第二十五話ー月無き夜の闖入者
黒く禍々しい蹄が舗装された道路を抉り、隼人と拓に向かって突進する。
その勢いは気を抜けば一瞬で吹き飛ばされそうな風圧と重量を誇っている。恐らく、少し掠っただけでも骨折しかねない威力だった。
だが、雄牛というだけあって、怪夷は左右に逃げ回る隼人と拓に直進して突進するので、どうにか躱す事が出来た。
「はあ、くそ…」
だが、猛追してくる上にそのスピードが時間の経過と共に増している事に、隼人も拓も体力を削られていた。
(大翔の結界内でこれだけの威力か…それに、徐々に威力が上がっているとなるとこれは…)
「拓…今日の月齢は?」
「僕もそれを考えてたよ。最悪な事に今夜は新月だね」
苦笑を口元に滲ませた相方の問いに、拓は肩を竦めて応えた。
彼の言葉通り、夏の夜空に浮かぶ小舟の姿はない。
過去の記録から、怪夷が月齢にその力を左右されるのだという事は分かっていた。闇が最も深い新月の日は、怪夷が最もその力を増す。
そんな常識を隼人と拓は改めて意識させられた。
「親父も何度か新月の晩に怪夷とやり合ったって言ってたけど…ここまで強いとはな…」
「逢坂時代の怪夷と力が同じか分からないけど…きっとそうだろうね」
かつて、自身の親の代が担った怪夷の討伐。その英雄譚を聴き、時に間近で見ていた幼少期。
まさか自分達の代でそれを再現するとは思っても見なかったが、なるほどと隼人も拓も納得した。
「このままじゃ埒が明かない…拓、左右から一気に攻めるぞ」
「了解。大翔君、怪夷の動きを出来るだけ封じて」
無線機越しに拓は後方にいる大翔に指示を出す。了承の声返ったのを合図に、隼人と拓は怪夷の左右に別れた。
蹄を唸らせ雄牛の怪夷は咆哮を迸らせる。
「おら、こっちだ!」
二丁のリヴォルバーのトリガーを引き、閃光と轟音を閃かせて隼人は雄牛目掛けて術式の込められた弾丸を撃ち出した。
撃ち出されたうち、一発の銃弾が雄牛の怪夷の肩を僅かに掠める。黒く禍々しい瘴気を纏った皮膚が抉れ、辺りに皮膚片と黒い血が飛び散った。
モオオオオオオオオオオオオオオ!!!
弾丸自体に術式の刻まれた弾丸の一撃は、たとえ掠めただけでも効果はあったのか、皮膚を抉った痛みと熱に雄牛の怪夷は悲鳴に似た咆哮を上げた。
耳をつんざくその咆哮は、雄牛の怪夷の戦意を怒りと憎しみを増幅させた。
怒りに赤い瞳をぎらつかせ雄牛の怪夷は銃弾を放った隼人に標的を定めると、憤りをぶつけるが如く、跳ぶように駈け出した。
ニヤリと不敵な笑みを零し、更に隼人は数発続けて雄牛目掛けてトリガーを引く。
自分に真っ直ぐに向かって距離を詰めてくる相手に当てるのは、銃撃を得意とする隼人には難しいものではなかった。ましてや、標的の面積は広く、既に隼人が放った弾丸のうち、半分は雄牛の怪夷の胸や肩、腹部に命中していた。
だが、トリガーを引くのと雄牛の怪夷が自分へ迫る速度と、常に後退しながらの射撃は神経をすり減らした。
リヴォルバーの性質上、弾切れが起こる。その瞬間を待っていた。
「今だ!」
大きく横に転がるようにして雄牛の怪夷の突撃を避けた隼人は、大きく声を張り上げる。
それに呼応するように、雄牛と隼人の交戦を見守って距離を測っていた拓の槍の一撃が、雄牛の横から腹部へと突き刺さる。
目に映るのは一撃だが、拓は一発を放つ間に三段突きを雄牛の怪夷に加えていた。
鋭く幅の広い槍に突かれた身体からは黒い体液が飛び散り、雄牛の怪夷はその痛みに身を震わせた。
「拓っ」
