第12話 副島監督囲み取材 1回目(スポーツ新聞風)
ファルコンズ本拠地poipoiドーム前、関係者通路。
そこには副島を囲う多くの記者団で賑わっていた。
連日連夜の苦情問い合わせに悲鳴を上げた球団からの要請で、ほぼシャットアウトに近い情報封鎖を行っていた副島がついに姿を現した。
各スポーツ紙の番記者はもとより、大手新聞社やテレビ各局からも大勢の関係者が訪れており、単なる監督取材としては異様な状況を見せていた。
取材慣れている副島ですら、今までとは比べ物にならないくらいの取材陣の数に軽く引いたくらいだった。
◆◆
――囲み取材を受けるに到った経緯。
「球団スタッフからの要請。あまりにもアンタ方含めて問い合わせが多すぎて仕事にならんとな」
――今まで取材を許可しなかった理由は。
「そら、選手を守る為やな。高卒ルーキーの一挙手一投足を追いかけ回して欲しくなかったというのもあるしな」
――今後も取材は不許可?
「原則として選手への取材はアカン。俺が定期的にこうやって受ける事にするから勘弁したってくれ」
――前半戦を終えて。
「上出来も上出来。アンタ方もそう思ってるやろ?」
――前半戦MVPは?
「立花やろ、誰がどう見ても」
――立花を今季2度目の登録抹消した。
「おう、ちょっと異常なペースで投げさせてたからな。次上がってきたら以降は下に落とさずにほどほどで投げさすつもり」
――オールスター登録辞退について。
「散々叩かれてるのは知ってる。でも、アレを壊すわけにはいかん。すでに高卒1年目としてはもう十分投げさせたと言ってもいいぐらいやと思ってる」
――女房役の真鍋も登録抹消。
「あれは純粋な抹消やな。もう今季は1軍に上げるつもりはない」
――立花とのバッテリー解消?
「いや、そもそもアイツらをニコイチバッテリーやと俺は1度も思ってない。ウチには矢倉がいるからな」
――真鍋抹消の理由は?
「純粋な力不足やな。これは本人も理解してるし、納得しとる。まずは2軍で他の選手らとしっかりと競争して力を付けてもらう」
――4月の貯金が無くなった。
「辛いところやな。5月中旬まではキツかったが、それ以降の内容は決して悪くない。去年のファルコンズと比べたら遥かに内容は良い」
――柳葉が好調。
「先発の柱やからな。それくらいしてくれると思ってる」
――御船がスランプ状態。
「いや、もうスランプは抜け出してる。徐々に球は上がるようになってきてるし、御船に合わせて打線も回り始めた。後半戦はやってくれると思ってる」
――中継ぎ陣について。
「まぁ去年がちょっと悪すぎたからな。斑尾も友永も去年よりいい数字やからな。……成田の防御率今なんぼ?」
――3.42。
「このままいけばもうちょい下がってくるかもな。これで成田がフル稼働してプロとして一本立ちしたら斑尾・友永・貴之介も多少は楽できるやろ」
――中川があまり調子良くない。
「貴之介も今までよう投げてくれたからな。一回リフレッシュは必要やと思ってる。このあたりはペナント次第やけどな」
――優勝に向けて。
「おいおいやめてくれよ、俺は1度も優勝を目指すとは口に出してないぞ! まずはCS進出や。最下位がいきなり優勝目指したらチームがおかしなる」
――優勝は目指さない?
「最終的に目標はソレに行き着くとは思ってる。でも、現時点でソレを口に出していいとは思っていない」
――立花は優勝を公言しているが。
「若いからな。それにあれだけの実績残してたら言いたくもなるやろ。だがアイツ1人で試合出来るわけじゃない。一つ一つ課題を潰していかなあかん。それが俺の仕事」
――立花効果で観客動員数が大幅に増加。
「有り難いこと。それだけのスター性のある選手がウチのチームにいて、お金を払ってくれるのはプロ冥利やな」
――他チームも感謝していると言っている。
「プロ野球界全体が盛り上がるのはウチも歓迎」
――前半戦を終えて未だに立花の自責点が1。
「純粋に凄い数字。たぶん今後生まれる事のない成績やろな」
――各チームの立花対策について。
「おい宮城、それを俺に聞くかぁ?(元プロ選手、副島監督の後輩) でもお前もアイツの球打てる気せんやろ? 要するにそういう事やと思う」
――後半戦に向けて。
「世間で叩かれてるほどチーム状況は悪いとは思ってない。さっきも言ったけど課題は山積みやがな。だが、着実に去年よりも投打が噛み合いつつあるから、それなりに出来ると思ってる。そこに立花も入れば面白い順位で終われるんちゃうかな」
――今後の囲み取材のスパンについて。
「球団からまた通達流すと思う。だから選手もそうやが、ワン会長の家とかまで行くなよ。わかったな某スポーツ新聞社!」
※ちょっとテスト的に作ってみました。評判悪かったら続きません(_ _)
※いつもPV・応援などありがとうございます。
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