第23掘:のんびり
のんびり
俺はなんとか正気を保っている。きっと俺は、悟りの境地への一歩手前ぐらいにいるのではと思う。
「……よろしく。私も使い方わからないわ」
「おねがいします」
「頑張って覚えます!!」
アスリンとフィーリアはいい。なにも問題ない。ただのお子様体型である。
大人が子どものお風呂に付き添う感じだ。
しかし、ラビリスは二つのメロンがついているのだ。
落ち着け、俺はロリコ○ではない。立派な紳士だ。
「お兄さんには悪いけど、一番わかってるから、この3人をよろしくたのむよ~。私たちは自分の事で精一杯になりそうだからね」
ラッツはそうやって3人をこちらに押し出してくる。
他のメンバーももちろん裸である。
あーもう、あれだなこれは業務としてやった方が心が楽だ。
「よし、このまま恥ずかしがっても仕方ない。風邪をひいたら元も子もない」
そうやって隠すのをやめる。露出狂ではない。
「うわ~、お兄さん。そうやって仕事顔するのか…こっちは弄りがいないよ~。まあ、お兄さんの言う通り風邪ひいてもあれだししかたないか」
「悪かったな。そういうことはまた今度にしよう。で、まずは向こうのお風呂に入る前に体を洗うんだ」
そういって、シャワーがある場所に向かって蛇口をひねる。
「凄いわね、ここを捻るとお湯、こっちの青いほうを捻ると水がでるのね…」
エリスを筆頭に、みんな一緒に並んで蛇口を捻って驚いている。
「自分に合う適度な温度に調整してくれ、ある程度、体全身を洗い流したら、持ってきたタオルに目の前の石鹸をこすりつけて泡立てて、体を洗う。髪は洗うなよ」
「あら?髪は石鹸で洗うんじゃないのかしら?」
ミリーは大きい胸を泡だらけにしてこっちに疑問をぶつけてくる。
「髪はシャンプーとリンスだな。まずは石鹸で体洗ってくれ。一旦石鹸を洗い流したら、シャンプーはこの青いのな、リンスはピンクのやつだ。シャンプーから先に…まあこっちは実演するからちょっと待ってくれ」
アスリン、フィーリアとラビリスは自分で体を洗っている。
しかしまだ子供なのだろう、洗い忘れが多い。
「アスリン、耳の後ろもちゃんと洗えよ、こんな風にな。フィーリアはちゃんと足の裏までしっかりとな。ラビリスは…胸が大きいからな、見にくいだろうが胸をしっかりな…」
俺、ラビリスに対してセクハラ発言じゃね?
「ええと、こんな感じですか?」
「はーい」
「…手伝っておっぱい重い、支えて。腕が足りないわ」
…これは合法です。いやお手伝いだから何も問題ない。
仕方ないのでメロン二つを両手で持ち上げて、その間にラビリスがしっかり洗う。
なんだろう、役得なのに色々な意味で終わった気がする。
「おーししっかり洗い流せよ」
3人がしっかり洗い流すをの見た後周りを見る。
「お兄さんこっちもOKだよ」
ラッツ達は少し待ってくれてたみたいだ。
「じゃ、まずはシャンプーからな。シャンプーは髪専用の石鹸だと思ってくれ。それでまずはしっかり髪の汚れを落とす。そのあとにリンスで髪をケアする。ケアって意味は使うとわかると思う」
「…わかった。やってみる」
カヤがそう返事をして髪を洗い始めるとみんなもそれに続く。
「アスリン達はちょっとなれないだろうからな。俺がやろう」
「お願いします」
「ありがとうございます」
「…お願いするわ」
そうやって、一人ずつ髪を洗っていく。
「ふわ~、きもちいいです。いい香りです」
「変な感じです。でも嬉しいです」
「…髪がサラサラ…すごいわ」
3人の感想でした。
他のみんなはちなみに…。
「お兄さん!!これすごいですよ!!売りましょう!!売れますから!!」
「へぇ~、凄いわね」
「…凄いんだけど、なんかダメになりそうだわ」
ラッツ、エリス、ミリーの感想でした。
獣人族組は…。
「はぁー、なんか凄いしか言葉が出てきません」
「僕もこんなの初めてです!!」
「…髪の毛サラサラ…気持ちいい」
トーリ、リエルにカヤもおおむね好評のようだ。
だが次が本番だ!!
