一話 みんなB型
今日も晴れた良い一日だ。
さて何をしようかなー。
うわっ最悪、こんなところにニキビできてんじゃん。
あーもういいや、今日は皮肉でも書こっと。
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〚みんなB型〛
僕の友達に、いやクラスメートというのか、中村さんという女性がいる。
この前大学の帰りに、大学の最寄り駅のホームでばったり出くわしてしまった。僕は基本的に誰かと帰るのがそこまで好きではないが、かといって同じ方向なのにわざわざ別の車両の列へ並びなおすのは気が引ける。こう見えて僕はそういうところ気にするタイプだ。
仕方なく一緒に帰ることにした。
中村さんにはたしか付き合って2年は経ったであろう彼氏がいる。その彼氏は大学内では冴えないグループの中の一人だ。いわゆる陰キャたちのクルーだ。しかしどうやらその陰キャ海賊団のなかではそこそこ活きがいい方だそうだ。そんな野蛮な海賊が彼氏である中村さんに少し「同情」しながらも、その彼氏についての話題を電車でした。
ちなみに付き合うのは人の自由である。そして他人の恋愛に対してあれこれ意見を持つのもこれまた自由である。しかし、世間が許さないのはそれを本人に対し干渉することであろう。
先ほど述べた「同情」というのは、彼氏がゴリラだから…… あ、ちがう彼氏が野蛮な海賊であるから中村さんが可哀そうなのではなく、そんな彼氏を本気で好きになってしまった中村さん自身がが可哀そうなのである。はっきり言って彼氏がゴリラであろうが、海賊であろうがそんなことはどうでもいいのである。
話を戻そう。
中村さん曰く、彼氏は素敵な人だそうで(やかましいわ。)、自分のことを心配させることはしないそう。それが全く事実であるならそんな素敵なゴリラはこの世に存在しないだろう。僕はすかさず
「そんな素敵な彼氏がいて幸せ者だね!」
そう言ってやった。
そんで後日(急に日付変わって申し訳ない)
偶然中村さんと大学の実習で同じ実習地になってしまった。
さらに偶然その実習地で仲良くなった他行の学生とお酒を飲むことになった。僕は中村さんに対し彼氏にはきちんと他の男性とご飯に行くと連絡したのかと聞いた。
すると中村さんは、
「実習前に、彼氏の方から気使ってくれて、実習中ご飯に行くことになっても怪しんだり心配しないから安心して行っておいでって言ってくれたの!だから今日のご飯は連絡してないよ。だから一応今日のご飯のことは秘密にしておいてね。」
そう言っていた。
あゝ、こうやって秘密ごとが重なってバレないように付き合っていくのだな。ましては秘密にしといてだなんてやましい気持ちがないと出てこない言葉だろう。なんと悲劇なカップルなのであろうか。僕は中村さんにこんな言葉をお届けした。
「そんな素敵な彼氏がいて幸せ者だね!」
どうか末永くお幸せに……
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