二話 歓喜の歌

今日はね、新しい眼鏡買いに行ったんよ。

最近気温が高いからさ、女性の露出度が高くなるのよ、今日見かけた人がさ、谷間を見せにきてるような人でね、もうね、ほんとにね、眼鏡新しくしてよかったぁぁぁ!!って話。

皆に幸あれ。さっ始まるよん。

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〚歓喜の歌〛


 よく怒る時に大きな声で怒鳴る人がいる。怒られている本人は勿論のこと、同じ空間にいる人も気分が悪くなる。では、なぜ怒鳴りつけるのだろうか。おそらくだが、本人としてはその方が怒っている感じがして気持ちがいいのだろう。カラオケと一緒だ。目の前で怒鳴りつけられている人は、目の前で熱唱されているのだ。それはそれで可哀そうであるが、まぁ本人としてはそんなところだろう。しかし、時に度が過ぎた大熱唱を見かけることがある。それが今回の話だ。


 僕がよく通っているジムがある。そこには割とご高齢の方も利用しているジムだ。今の世の中運動中であってもマスクをしている人がたくさんいる。それは関心なことである。だが僕みたいな肺がコ〇ダ珈琲のお口直しの大豆程度の人もいるわけで、そんな人に対しては、運動中はマスクを外してもよいが、休憩中はマスクをするようにと呼び掛けてくれている。優しい計らいだ。

 そこのジムのバイト君が、一人のおじいちゃんに声をかけていた。どうやら休憩中はマスクをつけるようにと声をかけているようだ。しかし、一向にマスクをつけないおじいちゃん。するとトレーニングルームに響き渡るほどの大声で、

「他の人はマスク外しているのに俺だけマスクしなきゃいけねーのか!!」

そう怒鳴りつけた。

 バイト君は真面目な子であるようで、何度も謝っていた。もちろん運動中であるからマスクを外しているんだということも説明していたようだが、なかなか話が通じないらしい。

 その日はおじいちゃんの機嫌が悪いので、そのまま帰っていった。きっとあの場にいた人達は皆バイト君のことを称えただろう。


後日

 僕が自分のバイト先のフロントで仕事をしていると、なんという偶然、そのおじいちゃんがご来店。もちろん気の触ることのないよう接客をした。するとおじいちゃんが世間話を始めた。コロナウィルスの話題だ。

「最近はみんなマスクマスクってうるさいんだよねぇ、面倒な世の中になっちまったよ。」

おじいちゃんは先日のジムでのできごとであろう話をしていた。

僕は無論マスク着用を徹底したい派なのだが、お客さんってのもあるので、話は少しを合わせた。話の終盤にこんなことを言っていた。

「俺たちみたいなじじいは君達みたいに先が長くないからさぁ、自由にさせてもらいたいよねぇ!」

ヘラヘラ笑いながらそう言う。

そんなじじいにヘラヘラ笑いながらこう言ってあげた。

「たしかにそんなお客様の邪魔をするような人は、マスクしないでさっさといなくなってしまえばいいんですよねぇ!」



※僕はバイトしていません。(笑)

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アイロニー。 shacci @shacci

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