第三十三話ー乙女に迫る黒い影



 月は変わり、9月1日。


 旧江戸城の堀の傍を、真澄は一人訪れていた。

 大震災から今日で5年が過ぎた。

 東京の街は徐々に復興を遂げ、見違えるように変化している。

 そんな中で、まるで時が止まったように、瓦礫に埋もれたまま、立ち入り禁止の柵が張り巡らされて、旧江戸城はあの日のままそこに佇んでいた。


(雪…)


 腕に付けた時計の長針と短針が、震災の起きた時間を告げる。

 それに合わせて遠くで鐘が鳴り響いた。

 あの日を忘れない為の、あの日失われた命の為の鎮魂の音色。

 それを聞きながら真澄は静かに目を閉じた。


 5年経っても、親友の行方は杳として知れない。

 伝手を辿って探してはいるが、手掛かりすら見つからない。

 生死すら分からないまま、時だけが過ぎていく。


(いっそ、もう一度ここに入れたら…)


 堅く結界で閉ざされた旧江戸城を見遣り、真澄は唇を引き結んだ。

 烈震の影響で解けた封印をどうにか押さえ込む応急処置が施されているため、この柵の中には入る事は叶わない。

 例え、英雄の息子である自分でも、一歩足を踏み入れればどうなるか分からない。

 それほどにこの堀の向こうは瘴気に満ちた汚染された領域と化していた。


(聖剣があれば…か)


 旧江戸城の封印が解かれた後、西にいる自身の母や雪之丞の母、怪夷討伐の英雄達に助言を求めたが、聖剣が行方知れずでは、封印は難しいという事だった。

 既に引退をした者達にこれ以上負担を掛けたくないというのも、真澄なりの思いだった。


「はあ」


 溜息を吐き、真澄はゆっくりと旧江戸城に背を向けた。

 恐らく、方法がない訳ではない。

 最近知った事実が本当にそうなら、可能性はある。

 鬼灯や鈴蘭、そして南天が宿しているのが、かつて怪夷を滅する事が出来たあの聖剣なら。


(確かめたい気持ちはあるが…どうにも踏ん切りがつかないんだよなぁ…)


 あの日と同じ晴天の空を真澄は、ぼんやりと仰いだ。

 逡巡の果てに真澄は職場である大統領府を目指して歩き出す。



 その様子を、屋根の上から南天は静かに見つめていた。

 真澄が通りを歩いて行くのを見届けながら、ちらりと、石垣と深い木々に覆われた旧江戸城へ視線を向けた。


 昼間の太陽の下では弱まっているが、旧江戸城には禍々しい気が揺らめいている。

 結界で辛うじて抑えられているが、敏感なものなら体調を崩しかねない、異様な気配を放っている。

 ぎゅっと、胸を締め付けられる感覚に、南天は眩暈を起こしそうになった。


(なんだろう…ここに来ると胸がざわざわする…)


 全力疾走した後のように心臓が早く鼓動を刻んでいるのに、南天は眉を寄せて唇を噛み締めた。


(気持ち悪い…)


