第3話 せ、せめて魔法を覚え(略)

「自、自爆?」


「そうじゃ。じゃから、ほかの異世界転生小説の読みすぎなんじゃよ。まぁ魔法もない世界軸で、あれだけの雷を落とすとは案外元の世界で、勇者の才能でもあったのじゃないかのぅ」


神様はくすりと笑う。


「お願いです。神様!俺を生き返らせてください」


「無理じゃ」


「そこをなんと」


「だめじゃ」


「このとお」


「やーじゃ!」


「ちょ、最後まで言わせろよ」


「はん。知性も品もない貴様に力を授けてもろくなことにならんわい。せいぜい小金を稼いで暮らすのが関の山じゃ」


ほほぉ。


「おれ、実は名家のうまれでさぁ?あと、学校のテストで平均点以上の科目がいくつかあってだな」


「それ、三話くらいで、主人公たちにぼこぼこにされる坊ちゃんなのじゃ。ぱっとせんのぉ」


「くっそぅ」


ジトっとした目で神様を見つめる。


「…俺のホットサンドを食っただろ」


「ぬ!」


「…俺の大事なホットサンドを食っただろう!」


「あれはたまたま落ちていただけで」


「あのホットサンドは、俺の最高傑作だったのに!!!あぁ愛しのホットサンドぉ!おニューのホットサンドメーカーで作った。」


「あ~もうう、うっさいわい!ホットサンド!ホットサンド!ってそんなに言うなら、お前だけの魔法を授けて、異世界に飛ばしてやるわ!絶対に文句を言うのではないぞ」


少女はこちらに向けて、指を振る。


「ほ!ほんとにか!」


「絶対に文句を言うなよ」


「うんうん」


「神に誓うか?」


「誓う!誓う!誓っちゃう!!」


「…言うたな」


彼女が指を振ると


手の甲が熱くなって模様が刻まれる。


「おおお!!これは勇者の証!!ん?HSM」


なにやら英語で刻まれている。


「おぬしに授けた魔法はHSM!!つまり、ホットサンドメーカーを召喚する魔法!!便利!!わたし天才!!よし!魔法はさずけたいってこーい」


「ちょ、ま」


彼女はさらに指をふるう。

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