「よし、次が本番だ!!露天風呂へ入ります。温度が結構高めになってることが多いから飛び込むなよ」
そういうと、3人ほど動きがとまる。飛び込もうとしやがったな。
「水飛沫も飛ぶから、飛び込むのは厳禁な。ゆっくり入れ。アスリン達は身長が低いからあの階段状になってる所に入るといい」
「わかりました。いこう二人とも」
「うん!!」
「まって」
手をつないでその場所に行く。俺も追いかけないとな。
そんな事をしているうちに露天風呂に入った面々が声を上げる。
「くあ~、なにこれ。お兄さん体がとろけるんですけど」
「いや、とろけてないからな」
「でも、素晴らしいですね。お湯に浸かってるだけなのに」
みんな露天風呂にご満足のようだ…しかしとどめはほかにある。
「ちょっと、すまないが、3人見ててもらえるか?」
「はい、構いませんけど何処にいかれるんですか?」
「露天風呂の醍醐味だよ」
そういって、お酒とジュースを取りにいく。
「おお~、お兄さんこんな贅沢なお風呂に、さらに贅沢なことをしようとしてますね~。もうお兄さんのお嫁さんになります!!私は決めましたよ!!第一夫人でなくても妾でも結構です!!」
「まあ、落ち着け。露天風呂はこうやって御盆に酒を乗せて、風景や星空を眺めて入るもんなんだよ」
そういって、露天風呂に御盆にのせた酒をみんなに配る。
アスリン達はこっちの勝手な判断だがジュースである。
「これは…、こんなことしてよいのでしょうか?」
「なぜか心が落ち着きますね」
エリスとミリーはのんびりと酒と星空を楽しんでいる。
「戦士の私にもこんな時間が流れるのですね…」
「なんか僕も変な感じです。いやではないのですが」
「…いいきもち」
トーリ、リエル、カヤものんびりしている。
「ユキさん、ありがとうごじゃいまず…」
「私、ユキさんにもらわれでよがっだでず…」
「…私ユキの事誤解してたわ。ごめんなさい」
お子様3人はボロボロ泣きながら俺にお礼をいっている。
こんな事でお礼されて、泣かれるか。
…この世はこれが普通でない世界か。がんばろう。
そうやって湯に浸かってると、男湯から声が聞こえる。
「おーい、俺達は先に上がるぞ!!脱衣所でのんびりしてるからなー!!」
「わかった、こっちもそろそろ上がる。待っててくれ!!」
そう返事をしてみんなを見る。
「ここはいつでも入れるから、名残惜しいかもしれないが出よう。そろそろ湯あたりするぞ」
「湯あたり?なにそれお兄さん?」
「あー熱い所にずっといるとかかる、病気?かね、ほら目が眩むとかあるだろ?」
「あ~、なるほど。何事も程ほどにってやつですか。仕方ないですね。またあとで入りに来ましょう」
そうやってみんなが湯船からでる。おっぱいがいっぱい…。
「今持ってきてるタオル絞ってしっかり、体拭いてから脱衣所いけよ。水浸しになるからな」
「「「はーい」」」
そうやって、俺達のお風呂タイムは終わりを告げた。
「おう、飯だ!!ユキの事だからそういうのはぬかりないんだろう?」
「まあな、こっちだ」
そういって、俺は先頭に立って案内を続ける。
「なあ、サシミ?だっけか、あれないか?うめーんだよ」
「ああ、日本酒によくあう」
「生魚をそのままってのは、驚いたが、なれると美味いですよね」
「おう、あるぞ。女性陣は生魚に抵抗あるだろうから残してくれて構わないぞ」
そういいながら、宴会場につく。
「す、凄いですね。お、お兄さん、いいんですか!?これご馳走ですよ!?」
ラッツは目の前にある一人分の配膳を見て驚く。
「いや、これがここの普通だから」
「もう、完全に私はお兄さんの下僕になることを誓いましたよ!!どこまでついて行きますとも!!」
「いいから食え。お箸はおいてるが、使えないだろうからスプーンやフォーク使ってくれ」
みんな思い思いに目の前の日本食を食べている。
「美味しい…、見たことない料理だけど、こんなのもあるのね」
「…なにか常識が離れて行く気がするわ」
「しょーゆですか、美味いですね!!」
「この炊き込みご飯も美味しいですよ!!」
「…お揚げ、これは至上の食べ物」
そんな声が聞こえるなか、お子様3人は俺に寄ってくる。
「あの、ごめんなさい!!食べきれないです…」
「お腹いっぱい、ごめんなさい」
「…器用にその棒を使うのね」
「アスリン、フィーリアは気にするな、大人用の量だしな。ラビリス、これはお箸って言ってな。なれると結構便利なんだよ」
あ、モーブ達はもうその場で宴会に興じている。
「さて、今日は疲れてるだろうから詳しい話は明日話そう。エリス、鍵を渡しておくよ。隣の部屋だ、今モーブが広げている。敷布団ってのが10人分程あるから、敷いて寝るといい。明日またここで集まって話そう」
「あ、はい。わかりました」
「…ユキはどこに行くの?」
「そりゃ、自分の寝る場所へな」
「…私もついて行くわ。いい?」
「うーん、エリスどう思う?」
「いいのではないでしょうか?そのままラビリスに手を出しても問題ないと思いますし」
「…その話は聞かなかったことにしよう。まあ、いいか。ラビリスこっちだよ」
「あ、私もいきます!!」
「ラビリスちゃん、私も行くよ」
結局お子様3人の面倒を見る嵌めになった。
自室に向かう途中でラビリスが話しかけてきた。
「…ねぇ、カズヤはなんでユキなんて名乗ってるの?」
「そうか、わかってて黙ってくれたのか。ありがとう」
「え、ユキさんは名前違うんですか?」
「どういうこと?」
「ちょっとした問題があってね。これはみんなには秘密にしてほしい」
「…わかったわ」
「わかりました」
「喋らないよ」
ちょっと心配な返事だが、まあいいか。
今日は疲れたしさっさと寝るに限る。
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