第2話
赤いセーターの少女は、雪のなかをひたすら歩いて行きました。顔にかかる雪は、まつ毛にもつもりました。激しく降り出した雪は、もう目も開けていられないほどです。
顔にかかった雪を手で拭おうとしても、セーターの袖口はほつれていて、拭うたびにほどけていきます。それがいっそうかなしくて、少女は拭うのもやめて、ただひたすら歩きました。
お腹がへってたまりません。学校は冬休みに入ったので、お昼ご飯を食べることができないのです。
少女の目に見える世界は、いちめん真っ白でした。雪が激しくなり、何も見えないのです。それとも、お腹が減りすぎたから、寒すぎるから、目がくらんでいるのかもしれません。
さくさく。
自分の足音だけが聞こえる中を、少女は歩いて行きました。
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