潮させて微笑む。

 その愉悦に浸る笑みに南天は眉を寄せた。


「どうした南天?お前らしくない」

「マスターすみません…」


 駆け寄って来た真澄を南天は不安げ顔を歪めて見上げた。


「まあ。調子が出ない時もあるか。今日はもう帰って休もう」

「…はい」


 背中を優しく押され南天は真澄の言葉に静かに頷いた。


(…おかしい…なんで…)


 自身の胸元を抑え、南天は唇を噛み締めて自答する。この一週間、怪夷の討伐時に思うように力が出せない。その事に南天は本人でも驚くくらいの焦りを感じていた。

 背中に置かれた真澄の暖かい手が申し訳ないくらいに、自分が不甲斐無い。

 海静と紅紫檀の一件以前から、確かに力を上手く出せていない事には気づいていた。

 それが、例の一件を境に顕著になっている。


(…ボク…どうしちゃったの…?)


 自分でも理解できない不調に南天は珍しく肩を落とした。

 その落ちた肩を真澄は静かに撫でる。

 真澄もまた、南天の調子の変化に薄々気づいていた。




 ようやく暑さの和らいだ9月半ば。

 特夷隊の詰め所を一人の人物が訪れていた。

 三つ揃いの背広に、シルクハットを纏った紳士的な装いだが、風貌はまだまだ若い。

 赤混じりの茶色の髪に、何処か人懐っこい顔立ちの男は、詰め所の玄関で大きく声を張り上げた。


「警視庁刑事課の市村です。九頭竜隊長はおられますか?」


 玄関から響いた声に、執務室で事務仕事をしていた拓が顔を出した。


「市村君?」

「月代先輩、ご無沙汰してます!お元気ですか?」


 シルクハットを脱いで胸の前に下ろした男―市村銀之助は顔なじみである拓ににこやかに笑い掛けた。


「うん、そう言えば初夏の吉原以来だね。市村君も元気そうで良かった。隊長なら今日は巡回勤務だから夕方まで来ないけど…」


「そうなんですね…喫茶店の方へ伺えばよかった…それじゃ、赤羽先輩はいらっしゃいますか?」


「それじゃって、お前人をオマケみたいに言うなよ」


 玄関先から聞こえてきた拓の声が気になり、同じく事務仕事をしていた隼人も顔を出した。

 訪ねて来た人物がかつての同僚だと分かるなり、隼人は胡乱気な顔をした。


「隼人」

「赤羽先輩、丁度良かった」


 にこにこと人懐っこい笑みを浮かべて市村は隼人の前へと近づいた。


「お忙しい所、申し訳ないのですが、少々お力をお借り出来ないでしょうか?」

「なんだよ…また怪夷かもしれない案件か?」


 2か月前、吉原で起こっていた客や遊女を襲う猟奇殺人事件。それは結局怪夷の仕業であり、世間的には野犬による事件だったと処理された。

 あの時は特夷隊が丁度調査を開始しようとした所に、運よく警視庁の方から共同捜査の打診が来たのは記憶に新しい。


「ええ、まあ…怪夷なのかな…ここじゃなんなんで、お話だけでも聞いてもらえませんか?先輩達にも関わり深い事なので」


 声を落とし、視線を逸らしながら要件を濁す市村に、隼人と拓は顔を見合わせた。


「なんかあったのか…?」


 眉を顰めて尋ねる隼人に市村は、ぎこちなく笑った。

 いつもの市村の様子と少し違う事に気付いた隼人と拓は、市村を執務室にある応接間へと通した。



 運ばれて来たコーヒーを一口飲み、市村は深呼吸する。


「はあ、すみません」

「なんだよ。その要件は」


 市村の前に腰を下ろして隼人は、同じくコーヒーのカップの縁に口を付けて単刀直入に訊ねた。


「本当は、警視庁を退職したお二人に頼む事じゃないんですけど…」

「やけに濁すね?何か事情でも?」


 3人分のコーヒーを運んで来た拓は、隼人の隣に腰を下ろし、市村の顔を覗き込んだ。


「…内密にしてください。実は、小菅の刑務所で収監している囚人が更生を目的に刑務所から連れ出されているんです。それだけなら別に珍しい事じゃないんですが…それにどうも陸軍が関わっているらしくて。連れ出された囚人はそのまま行方不明になっていて…」


