左1 02
停滞のホーム
守れなかった大切な少女の代わりに、今度こそあの少女を守りたい。
彼は、そう思いいなくなった少女を探し続ける。
そうして幾日か経った後、彼はずっと捜索していた少女を見つけた。
見覚えのある少女の姿は、ある小さな家の中。
そこで平穏に暮らしていた。
母と父、二人の良心に囲まれて幸せそうな姿を見せて。
日々は満ち足りていて、困るような事は何も起きていない様子に見えた。
少女は川に落ちたせいなのか、記憶を失っていたが、不便はほとんどない様子でいた。
彼の目から見た少女は幸せそうに見えた。
けれど、彼はある日知ってしまう。
その両親は偽物の両親だった。
彼らは、記憶のない少女を誘拐して自分達の娘にしてしまおうと考えていた。
そんな彼らの背中を押す様に、歩み寄る一つの影。
詐欺師は一つの薬を渡して提案した。
「この薬を飲めば、誰もが記憶を失うでしょう。お宅の御嬢さんは本当の御嬢さんになるのですよ」
彼は焦ったが間に合わなかった。
少女は薬を飲み、記憶を完全に失ってしまう。
だが家は強盗に入られ、火にあぶられた。
燃え盛る家の中、少女を庇って倒れた偽物の両親達は、少女に真実を話し彼に託した。
「どうか、その子を本当の家へ送り届けてください」
彼は、頷いた。
真実を知った少女は、彼と行動を共にすることを決めたようだった。
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