 じっと見つめていると、何かに引き込まれそうな感覚に襲われる。それを振り払うように南天は旧江戸城に背を向けると、真澄を追いかけるように屋根の上を駆け出した。







 七海の夏休みはあっという間に終わりを迎えた。

 夏休みの終わりはいつも色々な事が変化している。

 クラスメイトの何人かは、休みの間に縁談が決まり、既に学校を離れていた。

 女学校の中では進学校の七海が通う女学校も、家が決めた事には従わねばならない子女で今尚を溢れている。

 だが、中には髪型が変わったり、海辺で過ごして日焼けをした学友など、あか抜けた者も中にはいた。


 自分はと言えば、例の夢遊病の件や、親の仕事の事もあって、何処か旅行へ出かける事もなく、部活の為に家と学校を行き来する毎日だった。


「ふわああ」


 連日の真夜中散歩の影響で、少し寝不足なせいか、無意識に欠伸が出た。


「柏木さんが欠伸なんて、珍しいですわね」


 仲の良いクラスメイトの指摘に、七海は無防備に開けてしまった口を咄嗟に閉じた。


「これは失礼しました…最近遅くまで起きていまして」

「お勉強ですか?」


 クラスメイトの問いに七海はぎこちなく笑いながら頷いた。


「流石は政治家を目指されているだけありますわね。女学校を卒業されたら進学なさるとは聞いていましたけど」


「ああ…うん、まあそんなとこですわ」


 感激しているクラスメイトに胸中で頭を下げつつ、七海は笑みを取り繕った。

 確かに、将来父の跡を継ぐ為に大学へ進学するつもりではいる。

 だが、今回は勉学で夜更かしをしていた訳でないという真実に、たとえクラスメイトが勝手な解釈をしたとはいえ、騙しているような気分になって、七海は当惑した。


(まあいっか。誤解してくれていた方が…)


 胸中で自身を納得させ、七海はクラスメイトの勘違いに甘える事にした。


「そういえば、夏休みの間に、東京の街に怪夷らしいものが出たってお聞きになりまして?」

「え?」


 唐突に切り出された話題に、七海は目を見張る。


「ほら、十年前まで世界を恐怖に陥れていた化け物がいましたでしょう?あれのようなものが出没したって噂がありますのよ」


「それ…何処からの情報ですか?」


 キョトンと目を円くしながら七海は、クラスメイトの話の出所を訊ねた。すると彼女は、一冊の雑誌を取り出し、七海の前に差し出した。

 見出しには『旧時代の化け物甦る!軍都・東京を震撼させる闇』と大々的なキャッチコピーが躍っていた。


「ゴシップ雑誌…」


「都市伝説や不可解な事件を追っている雑誌ですわ。殆ど作り話ですけど、怪夷に付いては信憑性がありそうじゃありません?ほら、大震災の時に封印が解けたのではって噂が立ったくらいですから」


「そ、そうですわね…」


(まさか、小父様達の事もバレてたりする?)


 七海の父、柏木静郎が立ち上げた私設部隊である特夷隊は、公には大統領直属の護衛任務を主とした私的な軍隊である。

 表向きはそうなっているが、本来の目的はクラスメイトの彼女が言った大震災で溢れ出た怪夷の討伐である。

 その事実と怪夷が再び東京に現れているというのを知っているのは、極僅かで、公表すらされていない。

 ゴシップ雑誌の取材の信憑性は怪しいが、記者の執念が凄いのは父に張り付いている新聞記者達を見ていれば想像に難くなかった。


(もしかして、私のこの間の件が原因だったらそうしよう…)


 虚構だとは思っているが、真実を知っている身である七海は、真澄達の活動に不具合が起きない事を祈りながら、少しだけ罪悪感に包まれた。


「この雑誌、貸してもらえませんか?私も興味があります」

「勿論。良ければ既刊もお貸ししますわ」

「あ、ありがとう…」


 瞳を輝かせ、雑誌を差し出して来たクラスメイトに七海は、頬を引き攣らせつつ、笑顔で礼を告げた。





 その日、部活を終えて七海は一人通学路を歩いていた。

 手には、クラスメイトに借りたゴシップ雑誌を広げていた。


(怪夷の目撃情報は七月中旬…吉原での連続惨殺事件…この事件が人ではなく怪夷の仕業ではと言われている…やっぱり、私が夢遊病で悩んでた時期と被るなあ…)


 雑誌に書かれていた内容は、七海が知っている事と幾らか酷似していた。

 確かに、夏休みに入った頃、吉原では連続殺人事件が起きていた。だが、あれは結局野犬の仕業だったとして処理されている。

 目撃者も多額の口止め料で大統領府から他言無用を言い渡されている。

 その他にも、神田明神付近で若旦那衆が襲われたとか、満月の晩に謎の光の柱が目撃されたなど、七海が何となく知っている内容が記載されていた。


(…これ、お父様に伝えといた方がいいのかな…)


