第7話 新しい未来へ

あの後は、普通の大学生活を僕は送った。そして、社会人になり、定年を迎え、一人寂しく、生きていた。あれ以来、あの看護師の人とは、会ってもいないし、連絡もしていない。ただ、あの事だけは、一生忘れないでいた。きっと、来世はいい人に生まれ変わっている。そう信じながら、愛のことを考えていた。自分も生まれ変わったら、誰に対しても、優しく、気遣いをしている人物になっていることを願うのであった。これは、皆に言えることだが、多分悔いのない死を迎えることは不可能だろう。誰しも、何かしら悔いが残る。だから、それを少しでも減らせるように、今から行動してみるのはどうだろうか。もちろん、僕みたいに、お爺ちゃんになってからでも良い。僕も、あれ以来、少し成長はできたと思う。困難を乗り越えてこそ、人は成長するもんだ、と考えるようにもなった。愛しているからこそ、犯罪に手を染める人だっているだろう。でも、思いとどまってほしい、そして、考えてほしい、それは本当の愛で、自分の本心なのか?と、もしそれが本心だというのなら、勝手にしてください。でも、被害者は危険を感じたら、行動を起こしてほしい。勇気を振り絞って。自分の身を優先することが大事だと思う。時と場合で、それができない場合は仕方ない。自分の愛する者が、犯罪者だったら、助けるな、守るな、手放せ。最悪の場合も考えて行動してほしい。

 自分はどうかって?もちろん悔いはある。だからこそみんなに助言をしているのだ。でも、きっと誰しもが、悔いを残したまま逝くのだろう。だからこその輪廻転生だと僕は思う。前世の悔いを、今世で改める。そして、今世で残した悔いを、来世で改める。きっとこの繰り返しだろう。

 楽しい人生だったと少しでも思えるよう、僕は君たちを応援している。最後まで聞いてくれてありがとう。新しい未来で会えることを願っている。 蓮

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愛死てる カキピー @kakipisan

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