「陸軍が、なんでまた囚人を?」


「最初は労働力としての駆り出しだったようなんですが…囚人達は一人も戻っていなくて。初めの契約では期間が終了したら刑務所に戻す約束だったようなんですが」


 話をしながら市村は鞄の中から数枚の書類を取り出し、テーブルの上に置いた。

 そこには、陸軍と刑務所との間で交わされた契約内容や、駆り出された囚人の番号、期間、目的などが記されていた。

 そこに記された目的は、陸軍の施設の設置の為の土木工事と明記されている。


「機密事項の多い軍の施設だ。囚人を厚生の作業の一環でこき使うのも珍しくないだろうが…これの何が不自然なんだ?」


「駆り出された囚人の数人が、工事中の事故で死亡したと伝えられているんです。1人、2人ならそれもあり得るかと我々も気に留めなかったのですが」


 言葉を濁しながら市村は更に駆り出された囚人の名簿を取り出した。その中に十数人、黒い線が引かれている。


「三か月で既に20人に上っています。おかしくないですか?落盤事故などがあったならまだしも、工事の事故でこれだけの人数が死亡。その中には凶悪犯も含まれています」


 市村が差し出して来た囚人名簿に隼人と拓は何気なく目を通す。

 どれも、新聞やラジオで事件のニュースを聞いた事のある名前ばかりだ。


 その中に、ある囚人の名前を見止めた瞬間、拓は口元を押さえ、驚きのあまり瞠目した。

 直後、過去の出来事が感情の波と共にフラッシュバックして、拓の脳裏に様々な光景が押し寄せた。

 掴んでいた書類が、バラバラと床に落ちていく。突然、がくがくと肩を震わせて青ざめた拓に隼人は驚愕した。


「拓っ」


 咄嗟に、相棒の両肩を掴み隼人は必死にその身体を揺らす。それは、まるで拓の意識が飛ばないようにしているかのような、そんな動きだった。


「はあ、はあ…はあ、はあ…大丈夫…」


 冷や汗を流し、血相を変えて自分の顔を覗き込んでくる隼人に緩慢に首を振って答えて、拓は目を閉じた。

 名簿に記され、尚且つ黒い線の引かれた名前に、拓は嫌という程覚えがあった。

 忘れる事の出来ない、己の罪と贖罪を生み出した存在。


「なんで彼まで…」

「市村、お前まさかアイツが絡んでるから、ここにこの案件持ってきたのか?」


 鋭い隼人の眼差しに睨まれ、市村は頬を引き締めながら静かに頷いた。


「すみません。先輩達にとっては嫌な事件だったのは分かっていたんですが…何か辿れないかと…」


「拓の力を当てにして来たんなら、俺は容認できない。いくら古巣からの協力要請でもお断りだ」


 ソファから立ち上がり隼人は後輩を見据えるときっぱりと言い放つ。


「待って隼人、もう少し話を聞いてから」


 怒りを露わにして後輩に威嚇する隼人を拓は咄嗟に宥めた。


「けどお前、あの事件がどんだけお前を苦しめたか」

「分かってる、それは当事者である僕が一番よく分かっているよ…けど、今回はそうじゃないだろう?」


 隼人の腕を掴み拓は、縋りつくように相棒の激しい炎が宿った瞳を見上げた。


「市村君、その囚人達が事故での死亡で処理されて行方知れずになっている事件、もう少し詳しく教えてくれる?」


 隼人を再びソファに座らせて拓は改めて市村の話を聞くことにした。

 拓に促され、隼人の様子を伺いながらも市村は自身が持ってきた案件を二人に事細かに説明し始めた。




 夕方、夜間巡回の為に出勤してきた真澄は、隼人と拓から市村が持ってきた案件についての詳細を聞かされた。


「更生の為に陸軍の施設建設の労働力として駆り出された囚人が、事故に見せかけて行方知れずになっている。そのうちの数人が、無残な姿になって発見される事件が発生…その身体がまるで怪夷化したかのように黒化がみられたと…」


