第20話 やりがい

「あ〜終わったぁ」

「忙しかったね」

 いつも忙しいけれど、今日はそれ以上だった。

 午後からのクリスマス会のために、午前中に入浴介助を詰め込んで。

 休憩もそこそこに、クリスマス会が始まった。


「まぁでも、みんな良い顔してたよね」

「確かに、あの笑顔が見られたなら、頑張った甲斐もあったね」

「たまには、いいね」

「たまのご褒美?」

 うんうん。


 ちーちゃんも、充実感でいっぱいの笑顔だ。


「私もご褒美欲しいな」

 あれ、また違った種類の笑顔だ。

「私、明日も早番だったからさぁ、今度ゆっくり......うぐっ」

 最後まで聞いて〜貰えないよね。

 押し倒されて唇を塞がれた。


「約束したじゃん」

「今日じゃなくても......あんっ」

 言葉ではそう言っても

 既に、感じる場所を的確に捉えられて、あっけなく体は受け入れ態勢だ。

 ちーちゃんにも、それはバレバレで。

「素直になる? それともそういうシチュエーションにする?」

「なっ、、素直に感じたい、、です」

「良い子だね」

 むむっ、私の方が年上なのにっていう微かなプライドも、ちーちゃんの愛撫に呆気なく粉々になり。

「っは、ちーちゃん気持ちいい、もっと」とおねだりするハメになるも。

 イキそうになると刺激を緩め、落ち着くと激しくするという、ちーちゃんの絶妙なテクニックに翻弄されて。



 次の日は寝不足のまま出勤することとなったのでした。








 ちーちゃんの一言。

「ひーちゃんのあの顔が見られたから頑張った甲斐ありだわ」

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