第18話 道中
「馬車が増えてきたなー、空間拡張で
スペース確保して、サイズを小さめに作ったのは、正解だったな。」
大きく作っていたら、馬車を抜かしたりとか出来なかったからなと思いつつ自動車を走らせる。
すると前に家紋が描かれている豪華な馬車の集団を発見する。
「げぇぇ、貴族の馬車だ。
めっちゃスピード出して横切ればなんとかなるかな?」
正直、貴族って基本面倒事しか起きてないし、イライラさせられるしで、
あんまり関わりたくないんだよな。
「その方が問題になるから、
絶対やらないでよ。速度馬車以上に
落としてあっちが気づいたら騎士が確認に来るだろうから。最初から私が対応するから。」
渋々ゆっくり近づき速度を落とす。
すると直ぐに騎士が近づいてきたので
ソフィアさんが出ていった。
「ご主人様、どうなると思います?」
「さぁね、この見た目だから疑われない
っていうのは無理って分かってはいるんだけどね」
ソフィアさんが帰ってきた
「南部の辺境伯だったわ、ヒロに会いたい
らしいけど、どうする?」
「どうせ、会わないって言うのは無理でしょう?行きますよ。」
嫌で仕方ないが、しょうがない、
外に出ると、9割が懐疑的な目で残り
1割も顔に出なかっただけだろう。
何か言われる前に、翼を顕現させ、神力も
放出する。
(スキル、神の威光を獲得しました。)
ある意味、威圧系のスキル?を手に入れた
死の威圧より、使いやすそう、
皆驚いているのか、固まっている。
「突然驚かせてしまい申し訳御座いません
室内だと翼が邪魔なのでしまっているのですが、その状態だと窮屈と言いますか、
なので、外に出た時はこうやって、
だしているんです。」
即興の割にはいい感じじゃないだろうか
ソフィアさんがジト目でこっちを見ているが
気にしない。
辺境伯が状況を理解出来たのか動き出す。
「無理を言ってお時間を頂きありがとうございます。南部で辺境伯をしています。
トーマス・ゴートンと申します。
自動車?を作ったご本人とお話
出来ればと思い、ソフィア殿にお願いをしたのです。」
ん?何かおかしい、効果ありすぎじゃない?
「確かに私が作りました。ダンジョン学園に
在学する1年のヒロです。えっと
ただの平民ですので、普通にお話頂けると」
そう言った後も滅相もございません。
と言って態度が変わらない。
「ヒロ、普通に話したいなら、
その神々しいオーラを出すの辞めなさい。」
やっぱり効果が高すぎたらしい。
翼を仕舞い神力の放出も止める。
「この状態だと、年頃の男子ですな。
ボソッ(まあそう見えるだけだが)」
大丈夫そうだ。後ボソッっと言ったのも聞こえてるからな。まあ、やらかしたのはこっちだし良いか、
「それで聞きたかったのは 、自動車は
献上だけでなく、販売もされるのかという事なんだ。」
成程、確かに気になってる人は多そうだ。
「安くは有りませんが、クラフターギルドから販売される予定です。」
「本当ですか!それは良かった」
「やはり、ご自身の移動用ですか?」
「確かにそれも欲しいが、
新鮮な魚とフルーツを輸送したいのだよ。
自動車は素晴らしい速度が出ると、実際に
利用した王太子殿下が気に入っていると
聞きまして、それなら今まで無理だった。
距離にも生で魚やフルーツを運べるのでは?と思ったのです」
成程、南方はとても暖かく雨も少ないと聞く
前世の記憶からマンゴーなどのフルーツや
マグロなどの魚介類が思い出される。
「やりましょう!」
「いいきなりどうしたのですか!」
おっといけないテンション上がりすぎて
神力が漏れてしまった。
「実は、今乗ってるのは、空間拡張をして部屋を作ってあったりして、それこそ中でも暮らせるぐらいなのですが、これだと無駄な
スペースも多くなるでしょうし、
輸送に向いてないと思うのですよ。」
「そうですか」
辺境伯が残念そうにしている。
「なので輸送に特化した自動車を作って
見ようと思うのです。」
小型のトラック作って
荷台だけに空間拡張して、魔道具で冷蔵冷凍も出来るようにする。基本これで出来るだろう。
「そんな簡単にできるのでしょうか?」
流石に不安みたいだ。後口調戻ってるぞ、
「構想は既にありますので、すぐに出来るかと、それでなのですが、辺境伯様には
実際に魚やフルーツを使った輸送実験の
お手伝いをお願いしたいのです。
生憎大した金額は持っっていませんので、
成功した場合はその輸送特化の自動車
まあ、トラックと名づける予定ですが。
実験に使ったものをそのまま、お渡しする
というのでどうでしょう。」
失敗するつもりも無いし問題ないだろう。
「その条件で良いのなら、是非