「月代さんっ」
槍を引いて後退した拓を上下左右に振り回した雄牛の怪夷の角が掠めた。
「ぐあっ」
少し掠ったと思ったが、予想外の威力に拓の身体は弧を描いて空中に投げ飛ばされた。
咄嗟の機転で大翔は術式を書き込んだ布を飛ばし、拓の身体を絡め捕ると、落下の威力を削って隼人の真下へ落ちるように落下地点を調整した。
「馬鹿っ無茶すんな!」
自分の上に落ちて来た拓を隼人は見事受け止めると、腕の中の相方に苦言を呈した。
「ごめん…油断した…」
「どうせ高揚感に浸ってたんだろ。もっと冷静になれ、馬鹿」
「隼人の気に当てられたらそうなるよ…」
苦笑を浮かべ拓は隼人に支えられながら立ち上がる。大翔が結界を強化して怪夷の動きを封じてくれているお陰で、打ち身で済んだようだ。
拓から受けた突きの攻撃が効いているのか、雄牛の怪夷は怒りに蹄を打ち付けつつも、こちらの様子を伺っている。
「これなら次でどうにか出来るかもな」
シリンダーを換えながら隼人は雄牛の怪夷を見据える。
「俺が囮になる。拓、お前が核を壊せ」
「分かった」
互いに視線を交わし、隼人と拓は再び同時に左右に別れて怪夷へ向かって駆け出した。
隼人が持つリヴォルバーが火を噴く。その閃光と轟音、飛来する銃弾に雄牛の怪夷は隼人の方に首を向ける。
だが、先程のように雄牛の怪夷が突進してくることは無い。
(まさか…)
「二人とも!気を付けて下さい!」
怪夷の動きを瞬時に察知した大翔は無線越しではなく、自身の声を張り上げて二人に警告を発した。
その予想は的中する。
雄牛の怪夷の身体から流れ出した黒い血から、影のような小山が浮かび上がる。それは、ぐにゃりと沸き立ち、黒い革袋を被った初歩的な怪夷がわらわらと現れた。
「くそっ後少しって時にっ」
ブヨブヨと地面から湧きだす怪夷は大翔が張った結界のお陰で幾らは生まれると共に消滅するが、中には子供の背丈ほどに成長してその個体を維持するモノが現れた。それはやがて雄牛の怪夷を取り囲むように群れをなしていく。その動きは、まるで雄牛の怪夷を護るかのようだ。
壁のように立ち塞がる怪夷の群れに隼人は舌打ちした。
「仕方ない、雑魚片付けながら攻めるぞ」
シリンダーに装填した弾を交換し隼人は再び二丁のリヴォルバーを構え直す。
「拓、行けるか?」
「問題ないよ。でも、ちょっと貸して」
ニコリといつもと変わらない笑みを浮かべた拓は、すっと隼人の肩に触れる。一瞬交わった視線が、普段の穏やかなものから好戦的な獲物と見据えるものに変化したのを、隼人は見逃さなかった。
「飲まれるなよ」
「分かってるって」
隼人の前に出て槍を握り直す拓の雰囲気が柔和なものから、闘志に満ちたものへと変化する。口調も少し砕けたものに変わっていた。
「隼人、援後頼む」
肩越しに相方に告げた拓は、今度は自ら指示を出して怪夷の群れに向かって飛び込んだ。
立ち向かってくる拓目掛け、群れをなした怪夷が一斉に飛び掛かる。
それを拓は槍を横薙ぎに振り翳し、一気に振り払う。
その隙を付くように向かってくる怪夷を隼人の銃弾が撃ち抜いていく。
(流石、警視局のベストコンビ…)
結界を張りながら状況を伺っていた大翔は、隼人と拓の連携に舌を巻く。
特夷隊に招集される以前からコンビを組んでいただけあって、二人の呼吸に乱れはない。
前衛後衛が交代しても変わらないコンビネーションは、徐々に怪夷の群れを押し返していく。
隼人のリヴォルバーから放たれる銃弾の流星の援護を受け、拓は怪夷の群れを突いては払い、薙ぎ払っては吹き飛ばして、親玉の雄牛の怪夷へと迫った。
黒い波を左右に弾き、親玉への活路を切り開いた拓は地面を蹴って雄牛の怪夷の頭上へ飛び上がった。
逆さに構えた槍の切っ先が雄牛の怪夷の額を捉える。重力を利用して拓はそのまま一気に雄牛の怪夷の上に落下する。
鋭い白銀の切っ先が怪夷の額に突き刺さる直前、雄牛の怪夷は首を大きく振って咆哮を迸らせた。
空気を震わせる流れに落下地点が後退し、拓は雄牛の怪夷の背中に着地した。
「拓っ振り落とされるなよ!」
シリンダーに銃弾を装填しながら隼人は怪夷の背中にしがみつている拓へ忠告する。
相方からの言葉に拓は不敵に笑って答えると、雄牛の背中で器用に槍を反転させ、その背中に容赦なく切っ先を突き刺した。
激痛が走ったのか、雄牛の怪夷は全身を振り乱し、背中に乗った拓を振り落とそうと藻掻く。
ロデオ状態の背中に突き刺した槍に拓は振り落とされまいとしがみつく。
痛みに怒り狂う雄牛の怪夷の縦横無尽の動きは、今にも拓を振り落としそうな勢いだ。
雄牛の怪夷の動きを止めようと隼人は銃弾を撃ち込むが、対象が上下左右我武者羅に動くせいで標準が定まらない。
(このままじゃ拓が振り落とされる)
三メートルはあろうかという雄牛の怪夷から振り落とされればそれなりにダメージを負うのは避けられない。ましてや、落ちた所が悪ければ拓は怪夷の蹄に踏みつぶされる可能性だってある。
浮かんでは消えていく最悪の事態を振り払いながら隼人はトリガーを引く指に力を込めた。
その時だった。
黒い影が暗闇の中から川を飛び越えて飛躍する。
それは、雄牛の怪夷の前に飛び掛かると、臆する事無く雄牛の角に噛み付いた。
「月代さんっ今のうちに」
大翔の声に、雄牛の怪夷の背中にしがみ付いていた拓は、槍を引き抜くと怪夷の動きが止まった隙を付いて地面に飛び降りた。
着地して直ぐ怪夷から距離を取った拓は、雄牛の怪夷の角に噛み付いて動きを封じる黒銀の影を凝視する。
街灯の灯りに浮かび上がったのは、黒い狼。それが怪夷だというのは明らかなのに、何故か禍々しさは感じられなかった。
例えるなら、南天が拾った猫の怪夷に似た空気を纏っている。
それとは別に拓は狼の怪夷からある気配を感じ取り、ハッと息を飲んだ。
「あれは…」
「拓、大丈夫か?」
駆け寄って来た相方に拓は深く頷く。その視線からは先程の好戦的な眼差しは薄れていた。
「僕は平気…隼人、あの狼の怪夷は…」
雄牛の怪夷の角を食いちぎり、更に首筋に噛み付こうと牙を剥きだす狼の怪夷の姿を目の当たりにして、拓は驚いた表情を浮かべた。
「この間の吉原で俺達に加勢してくれた例の…」
「そうじゃないよ、あれは…あの怪夷は」
隼人に何かを告げようと拓の言葉を遮るような悲鳴が、雄牛の怪夷から響き渡る。
その声に雄牛の怪夷を振り返ると、その視線の先で狼の怪夷が此方を見据えながら雄牛の怪夷の首筋に噛み付き、その巨体を地面に押し倒していた。
狼の怪夷の目が、早く止めを刺せと訴えてくる。
「分かったよ」
短く吐き捨て、敵を抑え込む闖入者の訴えに応えるように隼人は一気に駈け出すと、横倒しになった雄牛の怪夷の正面へと回った。
リヴォルバーに取り付けたナイフが白銀に閃く。迷うことなく隼人の二本のナイフは雄牛の怪夷の額に突き刺さり、その奥にある核を砕いた。
核を砕かれた額を中心にして、雄牛の怪夷の身体がどろりと解けて行く。
影へと戻っていく怪夷の傍から隼人と狼の怪夷は同時に、別々の方向へと退いた。
砕けた核の欠片と、一部の肉塊を残し雄牛の怪夷が完全に沈黙したのを確認すると、辺りに静寂が戻っていた。
「終わった…」
誰からともなく、安堵の溜息が零れ落ちる。
「おい、」
隼人達が無事なのを確認するように、三人を一瞥して身を翻した狼の怪夷を、隼人は思わず引き留めた。
「お前は一体何者なんだ?なんで俺達に加勢する?お前も怪夷だろ…」
驚きを含んだその問いかけに、狼の怪夷は隼人をじっと見つめた後、問いに答えることなく颯爽と走り去っていった。
闇の中に狼の怪夷が姿を消した後、何処からともなく月の無い夜に遠吠えが響く。
何処か悲しげなその声を聴きながら、隼人達は暫くその場に立ち尽くした。
隼人からの戦闘終了の報告と共に、その晩は静寂が戻り、それ以上怪夷の出現は確認されなかった。
真澄達護衛班の方も、隼人達の怪夷討伐終了と同時に七海の夢遊病も終わり、普段と変わらない夜へと戻った。
「お疲れ様です。隊長」
翌朝、真澄達護衛組へ詰め所へ戻ってくると。執務室の扉の内側で、待ちかねたと言わんばかりの隼人が待っていた。
「お疲れさん。討伐任務ご苦労だったな。大翔と拓は?」
「二人は仮眠室に。結構消耗してたから休ませてる。それより隊長、これから柏木大統領のとこ報告行きます?」
「ああ、昨日は公務で邸には不在だったからな。報告してやった方がアイツも安心」
「俺も同行させて下さい。昨夜の怪夷討伐の件で、直に報告したい案件があります」
食い入るような隼人の進言に真澄は、一瞬眉を顰めたが、ハッとある事に思い当たり静かに頷いた。
「報告書はまとめてあるか?」
真澄の問いに隼人は数枚の紙の束を真澄の前に差し出した。それを受け取り、念のためにと真澄は内容に目を通す。
大体は昨夜の巡回での怪夷討伐の経緯や状況を報告する内容だが、最後の方に隼人なりの推測や憶測が記載されている。
「…お前、本当にそうだと思うか?」
難しい顔をして真澄は声のトーンを落として隼人自身に報告書の内容を確認する。
「…拓が感じ取ったなら間違いないと思います。アイツのプロファイリングを俺は信頼してますから」
「そうか…俺も薄々そうかもとは思っていたが…拓の推測なら信憑性は増すな。分かった。同行を許可する。お前の口から閣下に伝えてくれ」
真澄からの指令に隼人は敬礼をして応じる。
「桜哉、南天、二人は拓と大翔から昨日の様子を聞くように。こっちの状況も伝えてくれ。俺と隼人は大統領に報告してくる」
自身の執務机で報告書の作成の準備や給湯室でコーヒーを入れていた桜哉と南天に真澄は指示を出すと、隼人を伴って執務室を出た。
公務の前の僅かな時間。
真澄はいつもこの朝の時間を利用して柏木と対面していた。
いつも通り部屋を訪ねて来た真澄と珍しく連れ立ってきた隼人を出迎えた柏木は、二人から渡された報告書に目を通した。
始めはいつもと変わらない特夷隊の活動報告書。
だが、隼人が出して来た報告書の最後の内容に目を通した途端、柏木の頬が強張り、彼にしては珍しく驚愕に顔を歪めた。
「…はは…本気で言っているのか…」
報告書を机の上に置き、鼻から上を覆うように片手で覆い隠した柏木は、喉から乾いた笑い声を零した。
「もしそれが本当なら、野放しには出来ないな…」
緩慢な動きで顔を上げ、柏木は机の前に立つ真澄と隼人を見つめる。
「柏木、例の作戦の決行の許可をくれ。もしその憶測が事実なら、効果があると俺は思う」
