第一章

第三話ー裏口にて少年は小雨に濡れる




 薄暗い部屋の中。

 高い天井の壁に開けられた小さな格子窓だけが、外の世界と繋がる空間だった。


 自分の前には鉄格子と、人が一人出入り出来るくらいの小さな扉。

 一段高くなった空間の中には、豪奢な調度品が備え付けられているが、寝台以外は殆ど使っていない。


 鉄格子の向こう側では、毎日人が訪れて、この中を覗いては、頭を垂れて行く。

 狩衣を纏う壮年の男が、来訪者の前で祝詞を捧げ、大幣を振る様は異常な空気を漂わせている。


 まるで、見世物だった。


 白銀の髪に緋色の瞳を持った生まれた物珍しい自分を、彼等はまるで現人神の如く拝んでいた。


 そう、あの日までは...。


 


軍都・東京は今宵も濃い霧に包まれている。


 江戸幕府開幕以来、政治の中心を担ってきた関東の都市は、時代が変わっても新たな政治の中心として栄えていた。


 今よりおよそ六十年前。

 『大災厄』と称された混乱と、ある実験の失敗により現れた異形により、世界は一度、崩壊の憂き目を見た。


 だが、日ノ本共和国に生まれた英雄と彼等が手にした5振りの聖剣の力によって、世界は異形を退け、九年前の最後の大討伐を最後に、人類は地上に平穏を取り戻した。


 いち早く復興を果たした日ノ本共和国は、

近年大頭してきた新大国・米国ステイツの影響を受け、現在の政治は国民に選ばれた大統領が執政を握っている。


 過去に起きた世界規模の大災厄とそれに伴う混乱は、既になりを潜め、日ノ本は先進国として邁進していた。


 西に鎮座する首都を護る為、軍都として国の防衛を担い、主要都市としての地位を確立した東京。


 五年前、都市を襲った大地震からの復興も目まぐるしく、近代的な営みが育まれている。


 正し、それは表の顔。

 この大統領府の置かれた軍都・東京は、その臓腑に闇を抱えながら、ある機密を護りつつ、日を追うごとに発展を遂げていた。




 九頭竜真澄くずりゅうますみの携帯通信機に連絡が入ったのは、丁度巡回に出る為、大統領府内にある部隊の詰め所を出たところだった。


 振動する長方形の小さな箱に、九つの数字が配列された最新の通信機を制服の内ポケットから取り出した。


「悪い」


 共に外に出た三人の部下達に断りをいれ、真澄は通信機の通話ボタンを押す。


「もしもし、どうした?」


 スピーカーを耳に押し当て、語りかけると、甲高い声が鼓膜を震わせた。


『あ、店長。いま大丈夫ですか?』

「あぁ...」

 通信機の向こうから聴こえて来たのは、女性の声。それが誰か瞬時に理解した真澄は、そのまま会話を続けた。


『店の裏に男の子が倒れてて...ずぶ濡れなんで中に入れておきました』

「入れておいた?」

 真澄の口から思わず間抜けな声が零れる。

 チラリと、彼は自分の通話の様子を伺っていた三人の部下に視線を向けた。


 皆、一様に興味津々と会話の内容に耳を傾けているが、その表情は様々だ。


「その電話、晴美はるみさんっすか?」

 烏羽色の髪を総髪に結い上げた二十代半ばの青年ー東雲朝月しののめあさひが軽い調子で聞いてくるのに、真澄は頷いた。

 通信機から漏れ聞こえてくる会話に、残りの二人も首を傾げている。


「隊長、巡回は私達だけで行きますから、一度戻っては?」


 二十代前後と思われる二人の内、鳶色の長い髪を桜色の結い紐で結い上げた、まだ幼さの残る可憐な容貌に、着物のような先の広がる袖のついた詰襟のダブルブレストの制服を身に着けた、少女ー六条桜哉ろくじょうさくやが提案する。


