第22話王都での出来事その2

「今街中に出たらこうなるのは当たり前か」

「何となくわかってましたが、アリシア様がいれば流石に、ここまで直接話しかけて来ないと思ったんですが。」

「普通に歩いてデートは無理だね」

「ご主人様、有名税ってやつですね」

貴族区は馬車に乗って移動していたのだが、

折角だし、少し歩こうかと、商業区で馬車を降りたら、縁を結びたい貴族、商人、

単純にお礼を言いたい一般人色々な人に

囲まれ身動きが取れない状態である。

女性陣はいち早く危険を察知して、一目散に

逃げた。

手荒なマネをするのは良くない

、だからといって

折角皆で歩いていたのにこれでは台無しと

若干イライラしてくる。

(ちょっとぐらいなら、殺気出してもいいかな?)

「それぐらいに、してくれないか?

英雄殿もこれでは、王都にきたく無くなってしまう。」

シアがそう言いながら、近づいてくる。

一般人は、言葉どうりの意味、王都に来なくならかもしれないと言われ、離れていき

貴族や商人は、執拗いと英雄にも嫌われるし

王家のも目をつけられるぞ、と言われていることに気づき離れていく。

「それと、英雄殿がレイドダンジョンで

倒したドラゴンを見られるように近くの

平原に簡単な展示スペースを作ることになった。誰でも見る事が出来る様にする。

展示期間は1ヶ月ほどになるが、

1週間もしないうちに開始されるはずだ。

もちろん、英雄殿も毎日ではないが、

その会場に来てくれる、な、ヒロ?」

シアから、そのぐらいが妥協点だ諦めろと

念話が届く。

一般人からは、おおーと歓声が上がっている。

貴族や商人もまだ機会があると、大人しく引き下がっていく。

シアは歓声に答える時にあげるのは左手に

しろと念話で指定が入る。

すると当然結婚指が目に入るわけで

見たことも無い虹色の宝石に目を奪われている。

そんなこんなで、ようやく馬車に帰ってくる。

「疲れた、もうちょっと早く、助けに来てくれても良かったんじゃない?」

シアの方を見ながら言うと、

申し訳なさそうな顔をしながら、

「慣れて貰うためでもあるんだ、これから嫌になるほど今みたいなことが起きると思うぞ」

避けられないことか、少しは慣れるよう努力

するか

「買い物はどうする。これじゃ出来そうにないけど」

「王家御用達の商人がいる、そこに行こう」

シアが御者に指示を出し、その店に馬車が走り出す。

「着いたぞ、ここだ」

前には大きな商店がたっていた、

ローガン商会と書いてある。

1人の男が待っている

「お待ちしておりました。アリシア殿下」

「相変わらず、連絡もしてないのに外で待ってるんだな、ローガン」

「王家の方を部下に任せるのは心配ですからね。」

「えっと、ローガンさんでしたっけ。

情報収集は当たり前だし、あまり言いたくないけど、相手は気をつけた方がいい、

俺が止めなかったら、メルが殺してたよ?」

「いきなり、何言い出すんだ、ヒロ!」

知り合いであるシアはとても驚いてる。

「流石に英雄様といえど、突然そのような事を言われては、こちらとしても、

然るべき対応をする必要がありますが」

顔色を変えず返答してくる。

「はぁ、別に捕まえたり、利用したり

するつもりはないから、認めてくれると楽

なんだけど、ただ今回タイミングが

悪かった、さっき何回暗殺者に狙われたと思う?10回だよ、11回目が君だった。

メルと俺は相当殺気立ってたからね。

今度からそう言うことも考えて情報収集した方がいいよって言いたかったの」

ちなみに、話している間ずっと空を飛んでいる鳥とローガンを交互に見ている。

「悪事に使ったり、個人情報を集めたりに

は使っていないと信じていただけませんか」

「勿論だメルと2人で調べた後だ悪事を働いてるなら、もう殺してる」

その言葉にローガンはゴクリと唾を飲んだ。

「ヒロ、話について行けないのだが、

説明してもらっても」

シアに説明を求められる。

「ローガンさん、貴族と商談する部屋に

案内してもらっても?」

するとローガンは少し困った顔をする。

「実は最近遮音結界を張っても情報を

他商会に抜かれるのです。」

ふーん、まあ俺が作った遮音結界使えばいいだろう。

「俺のを使うからしたら大丈夫でしょう?