 特夷隊の活動は秘密裏に行われている。それがゴシップ雑誌とは言え、民間に漏れているのは少しまずいのではないだろうか。

 そんな事を考えながら家路を歩いていると、不意に背後に気配を感じて七海は歩みを止めた。


「ん?」


 肩越しに後ろを振り返るが、誰かがいるような気配はない。

 背後には夕闇が差し迫っていた。


「……」


 気味の悪さを感じて、七海は足早に道を歩きだした。

 何かが迫ってくるような感覚は、家に辿り着くまで続き、敷地に入った所でぴたりと収まった。


(…なんだったんだろう…)


 日の暮れて暗くなった道を見つめ、七海は溜息を吐いて玄関に入った。





 隼人の協力を得た翌日。朝月と鬼灯は真澄から調査の件で呼び出された。


「どうだ?例の調査、どこまで進んだ?」


 執務机に肘をついている真澄に見つめられ、朝月は鬼灯と顔を見合わせた。


「大丈夫ですよ、主様、取り合えずこれまでの調査の結果を報告してください」

「わ、分かった」


 小声で頷きあった後、朝月は事前に纏めた調査報告書を真澄の前に差し出した。


「ほう、随分調べたんだな」


 報告書は資料などと共に一冊のファイルに纏められていた。厚みもあり、短期間でありながらそれなりに成果は出しているようだった。


「まだ確証は得られていません。陸軍とドイツ軍との間になにかしら極秘の交流がある事は掴めたんですが、一体何を目的とした交流かまでははっきりしなくて」


「技術向上の視察や物資の輸入、輸出は珍しい事ではありません。かの国は医学も進んでいますから、医薬品などのやり取りは自然な事かと。ただ、武器の開発なども考えられます」


 朝月の報告を鬼灯は簡潔に補足した。

 2人からの報告とファイルの中身を眺め、真澄は眉を顰めた。


「よくやったな。ここまで辿り着いたお前達にある筋からの情報を与えてやろう」


 ファイルを机に置き、ニヤリと笑みを浮かべて真澄は机の引き出しから一冊の冊子取り出すと、2人の前に差し出した。


「お前達の睨んだ通り、陸軍内の不穏分子の元凶はドイツ帝国だ。ここに記されているのは、ある実験に関する極秘の供述だ。絶対に漏らすなよ」


「失礼ですが、九頭竜隊長はこの案件にドイツ帝国が関与している事をご存じだったんですか?」


 真澄から冊子を受け取った鬼灯は、まるで鎌をかけるような質問を投げかけた。

 鬼灯の問いに、真澄は肩を竦めて首を横に振った。


「いや、お前達にこの件の調査を任じた時は全く知らなかったさ。俺が知ったのは、この極秘内容をさる情報筋から受け取ってからだ」


「そのさる情報筋ってのは、教えてもらえないんすか?」


「残念だが、これは内緒だ。俺もそれなりに情報網があるからな。そう易々教えはしないよ。諜報に興味があるなら、自分で人脈は造らないとな、朝月」


 ニヤリと笑う真澄に朝月は「ですよね~」とがくりと肩を落とした。

 そんな朝月の姿を横目に見遣ってから、鬼灯は真澄から受け取った冊子を開いた。

 日ノ本の文字ではなく、英語で記されたその冊子を見据え、鬼灯はチラッと真澄と視線を合わせた。


「分かりました。引き続き調査に励みます」

「ああ、頼んだぞ、その情報を大いに役立ててくれ」


 真澄からの励ましに朝月と鬼灯は敬礼で応えると、踵を返してその場を去っていった。




 学校が始まり、通常の日々が戻った七海は、始業式の日から真夜中の散歩を控えていた。

 勉学や通学に支障が出るのも理由の一つだったが、始業式の日に感じた誰かに付けられているという感覚が、ここ数日続いていたからだった。


(やっぱり…お父様に相談すべきかな…)


