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 高校の卒業式が終わった。

 友人たちとの別れを惜しみ、記念撮影をしたり、これからのそれぞれの進路のことを話した。

 地元に残る人、県外に出る人。進学、就職、皆それぞれの目指す道へ進む。


 キミは夢へ近付くために。

 僕は夢を諦めて堅実に。

 目標も学部も違うけれど、同じ地元の大学へ進学することにした。


 そのまま何となく大学生活を送り、無難に就職活動をして受かったどこかの企業に就職して。これからも変わらずキミの隣で過ごすのだろう。そう思っていた。


 きっと、キミも。



 けれど、夢に向かって忙しくしているキミを見て。輝いているキミを見て。僕の中で何かが弾けた。いてもたってもいられなくなってしまった。

  一度諦めた夢を、諦めたくないと思いはじめてしまった。

 普通に大学生をして、就職をして、という未来を、つまらないと感じてしまった。


 僕は、誰から見た自分を求めていたのだろう。

 他人から見た"普通"を生きる僕に、何の価値があるのだろうと、思ってしまった。



 キミには最後まで、言えなかった。

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