 市村が持ってきた案件を拓が完結的に纏めた報告書に目を通し、真澄は眉を顰めた。


「どう思います?隊長」

「市村君は、この黒化の件があったからこちらに協力を依頼に来たようなんですが…」


 考え込む真澄に拓はその時の市村の表情や様子を思い出しながら話をした。

 もし、ただ囚人が事故に見せかけて陸軍に不当に徴収されているなら、警視庁内で特別の捜査本部が立ち上がるだけで済んだだろう。

 拓と隼人が特夷隊に引き抜かれた当時の状況も知っている市村にとっても、名簿の中に例の囚人がいる時点で、あまり拓を関わらせたくなかった筈だ。

 それは、市村の表情や話し方から拓には直ぐに感じ取れた。


「確か、朝月と鬼灯が追っているのも陸軍絡みの不穏な動きでしたよね?」

「ああ」


 報告書や市村が持ってきた資料に目を通しながら真澄は眉を顰めて頬杖をついた。


「…吉原の時といい、今回の件といい…陸軍の連中は一体何をしようとしているんだ…」

「その辺、朝月からはまだ上がってこないんですか?」


 隼人の問いかけに真澄は頷く。朝月と鬼灯が陸軍の不穏な動きをかれこれ2ヶ月近く追っているが、ドイツ帝国と何か軍事的な絡みを持っているという事まで突き止めた時点で、報告は上がってきていない。


 真澄も、七海と海静の件で暫く奔走していたため、二人からの報告を保留にしている事もあり、大きな進展はまだ見られていなかった。


「繋がりがある…ということはないでしょうか?確か、朝月君の報告書ではドイツ帝国から医薬品や医療に使う機材などを輸入しているとありました。その囚人達が本当は労働力ではなく、何かの実験に使われていたとしたら?」


「怪夷絡みの実験……」


 拓が出してきた推測に真澄は椅子に深く座り込みながら、考え込む。思わず天井を見上げて真澄は、過去のやり取りをふと思い出した。

 まだ陸軍の士官学校を卒業した頃。幼馴染が卒業論文作成の為に研究していた案件で聞いた話を、真澄は何故か思い出した。


「…怪夷は人の怨念が実体化したモノ…か」

「隊長?」


 ぽつりと、独り言を呟いた真澄に隼人と拓は不思議そうに自分達の上司を見遣る。


「そう言えば、学生の頃に怪夷が人に取り憑いて仲間を増やすなら、生きた人間がそのまま怪夷になるのもあり得なくはない…なんて研究している奴の話を聞いたっけかな」


「隊長、それは逢坂時代に存在していたとされる、ヒト型怪夷の事ですか?」


「ああ。まあ近いものらしいが…あれもメカニズムが良く分からんらしい。怪夷を取り込んだ人間がその姿のまま怪夷化する…だが、怪夷を取り込むその方法がそもそも見つかっていない。あったとしても、その方法は既に完全に失われているしな」


 意味深な言葉を口にして真澄は広げていた資料を丁寧に纏めて机の上に置いた。


「怪夷絡みの案件なら協力は惜しまない。明日にでも市村君にもう一度来てもらって、話を聞こうか」

「受けるんですか?この話…」


 真澄が下そうとしている判断に不満げに隼人は眉を寄せた。いつも真澄の決めた事には文句も言わず従っている隼人が、今回に限っては慎重だった。

 その理由を知っている真澄は、腰掛けていた椅子から立ち上がり、隼人の肩を叩いた。


「隼人、お前が心配している事は分かっている。だが、今回はあの時とは状況が異なる。拓の事に関しては俺の方でもフォローするから、お前が気負う必要はないだろう?」

「真澄さんの言う通りだよ、隼人、僕は大丈夫だから」


 真澄と拓、二人から説得され、隼人はガシガシと後頭部を掻きながら大きな溜息を吐き出した。


「しょうがねえなあ…海静の件も決着ついた事だし、古巣には恩を売っておきますか」

「それでこそ、俺の副官だな」


 満足そうに笑う真澄を肩越しに見据え、隼人は複雑な表情を浮かべながら、制服の内ポケットに手を入れた。

 シガレットケースから煙草を取り出し、気を紛らわすために一本を口に咥えると、マッチで火を点けた。



 仮眠室の一つで、鬼灯と鈴蘭は情報交換をしていた。

 人数が増えた事で、朝月と鬼灯は本格的に陸軍の怪夷化実験の調査に本腰を入れていた。


「どうです?研究所の洗い出し、出来まして?」


 ベッドに腰を下ろし長い巻き毛の金髪に櫛を通しながら鈴蘭は鬼灯に問いかけた。


「貴方が持ってきた怪しい場所の地図が今のと違い過ぎて苦労しています。これ、海軍の軍事施設も混じっているでしょう?」


 一枚の紙をちらつかせ、鬼灯は溜息を吐いた。鈴蘭を向こうから呼び寄せた時、彼女に資料を頼んだが、現在との差異が大きすぎて鬼灯は場所の特定に苦労していた。


「しょ、しょうがないでしょう?急な話でしたし。私は元々海軍の出身でしてよ。それに、あちらでは既に海軍ですらその技術を使っていましたし」

「そうでした…そもそも貴方が持ってきた資料は、あっちでの研究施設の場所。こちらではまだそうなっていない場所ばかりでしたよ」


 資料を扇子代わりに扇ぐのに使い鬼灯は肩を竦めた。


「しかし、古い場所の特定は出来ました。もう少しで最初の研究施設の場所が特定できそうです」


 鬼灯からの報告に鈴蘭は内心ほっと息を吐いた。自分の失態を認めたくはないが、これ以上時間をかけるのも忍びない。

 話題を変えるように鈴蘭は自ら話を切り出した。


「そうだ、南天の事なんですけど」

「南天がどうかしましたか?」


 思わぬ所で仲間の話題が出た事に、鬼灯は興味深そうに鈴蘭の方を見た。近頃、巡回から外してもらっているせいか、南天と顔を合わせる日が少なくなっている。

 鬼灯は彼なりに南天の事を気にかけていたので、その様子は気になっている所だった。


「ねえ、南天は何処か具合でも悪いのかしら?以前のあの子なら怪夷一匹造作もなかったのに…昨日、かなり苦戦を強いられていましたの。まるで、思うように力が出せていないような…やっぱり、九頭竜隊長との契約が上手くいっていないのが要因かしら?」


 頬に手を添えて考え込みながら鈴蘭は自分が見て来た事を話す。


「どうして九頭竜隊長と南天は未だに契約を結べていないの?」


 それまで聞かずにいたがこの際だと鈴蘭は自分が来る前の事を鬼灯に尋ねた。


「…それが、わたくしも詳しくは知らないのです。わたくしが南天と合流した時、南天は仮契約は済ませたと言って来ました。しかし、何故契約が完了していないのか…はっきりとは分からないのです。九頭竜隊長が何故、契約を拒んでいるのか、その理由すら」


「九頭竜隊長が南天との契約を拒んでいるのは、見れば分かりましたわ。でも、どうしてなのかしら…」


「それが分かれば対策のしようもあるのですが…仮契約の状態が長引けばどうなるのかもわたくしには分かりませんし。きっとドクターも…」


 残して来た人物の顔を思い出し鬼灯は肩を落とす。

 ここに来て一番の誤算は南天と真澄の契約が進んでいない事だった。


「鬼灯、ここはひとつ南天の為にも清白の召喚を速めましょう。霊脈の特定は私がしますわ」

「そうですね…少し悠長にし過ぎていますし、今のうちに召喚しておきましょうか」


 意見を纏め鬼灯と鈴蘭は次の行動を起こすべく仮眠室を後にした。




**********************


朔月:次回の『凍京怪夷事変』は…


暁月:市村から持ち込まれた囚人失踪事件を調べる事になった真澄達。そんな中、不調を感じる南天はある人物に相談を持ち掛けて…


朔月:第四十二話「残響の月が奏でる不協和音」ご期待ください。



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