協力させてもらうのだが、本当にいいのか?」
「魚好きなんですよ。料理も好きですし。
新鮮な食材が長距離輸送出来るようになる
というのは、それだけで嬉しいことなのです。」
「そうか、それなら喜んで引き受けよう。」
「ありがとうございます。試作品が出来ましたら、王都の辺境伯様の屋敷にご連絡致します。」
「わかったそのように手配しておこう。」
「そう言えばソフィアさん今回、
どのぐらい王都に滞在することになるんですか?」
「短くて2ヶ月ぐらいかしら」
「入学式間に合わないじゃないですか?」
「車があるんだから、その日だけ帰ればいいでしょう、国中から王都に貴族が集まるの
よそのぐらいかかって当然よ
貴方の褒賞が色々ありすぎるのが
理由なんだから我慢しなさい。
寧ろ招集がかかって2~3で
ゴートン辺境伯が王都近辺にいる方が
驚きよ」
成程、考えて見たら1回で終わる方が楽か
待ってる間は、
車で魔物領域とかに狩りに行くか、許可もらって
「実は娘の婿探しで、王都に来ている途中だったのです。」
馬車から女性が2人でてきた。
1人は奥さんで、もうひとりが娘さんだろうか、
「婿探しできたのに、何故彼にマナを紹介しないのです?」
「いや本来、道で偶然会っただけで
大事な話になるとは思わなくてな、
それに既に王都の屋敷には来てくれる事になっている。しっかり準備して、顔合わせの
方がいいんじゃないか、」
「普通ならそうでしょう。でも彼の場合、
それでは手遅れになる可能性もあります。」
手遅れ?
「ご挨拶が送れました。私は
ゴートン辺境伯の妻の1人です
バーバラ・ゴートンです。
ヒロさんは今発表されてなかったとしても
何人婚約者いらっしゃいます?」
「4人ですかね」
「アルケーもだから5人よ」
「なんでアルケー様も」
「足無くなって絶望してた時に
エリクサーなんてもん作って、
ダタで貰ったら、惚れるに決まってるでしょ。それに屋敷に招待したいって
言われたの了承したし、公爵当主に渡す手紙も受け取ったでしょ、エリクサーのことも書いて有るだろうし、
公爵家が逃がすと思う?」
そこまでは考えてなかった。両足無いとか
可哀想だなぐらいにしか思わなかった。
「こういうことです。あなた
しっかりしてる子のようですが、流石に貴族相手では、まだ大変なのです。王都に着いてからでは、どれだけ婚約者が増えてるか分かりませんよ?」
「その通りだな、マリーナ来なさい」
「はい、お父様、マリーナ・ゴートン
です。マナとお呼びください
ヒロ様にお願いが有るのですが最初に
だしていた、翼を触ってみたいのですが
ダメでしょうか?」
これは予想外、周りの人もマジって顔をしている。
「大丈夫ですよ。」
翼を出してあげる。
「凄いふわふわですー」
ちょっと天然な子みたいだ。
「ありがとうございます。とても気持ちよかったです。」
羽を取ろうと思えば簡単に取れそうだったので1本あげる
「良ければ記念に1本どうぞ」
「ありがとうございます。大切にしますね」
ただの羽なので別に捨てても構わない
「ご主人様、お話してる途中申し訳ないのですが、私達は問題なくても、馬車である
お相手の方たちは今日中に王都に到着出来なくなってしまいます。」
「確かにそうだったな、ヒロ殿すまないが
続きは王都に着いてからでいいだろうか」
「はい、出来るだけ早く屋敷に顔を出させていただきます。」
辺境伯家の人達がいそいそ出発準備を始める
「それと、羽についてですが
神々しいオーラ放った人から取れた
ものですよ、しかもご主人様が
本人に直接渡しました。呪無効ぐらい付いていても、驚きません」
驚いた顔をして、全員こちらを見ている。
「効果的には、状態異常解除にリジェネ
効果ですね。大した事ないでしょう?」
マリーナ様の手が震えてる。
「いきなり羽が国宝級の効果を持ってるて
言われて、ビックリしてるのよ。」
2つの効果だけでも大分貴重だったみたい
「私からしたら背中に1杯生えてるもの
なので遠慮しないでください。
それに怖がらずに翼に触りたいって
言ってくれて嬉しかったから、
あげたんです、なんで受け取ってくれると嬉しいです。」
マリーナ様の顔が真っ赤になってる。
「ありがとうございます。いつも持ち歩くようにしますね。
王都でゆっくりお話できるの楽しみにしています。」
辺境伯家の人たちと別れて30分程走っているととても街を囲む大きな壁が見えてきた。
「色々あったけどようやく王都に着いたわね。」
本当に色々あった。それに
「3人になんて説明しよう」
1人悩み始めるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます