凍京小話③『日ノ本共和国における政府及び勢力について』
弦月:ベベン(三味線を鳴らす音)さあ、さあ、お立ちあい、お立ちあい!これより語りますは、本作『凍京怪夷事変』がもっと面白くなる解説コーナー『凍京小話』にございます!
此度の担当は、この私、聖剣兄弟が三男坊・弦月でございます。
どうぞ最後までお付き合い頂けましたらこれ幸いにございます。
それでは、今回作者より賜りましたテーマはこちら「日ノ本共和における政府及び勢力について」でございます。
皆様も本編をご覧になられてお気づきとは思いますが、この『凍京怪夷事変』における日本は、皆様が知る歴史とは異なる道を歩んだ、いわば別の史実。
江戸の末に大災厄及び怪夷の脅威が世界を襲う前から、日ノ本は蒸気大国として英国に並ぶ地位を確立しておりました。
この時点でこの物語が歴史改変モノであるのは、お分かり頂けるかと思います。
怪夷の脅威が真澄氏の母君達、英雄と呼ばれる方々によって退けられ、日ノ本は怪夷を最初に克服した国家として国際社会でも大きな地位を築いているのが、大正43年現在でございます。
そんな日ノ本の現在の政府について今回は掘り下げて参りましょう。
まず、国名は「日ノ本共和国」。
欧羅巴での怪夷討伐時において、日ノ本は大災厄の被害に遭わなかった米国から、様々な制度や政治の形態のノウハウを輸入します。
それによって誕生したのが、大統領制による政治であり、かつての帝を頂点においた政治とは異なる形を取っております。
大統領制による政治体制を築いた事で、皆様が知る政府体制とは若干異なっております。
現在の日ノ本は、政治、軍事、司法の三権分立に加え、祭事と呼ばれる帝を最高司祭に据え置く四権分立という体制を取っているのでございます。
米国からの新しい制度に加え、日ノ本らしさを残した全く新しい政権の下、日ノ本の民は暮らしておるのであります。
ちなみに、選挙権も男女ともに20歳から与えられ、大統領選挙は8年に一度でございます。
ここは、少々理想的なお話ですが、まあ、フィクションですから理想もあり、というのが作者の考えでございます。
政治は軍都・東京で行われておりますが、首都である帝都は現在の京にあり、大統領は年に数回、帝に謁見する為に都へと上るのが習わしとなっております。
それではここで、各権力を簡単にご説明しましょう。
政治…国家の運営、法律など政治に関わる事を行う。大統領を中心に行われ、政治家及び大統領は選挙によって国民から選ばれる。
軍事…国の防衛を担う。最高指揮官は大統領だが、普段は元帥が指示を行っている。陸軍、海軍に別れており、仲が悪い。
司法…裁判、警察などの組織を有する法の下に動いている。国内の犯罪を取り締まり、正当な判断を行っている。
祭事…日ノ本におけるあらゆる祭事を取り行う。帝を最高司祭として据え置き、新年の占いによって、国家の行く末を大統領に伝える。
更にこの四代権力には、それぞれ革新派、穏健派、保守派と勢力があり、日々腹の探り合いをしているという訳でございます。
革新派は柏木大統領を筆頭にした、先進的な様式を積極的に受け入れ、国際社会の恥じない日ノ本を目指す派閥。ここには軍事から海軍、司法部が全面的に指示をしております。
穏健派は帝中心の古い体制を取り戻そうという派閥ではありますが、現在の帝が大統領支持派の為、大人しくしているようです。
保守派は陸軍との繋がりが強い、軍事力を強化して国を強くしようとする派閥。祭事部の一部もここと繋がっております。
いつの時代も、国家というものはなんとも微妙なバランスで成り立てっているのでありますね。
私の講釈が皆様のお役に立てればこれ幸い。
もう少し色々喋りたいのですが、今回はこの辺で。
ああ、最後に出て来た勢力ですが、この先様々な所で絡んで参りますので、頭の片隅に残しておいて頂ければよろしいかと。
それでは、また、お会いできる日を楽しみにしております。
お相手は、弦月でございました。お後がよろしいようで。
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お報せ
第三章は1月より掲載致します。
年内の『凍京怪夷事変』の更新は本日で最後です。
6月より連載を開始した本作をお読み下さり、誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
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