 剣道場で防具の面を脱ぎながら、七海は内心悩んでいた。

 仮にもこの国の最高指導者の娘である。よからぬ事を考える輩が付けている可能性も考えられた。

 七海が通う女学校は、良家の女子が通うだけあって、通学時の誘拐も珍しい事ではなかった。


 秋を迎え、日が暮れるのも日に日に早くなっている。

 まだ十代のうら若き乙女からしてみれば、得体の知れないモノにつき纏われるのはそれなりに恐怖だった。


 部活が終わり、当番である道場の掃除を終えると、辺りはすっかり暗くなっていた。

 同じ方向へ帰る学友は少なく、七海は胸のざわつきを押さえながら家路へと歩き出した。


(夏休みに怪夷探索で夜中の東京を歩いてた時は全然平気だったのに…)


 街灯の灯りを頼りに夜道を歩きながら、七海は内心溜息をついた。思えば、夏休みの真夜中散歩は、まるで冒険をしているようでわくわくしていたのだ。

 けれど、今の状況はその時とは打って変わっている。

 更に、最後の探索の日に遭遇した禍々しく赤い瞳。あれが怪夷だったのかは判然としないが、あの異様な目つきに初めて自分が無謀な事をしていた事に気づかされた。


 鞄を握り締め、いつもより足早に七海は家への道を急ぐ。

 だが、自分でも何故そうしてしまったのか分からないが、七海は一際暗い路地裏に顔を向けてしまった。


「あ…」


 ヒヤリと、秋の涼風とは異なる冷やかな風が、辺りを包み込む。

 背筋を這う異様な寒気に七海は、ぴたりとその場に立ち尽くした。

 夕闇の陰の中、禍々しく光る赤い視線がこちらを見ている。


「ッ!?」


 それは、咄嗟の判断だった。恐らく、普段から武道を嗜んでいたからこそ出来た動きだった。

 禍々しい赤い瞳が揺れた直後、七海は反射的にその場から駈け出していた。


(あれ…絶対まずい…!)


 鞄を抱え、七海は一目散に道を走り抜けていく。自分でも何処へ向かっているのか見当がつかない程に。

 兎に角、逃げなければという本能だけが、足を動かしていた。

 振り返れば、きっと追いつかれる。


 恐怖に苛まれるまま、七海は必死に夕闇の中を駆け抜け、やがてぼんやりと浮かび上がった大きな門を抜けて。

 そこは、どうやら何処かの寺だった。

 掃除の行き届いた境内の参道を抜け、本堂と思われる大きなお堂の横をすり抜けて七海は裏の繁みの中にそっと、身を顰めた。

 怪夷は怨念の塊が集まって生まれたモノ。神社や寺などの聖域と称される場所は嫌悪して入っては来ない、と言われていた。


(ここなら多分…)


 晴美から怪夷の特徴やもし遭遇した場合の回避方法などを聞いておいて良かったと、七海はほっと息を吐く。

 だが、制服のポケットに入れていた八卦盤の針が、七海の背後の方角を示して激しく震えていた。

 それは、さっきの怪夷がまだ近くにいるという証。

 ぎゅっと、身体を丸め七海はその場に息を殺して蹲った。


(誰か助けて…助けて…お兄ちゃん…)





 ある神社の境内の中。

 三角形の獣耳をピクリと揺らし、ゆっくりと、彼は上体を起こした。


(七海…)


 それは、本能によるものか、それとも絆がそうさせたのか。

 嫌な予感に眠りを妨げられ、目を覚ました黒銀の狼は、鼻先を夜空に向けて気配を探る。

 ゆっくりと体躯を起こした彼は、僅かに頭を振って完全に眠気を覚ますと、身を寄せている境内から社の屋根の上に跳びあがった。


『おい、また行くのかよ…たく、妹思いの兄ちゃんだな』


(お前の手を取ったのは元をたどればこの為だ。今回は俺の行動に付き合ってもらう)


 内側から響く声にそう告げ、彼は夜の街へと駈け出す。

 それに、呆れつつも内なる存在は彼の意思に全てを委ねた。

 秋の風が吹く中、黒銀の狼は真っ直ぐに目的地を目指した。




 秋の気配が近づくと、夏の間地上を照らしていた太陽は、その歩調が急に速くなる。

 さっきまで西の空に赤々と輝いていたかと思うと、気づけば山裾にその身を半分隠している。


 夕暮れは長く空を茜色に染め、紫紺の闇がゆっくりと世界を覆って行く。

 逢魔が時と呼ばれる時間が長くなるのは、秋の特徴かもしれない。

 そんな時は、昔からよからぬモノ達が力を持つ。

 それは、怪夷とて例外ではなかった。

 大統領府内にある特夷隊の詰め所では、巡回に向かう為のグリーフィングが終わり、巡回メンバー達が準備を行っていた。


「ようやく私も巡回に連れていって貰えるのですね」


 何処か浮かれた調子で、真新しい特夷隊の制服に袖を通し、鈴蘭は微笑んだ。

 南天と鬼灯によって呼ばれてから早二週間。

 今日が鈴蘭の巡回初日となった。

 というのも、七海の夢遊病の一件が終ってから、特夷隊の面々はこれまで取れなかった休みを各自交代で取る事になった。


 その関係で、体制が整のうまで巡回は慣れたメンバーでのみ行っていたのである。

 その間、鈴蘭は桜哉から日中の仕事や、訓練を行う日々を送っていた。


「良かったですね。これで晴れて特夷隊の一員じゃないですか」


 大統領の護衛任務であった鬼灯は初陣を飾る同僚を労う為、詰め所の執務室を訪れていた。


「待ちくたびれましたわ。まあ、その分力を温存出来ましたけど」


「身体に異常はないですか?聖剣との馴染みは?」


 鬼灯の気遣う問いに、鈴蘭は首を左右に振る。


「問題ありませんわ。桜哉ちゃんとの契約は成功しましたし。ですが、まだしっかり力を出せるかは今後次第ですわね」


「まあそうでしょうね。わたくしもまだきちんと力を出していませんし…」


 眉を顰め、鬼灯は難しい顔をする。


「いずれ、その時が来る前に慣らしておきたいのですが、さてさて、強力な怪夷に出逢えるか…」


「鬼灯、まだこちらの怪夷は自然発生系が多いのでしょう?」


 唐突な鈴蘭の問いに、鬼灯は小さく頷く。


「ええ、まだ、旧江戸城から溢れたモノ達だけでしょうね」


 鬼灯の答えを聞いて鈴蘭は、瞼を伏せると、思案し始めた。


「何か、気になる事でも?」


「いいえ、ただ、後四カ月の間に決着をつける必要があると思うと、こんなに悠長に構えていていいのかしらと思いましたの」


「それについては、今わたくしが主様と探っています。貴方は次の仲間を呼ぶまで力を慣らしておいてください。これは、副隊長命令です」


 命令と強い権限を発動した鬼灯に、鈴蘭は少し不満げに彼を睨むと、やれやれと肩を竦めた。


「ほら、そろそろ行かないと」


「はいはい。分かってますわよ…貴方も気を付けて。貴方のお父様の二の轍を踏まない事ですわ」


 肩に掛った豪奢な金髪を手で払い、踵を返して鈴蘭は鬼灯に背を向けた。捨て台詞を吐き、鈴蘭はその場を立ち去っていく。

 仲間の背を見送りながら、鬼灯は片眉をぴくりと揺らし、口の中で小さく吐き捨てた。


「…踏ませませんよ。一度とね」








*******************



暁月:さてさて、次回の『凍京怪夷事変』は…?


刹那:七海が自宅に帰っていないと柏木から連絡を受けた真澄は、特夷隊を総動員して七海探しに奔走し…


暁月:第三十四話「虫の知らせは突然に」よろしくね!


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