「そうだな…あの子を巻き込みたくはなかったが…仕方がない」
深く息を吐き、背筋を伸ばした柏木は、自身の直属の部下達を真っ直ぐに見据えた。その瞳に迷いや後悔はない。冷静沈着な大統領としての顔で、彼は上唇を持ち上げた。
「九頭竜隊長、赤羽副隊長。貴君等特夷隊に柏木七海囮作戦の実行を許可する。直ちに作戦計画書を提出しろ。ただし、必ず成果を挙げろ。囮対象を傷付けず、問題を解決する事を要請する」
「了解しました」
敬礼をして真澄と隼人は背筋を伸ばして頬を引き締める。二人もこの作戦は覚悟の上の進言だった。
「俺を失望させるなよ。期待しているからな」
頬杖を突き、いつもと変わらぬ不敵な笑みを零して柏木は隼人が提出した報告書に判を押した。
真澄が隼人と大統領に報告に行っている頃。
日勤として出勤してきた鬼灯に南天は医務室に来るように呼び出された。
医務室に行くと、鬼灯と共に三好が待っていた。天童は出勤時間前でまだ来ていない。
「昨夜はお疲れ様でした。なかなか大変な夜だったみたいですね」
「ボクより、巡回に出ていた方が大変だったみたいだよ…」
ふうと息を吐いて南天は医務室の扉を閉める。
「そっちの進捗は?」
「ふふ、まさしくそれを伝えようと貴方を呼びました」
嫣然と微笑む鬼灯を見上げた南天は、医務室の椅子に座る三好に視線を移す。三好が同席をしている事に南天が疑問を抱いているのに気づいた鬼灯は、話を切り出した。
「三好先生にも少し協力をしてもらいました。南天、召喚の場所が決まりましたよ」
鬼灯の発言に南天はじっと鬼灯を見据えた。
「決行は次の満月。場所は神田明神。三好先生に霊脈の流れを調べてもらった所、丁度いい場所だろうと」
「君達に手を貸すとは言ったけど、まさか専門外に近い事を調べさせられるとは思わなかったよ…まあ、私もドクターに恩があるし、君達でなければ私がこの役目を担っていただろうしね」
三好が同席していた理由を知り、南天は内心納得した。
「三好先生が我々の先輩だとは最初思いませんでしたが…まあ、協力者で良かったですよ」
「いつから二人はそんなに親しくなってたの?」
鬼灯と三好が自分の知らない所で準備を進めていた事に南天は驚きと少しの不満を露わにした。
「親しいかどうかは別にして…鬼灯君は君達の小隊の副隊長なんだろ?その関係でやり取りをさせてもらったよ。…ドクターとも久し振りに話が出来た」
懐かしむように眼鏡の向こうの目を細め三好は小さく息を吐く。
「三好先生の事はドクターには報告済みです。後の準備はこちらでしますので、南天、貴方は当日まで怪我などしないように」
「分かった。鬼灯こそ、陸軍絡みの調査でヘマしないようにね」
「おや、貴方が心配してくれるとは珍しい。雪でも降りそうですね」
袖口で口元を隠して微笑む鬼灯から視線を逸らし、南天は窓の外を眺めた。
「…夏に雪なんて…降らないよ」
「例えですよ。さて、それではこちらも動きますよ。次のステップに進むために」
鬼灯の自信に満ちた言葉に、南天は敬礼をして返答した。
******************
暁月:さてさて、次回の『凍京怪夷事変』は?
朔月:ついに柏木大統領から降りた七海を使った囮作戦の許可。真澄達は慎重に作戦を進めるべく動き出す。そんな中、桜哉のお見合いの日取りも決まり始めて…
暁月:第二十六話「思いと願いと心配りと」よろしくね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます