第4話
その時です。
「待って!」
鋭い声が少女をとらえました。
(怒られる)
少女には、お母さんのひきつった顔が見える気がしました。それだけで少女の足はそこに凍りつき、動かなくなったのです。
「待って……」
少女の手を後ろから掴んだのは、女の人でした。背の高い、短い髪をした女の人が、まじめな顔でそこに立っていました。女の人は、茶色いセーターを着て、太い眉毛を寄せて、少女の顔をまじまじと見つめていました。
(こわい)
少女は手をひきぬいて、後じさりをしようとしましたが、女の人は少女の手を強くにぎってはなしません。少女がおびえた目で女の人を見上げたとき、
「やっと会えた」
と、女の人はすこし笑って、言いました。その顔がとてもなつかしい顔に思えて、少女はなんとなく胸のうちがあたたかくなったのです。
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