第5話 決意
病院生活を何か月か過ごして、僕は退院できた。ちなみに、訳ありであの看護師の人と連絡を交換した。僕は、最初は気があるのかな?と、考えていたが、そんなわけないか、と結論付けた。多分何かあった時ように交換したのだろう。初めの会話から、あの人は、何か愛に関する情報を握っているに違いないと、そう思った。
「ありがとうございました」と、僕は、お世話になった人たちに感謝の言葉を言って、その場を後にした。
帰路をたどっている最中、母が来た。そういえば、病院まで迎えに来るって言ってたっけ?と母との会話を思い出した。
「退院の日は、私が迎えに来るから、あんたは病院で待ってなさい。もし、忘れて、誘拐されたら、私じゃもうどうすることもできないから」と、母に約束をされた。しかし、僕はそんなことを忘れてしまっていた。だが、ちゃんと母が迎えに来たので、良しとするべきだろう。車に乗っている母は、窓を開けて、
「急いで乗りな!」と、叫んだ。僕は、言われるがままに車に乗った。そして、母との会話が始まった。いや、最初は軽い説教からだ。
「なんで、病院で待ってなかったの?」
「忘れてた」そう僕は返した。実際忘れてしまっていたのだから仕方ないだろう。
「まぁ、無事だったからよかったけど。これだけは絶対覚えておきなさい。もし危なくなったら容赦なくあの子を殺せ」と、母は、怒りと心配を織り交ぜた感情を顔に表して、僕に忠告してきた。それに対して僕は、
「わかった」としか言うしかなかった。それで会話は終わり、僕たちは、帰路をたどり始めた。
――数十分後
やっとこさ家に着いた。しばらく家に帰ってなかったので、新しい家に来た感じがした。家に入り、僕はリビングで休憩していた。帰っても、病院と同じ感じで、特にすることは無かった。晩御飯の時間の直前で、父が帰ってきた。
「おお、お帰り。病院生活はどうだった?」と、父は冗談交じりで僕に質問した。
「いたって普通だよ、でも、暇ではあったね」と、返した。
父に会うのも入院する前だったので、他人に少し感じた。父はあのとき、単身赴任で海外に行っていたが、ちょうど僕の退院の日と重なったらしい。
晩御飯を食べた後、僕たちは、話し合いが始まった。
「お前はこれからあいつにどう接するんだ?」と、質問された。
「僕は、愛を避ける、そして、最悪の場合が起きた場合、殺す。でも、一人だけでは無理だから。二人にも頼るかもしれないから、その時はお願い」と、決意した。
――翌朝
僕は、久しぶりの学校で、気分が高揚していた。通学路を歩いていると、愛が来た。僕は、一瞬にしてその気分は最悪になった。入院時は、母と一緒で最初以外は来なかった。僕は、きっと僕を殺す準備でもしていたのだろうと、考えた。
「久しぶりー」と、愛はあいさつした。僕は、
「そうだね、久しぶり」と、返した。
今日は何ともなかったので、安心して帰路をたどっていると、愛がおぞましい雰囲気でこちらに向かった。僕は、とうとう来た、最悪の場合が、と思った。しかし、僕にも殺意があると感ずかれるとめんどいので、僕は平常心で、でも、警戒して、愛に近づいた。
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