後その遮音結界見てもいい?」

「これです。」

成程、やっぱりこの結界が細工してあるな

「これは、遮音結界というより、集音結界とでも言うものですね。

音を遮るのでなく、音を集める結界になってますね。集めた音を回収し再生する魔道具を

作れば、この結界内で話した事は聴き放題ですね。」

盗聴とかではなく付与に関しては遮音結界とほぼ同じなので、気づか無かったのだろう。

効果も見た目は同じだしな。

「何と、そんな魔道具だったとは、

ですが商会だけでそんな魔道具作れるのでしょうか?」

暗に貴族がバックにいるのではとローガンが言う

「私も 、調べるぞ」

シアも貴族が居るだろうと自分が調べると言ってる。

「もう誰がやってるか、わかってるから

俺に暗殺者送ってきたヤツだし」

皆ポカーンとした顔をしている。

「シア 、王城帰ったら今回暗殺者送ってきたヤツらとか悪事を働いてる貴族の証拠

渡すから、王家で上手く使ってね

ローガンさんは知り過ぎると逆に危ないかもしれないから。これで今回黒幕ごと消せるってだけで、納得してね」

シアは苦笑い、ローガンは首を縦にグングン振っている。ちょっと怖がらせちゃったかな?

商談部屋に到着する

「で、ローガンさんは魔力で鳥を作って

視界とかを同調させて、操れるギフトを持ってますね。軍務とかが凄く欲しがりそうな

ギフトですね」

ローガンが両手を上げ降参のポーズをとる

「その通りです。補足が要らないぐらい

ですね」

「メルが優秀だからね。ドライアドを舐めちゃいけないよ王都周辺の木草花は彼女の

支配下、全てが目になるからね」

説明され、ドヤ顔をするメル

「この話は、ここまでにしよう。

実は自分の作った魔道具を販売してくれる

商会を探そうと思ってたんだよね。

ローガンさん、扱ってみない?」

ローガンさんが商人の顔になる

「どんな魔道具を下ろして頂けるのでしょうか?」

「説明が面倒臭いのでこの部屋に設置して良いですか?」

クーラーは実際に体験する方が早いだろう

「設置型の魔道具なのですか?

取り敢えず、試してみたいです」

クーラーを設置して起動する。

「涼しい風が出てくるー」

「本当ですね、これがあれば暑い時期もヘッチャラです」

「そう言えば、ヒロが午前中使っていた

部屋にやけに涼しいと思ったら、これを使ってたのか。」

概ね高意見、使ってくれそうだし。売れるだろう。

「素晴らしいです!何個でも売れます。

私の商会にこれを扱わせてくれるんですね」

ローガンさんのテンションが高い

「100万Gを下回らなければ、後は好きに

値段設定して良いから。1個あたり10万G

が俺の取り分として欲しいかな。」

その後色々話し合い1台500万Gになった

「これ冬は暖かい空気も出せるからね」

それを先に言えって顔を全員にされた。

「今後も新しいものがで来ましたら、

是非うちにお持ちください。」

帰り際にそう言われる。

「そうですね、出来たら持ってきますよ。

後、ギフト本当に気をつけてくださいね。

暗殺者にも気づかれてました。そいつは消したので大丈夫かもしれないけど。

そのギフトは本当に有能です。どの職種で

あっても欲しがるぐらいには。」

ローガンさんが顔を真っ青にさせている

「今回、話を聞き理解しました。護衛を増やしたりなど、徹底します」

ローガン商会を後にし

オリバス公爵家にも手紙を渡しに行く

門番に渡すだけなので、すぐに終わる。

ようやく王城に帰ってくる。

後はご飯までダラダラしてようと思っていると

「ヒロ、ようやく帰ってきたのね。

私たちの武器、防具を作りたいから錬金術で手伝って欲しかったのよ」

どうやらまだゆっくりできないらしいと

悟るのだった。


読んでいただきありがとうございます。




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