「お前達だけで大丈夫か?」

 確認する声に、三人は深く頷く。


「分かった。晴美ちゃん、今から一度そっち戻るから」

 簡潔にそう伝えると、真澄は通信機のボタンを押して通話を終了した。


「隊長すみません...また」

 他の二人とは対照的に顔を曇らせたのは、ぬばたまの黒髪をボブに短く整えた瑠璃色の瞳の少年ー宮陣大翔みやじはるとは、真澄に向かって頭を下げた。


「気にすんな。いつもの事だしな。趣味の店切り盛りしてもらっている分、迷惑だとは思ってないよ」

 すまなそうにしている大翔に笑いかけ、真澄は一人踵を返す。

「いいか、標的と遭遇したら直ぐに俺に報せろ、無暗に行動はするなよ。朝月、年少二人に無茶させんな」

「了解です」

 軽快に敬礼をする朝月と、同じく綺麗な敬礼をして見送ってくる桜哉と大翔。

 三人とは逆の方向に真澄は足早に駈け出した。



 朝から降り続いてた雨は、真澄達が詰め所を出る頃にようやく上がった。

 雨上がりの夜の街には霧が立ち込め、等間隔に設置された街灯が、淡く暗闇を照らし出している。


 近年。街の動力は蒸気エネルギーから電気に切り替わろうとしている。

 ガス灯は次第に電灯に変わり、暗闇を照らす灯りはその強さを増している。

 けれどもそれは、より闇を濃くする結果となった。


 最終のトラムに飛び乗り、真澄が降り立ったのは、大統領府から見て北東にあるエリア。


 かつて、まだこの都市が江戸と呼ばれていた際、鬼門の守護を担っていた上野山。そこから少し外れた御徒町おかちまちと呼ばれる場所。


 その一角に、真澄は趣味で喫茶店を経営していた。

 特夷隊とくいたいの隊長を引き受け、軍を退役する代わりに、柏木へ出した条件だった。


 自宅兼店舗の一軒家の建物は、一階が喫茶店になっており、今日もぼんやりと灯りが灯されている。

 趣味で経営している上、運営の殆どを従業員に任せている為、利益は特に考えていない

 老後の暇つぶしになればと思っている程度の、小さな店。


 淡い街灯の灯りに誘われるように、あえて裏口ではなく正面から真澄は店へと入った。


「あ、店長」

 店に現れた真澄を出迎えたのは、振袖に袴姿の白いエプロンを身に着けた女性だった。

 肩口で切り揃えた髪を揺らして駆け寄った女性は、紅を引いた唇から安堵の吐息を零した。


「晴美ちゃん、その倒れてたってのは大丈夫なのか?」

 先程の通話の相手である晴美という女性に真澄は連絡にあった内容を問いかける。

 それに彼女は頷き、カウンター席を指差した。


「さっき、ゴミ出しに裏に行ったら、路地に倒れていたんです。雨降ってたし、風邪引いたら可哀そうだったから、入れちゃいました」

 ニコリと、満面の笑みで状況を説明した晴美に、真澄はやれやれと肩を竦める。


「俺、勤務中なんだけど...」

「それは分かってたんですけど...」

 銀色のお盆で顔を隠しながら、晴美は視線を逸らす。一応、申し訳ないという気持ちはあるようだ。


 小さく息をついて真澄はカウンター席の一番端の席に歩み寄った。

 店内に客は無く、いるのは晴美が入れたというソレだけ。

 毛布を体に巻いたモノがカウンターの隅の椅子に座っている。

 全身をすっぽりと隠して身体を丸めるソレに、真澄は声を掛けた。


「......」

「大丈夫か?」


 真澄の声にピクリとソレが動く、だが、返事はない。

 眉を顰めて更に声を掛ける。

 すると、虫が啼くようなか細い声が、毛布の中から聞こえて来た。


「...カプ麺...」

「カプメン?」


 毛布の人物が口にした単語を、思わず繰り返す。

 それに合わせるように、グウウウと、ソレの腹の当たりから大きな鳴き声がした。

 それを横で聞いていた晴美は、名案を思いついた顔で、ポンと手を打った。


「カップ麺のことじゃないですか?この子、お腹空いてるんですよ!肌寒いから温かいモノがいいですよね。持ってきます」

「あぁ、頼む」


 頷いて晴美はパタパタとカウンターの裏に駆けて行く。

 裏の休憩室の棚から正方形の小さな容器を持ってきた晴美は、更に戸棚から耐熱性のカップを取り出す。

 二つをカウンターテーブルに置いた彼女は、てきぱきと準備を進めていく。


 その様子を、真澄は毛布のソレから一つ椅子を空けた席に腰を降ろして見詰めた。

 晴美が容器の蓋を開けると、縮れた麺が出てきた。

 取り出した麺をカップに入れ、カップの中にお湯を注ぐ。


 湯気の立ち昇るカップを覗き込むように、それまで全身を包んでいた毛布をずらし、ソレは顔を表した。

 白銀の髪に紅玉の瞳。滑らかできめ細かい白磁の肌。年齢は十代の後半くらいだろうか。少女とも少年とも見まごう中性的なその容貌に、真澄は思わず息を飲んだ。


 生まれてから世界各地を見て回って来たが、そのどの国にもいなかった独特の雰囲気。容姿は東洋人だが、色彩は外国との混血も珍しくないこの日ノ本においても、そうそういない組み合わせ。

 赤い瞳は、例の異形の影響で忌避する者も多いが、目の前の人物のその双眸は、神々しさを宿していた。


(なんだ...)

 それと同時に、真澄は目の前の人物が纏う雰囲気に懐かしさを覚えた。

 昔、何処かで会ったような、そんな哀愁を孕んだ空気。


「...カプ麺...」

 カップ麺を縮めた独特の単語で呼びながら、その若者はじっとカップの中を見詰めた。


「少し待つんですよ」

「待ちます...」

 時計を見あげた晴美に諭され、若者はこくりと今度ははっきりと頷いた。

「時間より少し後のほうがいいんですよ。よし大丈夫。箸使えます?」

「使えます」

 差し出された割り箸を受け取って、若者は麺の入ったカップを自分の前に引き寄せた。


「なんか足します?醤油とかレトルトとか」

「醤油?レトルト?」

 唐突に言われ、若者はキョトンと目を円くした。

「食べてみればわかります」

「分かりました」

 晴美に言われて白銀の若者はカップを片手に、麺を掬った。

「...ん」


 ズズっと、麺を口に含んだとたん、若者は眉を寄せた。

 口の中に広がったのは、お湯に浸しただけの麺。無味とは言い難いが、辛味もうま味も、塩味すらない味気ない代物だった。

「...美味しくない...」

 箸を下ろし、悄然とした表情で若者は肩を落した。


「でしょ、だから皆何かしら足すんです」

「足してください」

「なにがいいですか?」

 若者に晴美は問いかける。

 それに面食らった様子で目を見張り、若者はキョトンと首を傾げた。


「何を足すのですか?」

「人それぞれだけど。カレー粉とか。醤油とか。卵入れたり...」

 顎先に指を当て、上向きながら晴美は、普段、カップ麺を食べる時の様子を思い出す。


「卵とお醤油ください」

「今、用意しますね」

 若者の要求に笑顔で頷き、再びカウンターの裏に、晴美は卵と醤油を取りに行く。


「どうぞ。店長はどうします?」

「俺はいい」

 若者に卵と醤油を渡しながら、晴美は真澄に声を掛ける。


 晴美の勧めをやわりと断り真澄はカウンターテーブルに頬杖をついた。徐に懐のシガレットケースに手を伸ばしかけるが、晴美に睨まれたので、慌てて手を引っ込めた。


 そんな遣り取りなど露知らず、銀髪の若者は卵を割り、醤油をぶっかけてかき混ぜたカップ麺を、ズズッとすする。

「どうだ?少しはマシになったか?」

「うん...」


「良かったあ。倒れていたのはお腹が空いていたからだったんですね」

 子猫か子犬を拾って来た時に似た反応を見せる晴美に苦笑しつつ、無我夢中でカップ麺を啜る若者を真澄は静かに見守った。


 カップの中身が汁までなくなる頃、真澄は姿勢を正して銀髪の若者と向かい合った。

「で、お前。名前は?」


 真澄からの問いに、若者はそれまで横に向いていた身体を真澄の方に向き直す。

 ピンと伸ばした背筋は、軍人のように訓練された動きだ。

 毛布を脱いだ下に纏っていたのは、首までを緩くすっぽりと覆う狩衣に似た上着。後ろにフードが付き、膝下まで覆う見慣れない形状だった。

 骨格から、この人物が少年であるという事を真澄は素早く見抜いた。

 最も、ゆったりとした衣服を着ているので本当に男かどうかは妖しい所だった。


「ボクは、南天なんてんと言います」

「南天か。俺は九頭竜真澄。それで、こっちは」

宮陣晴美みやじはるみです。南天さんって、ずいぶん不思議な格好してますね」

 晴美は南天と名乗った少年が纏う不思議な洋服に目を丸くした。


「そうですか?」

「ええ。どこかの制服ですか?」

「いえ...私服です」

「私服なんですか?可愛い。見たことないです」

 きゃきゃと、女学生のようにはしゃぐ晴美の様子に、南天は小首を傾げ、真澄は困惑した。


「晴美ちゃん...食い付き過ぎ」

「えーだって」

 真澄に言われて晴美は頬を膨らませる。

 そんな彼女を置き去りにして、真澄は南天への質問を始めた。


「ところで、何で雨の中店の裏になんて居たんだ?」

「外出先で穴に落ちて、気が付いたらここにいました」

 真澄の質問に、南天は嘘か誠かさらりと答えを口にした。

「穴に落ちて?」

「はい」

「そ、そうか...それは大変だったな...」


 真顔で答えられ真澄は、半ば信じられないながらも、頷かずにはいられなかった。

 目の前の人物が嘘を言っているようには思えない。

 長年軍部に務めた経験上、尋問を行った事もある真澄に取って、子供の嘘を見抜くのは容易い事だった。


 だが、目の前の南天はさっきまで濡れた子猫のように丸まっていたのが信じられない位い整然とした様子で、自分を見詰めている。

 その双眸に嘘偽りは感じ取れなかった。

 それよりも、訓練された動きと所作が、中性的な容姿とマッチしない事に、困惑する。


(コイツ...何者なんだ?)


 突然現れた奇妙な少年の素性が、真澄は気に掛った。

 衣服や容姿だけでなく、その言動がミステリアス過ぎて人物像が掴めない。

 生身の人間を相手にしているのとは違う感覚に真澄が眉を顰めた所で、見当違いな高い声音が聴こえて来た。


「店長、いいんですか?時空の移動って言う話ですよ。そんなのお話の中だけじゃないって証明されましたよ。証明」

 真澄が真剣に目の前の少年について分析していると、南天の話を聞いて晴美は興奮気味に話し出した。


「そういう話好きだもんな」

 晴美の様子に苦笑いを浮かべ、真澄は肩を竦める。

 正直、晴美のこの発言が事実の方が何故かしっくり来る状況に真澄は、南天を見つめるのを止めた。


「それで、行く宛あるのか?」

 唐突な問いに南天は首を横に振る。

「いえ...こちらには知り合いはおりませんので」

 予想通りの答えに真澄はポンと、膝を打った。


「なら、しばらくここに居ていいぞ。こんな奴でも話し相手位にはなるだろうし」

「こんなやつは酷いですよ~」

 親指で示されて晴美は心外だとばかりに抗議する。

 それを無視して真澄は更に続けた。


「どうする?行くとこないんだろう?」

「こんな素性の知れない者を置いて頂けるんですか?」


 自覚があるのか、それとも感覚がズレているのか、南天と名乗った少年の言動に、真澄は苦笑する。

 ただ、素直なだけかもしれない。


「事情を話てくれたらこちらとしては助かるんだが...話したくない事情があるなら無理にとは言わない。けど、この軍都・東京はお前みたいな綺麗な奴が一人でふらふらしていると危ない目に遭うぞ」


 大地震から復興を果たした、とはいえ。この軍都にはいまだ復興が行き渡っていない場所がある。スラムのようになっている地区も少なくない。

 ましてや、例の異形の発生は、公には知られていないながら、都市伝説のように囁かれ、被害者がいるのも事実だった。


 目を細め憂いを帯びた視線を受け、南天は一瞬目を見張り、じっと真澄を見つめ返した。

「......」


「伊達に部下をもってきた訳じゃないからな」

 じっと自分を見詰めてくる南天に真澄は緊張を解そうと笑いかける。

 真澄の穏やかな表情と気遣いに、南天は既視感を覚えて目を円くした。 


「...ドクターの言ってた通りだ...」

 ボソッと、南天は小声で呟く。


「ん?どうした?」

「なんでもありません」

 さっと、自身の呟きを誤魔化すように南天は真澄から視線を逸らす。


 それを眉をひそめて見つめていた真澄の胸ポケットで、携帯通信機が震えた。

「失礼」断りを入れて、真澄は通信に出る。

 相手は先刻別れた朝月からだった。 


怪夷かいいを発見しただと?場所は...すぐ行く」


(怪夷...)

 真澄が口にした単語に南天はピクリと反応する。

「あの」

「何だ?」

「ボクも連れて行ってください」

 唐突な申し出に、真澄は眉を顰めた。


「民間人を連れてく訳には...何しに行くか分かってるのか?」

「お役に立てると思います」


 深く頷いた南天に真澄は、内心考え込む。

 これまでの経験と本能が、この少年を連れて行っても問題ないと判断している。

 恐らく、彼は民間人ではない。それは、自分と向き合った時から見抜いていた。


「まぁ、俺の部隊に特殊なのも居るしな...命の保証は出来ないぞ」

 しばし悩んでから、真澄は小隊長としての顔で目の前の少年へ告げる。

「問題ありません。連れて行ってください」

 真澄の判断にそれまでの気だるげな様相を一変させた南天が、真剣な表情で応じる。


 彼の頑ななまでの申し出に、真澄はふと違和感を覚えた。

 この少年がここに現れた目的ははっきりしないのに、彼は何かを成し遂げにここへ来たのが、何故か分かってしまった。


「...何か、使命でもあるのか?」

「訳あって今は話せません。ですが、必ずお役に立ちます。カプ麺のご恩を返すということで」

 椅子から立ち上がった南天の熟練の士官の如き受け答えに、真澄は静かに了承した。


「危険だと思ったら直ぐに避難してもらう。いいな」

「はい、ありがとうございます」

 真澄が同行を許可すると、南天は少しだけ表情を和らげる。だが、その変化は注視しなければ気付かないような、微かなものだった。


「晴美ちゃん、今夜はもう店締めていい。戸締り宜しく。夜中には戻るから先に休んでてくれ」

 今夜は恐らく客は来ないだろう。

 時計の針も九時に近付こうとしている。

 閉店は一応十時だが、どうせ趣味で開いている店だ。

 雨の後で客足も見込めないだろう。


「分かりました。夜食はどうします?」

「適当に自分でする」


 晴美にそう告げて真澄は外套を羽織る。

「行くぞ」

 南天に目配せをして真澄は店の入口へと歩き出す。


「いってらっしゃ~い」

 晴美にこの場を託し、真澄は突然現れた奇妙な少年ー南天を連れ、連絡された場所へと足早に向かった。





************



暁月:さて、さて、次回の『凍京怪夷事変』は


弦月:謎の少年南天を連れ、真澄は部下達の元へと合流。そこで待っていたのは、巨大な旧時代の異形だった!果たして、特夷隊は怪夷を討伐出来るのか⁉


暁月:第四話『軍都の闇に潜みしもの』次回もよろしくね!

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