第15話 レイドダンジョンその3
「やっと終わった。死骸とかは
そのままのがいいか、下手に
アイテムボックスにしまって、ちょろまかしてるとか言われたくないし。」
レイドダンジョンは大人数を動員し攻略
するものなので、倒した人の物とかにすると、イザコザが起きたりしやすいので。
各組織にまず分配して組織から個人へ報酬が払われる。
そのため下手に回収すると何を言われるか分からないのである。
すると土壁に穴が空き人がゾロゾロ入ってきた。
伯爵が話しかけてくる。
「溢れ出たモンスターの殲滅素晴らしいものであった、でだ、今から素材分配の交渉が
ある、一緒に来て欲しいのだが。」
「ああ、素材は一切いりませんので、他の人たちで分配して頂いて結構ですので。」
話を断り車に帰るため空いた大穴に向かって
歩き出す。
「一切いらないと?」
伯爵からしたら想定していた、
ケースの中で良い場合なのだろう
ニコニコしながら確認してくる。
「はい、一切いりません、それと流石に疲れました。1度車に戻り仮眠を取りたいのですが。」
「あんな戦闘をした後だ、当然だろう
止めてしまって悪かったな。」
心の中でため息を吐き
車に向かって再度走り出す。
すると車に到着する寸前で今度はアルケー様に止められてしまう。
「君1人だけならいらないと言っても問題なかったかも知れないけど、今回は私達もいるんだよ、ここまで来るのだってタダじゃないんだ、このままじゃ完全に家は赤字だ」
アルケー様にどう落とし前つけてくれるんだと怒られる。
「申し訳御座いませんでした。そこまで考えることが出来ず。着きましては、自動車を
この件が終わり次第、オリバス公爵家様
に5台ご用意させて頂くという事でご容赦頂けると。」
アルケー様は少し考え口を開いた。
「仕方ないかそれで、今回は許そう。
だが次手に入るかも分からない。
キング・レックスの素材が手に入らないと
いうのは大分厳しい、父上にも何を言われるか。」
くどくど、話を聞かされ一緒にいたくないし
操作方法の書いてあるマニュアルと
自動車を1台渡してしまえと半ばヤケになる
「予備で作っておいた物が1つ御座いますので、こちらをマニュアルと一緒に先にお渡しします。もちろんこれは5台に含まれません。」
アルケー様にマニュアルを渡し、自動車を
前に出す。
すると俺はもうどうでもいいらしく。
マニュアルを読み出した。
一様挨拶だけをしその場を離れていく
(勿論返事は帰ってこない)
「あ〜ようやく帰ってきた。もう立ってるのすら限界」
最後の気合いでシャワーだけ浴びそのまま
シートを倒しそこで横になると
直ぐに意識が暗転していくのだった。
「多少寝て、大分マシになったかな」
お腹も空いたのでご飯作ろうと
簡易キッチンが着いてる部屋に入ると
ソフィアさんが料理をしていた。
「丁度作っている時に起きてくれて良かったわ、今日は色々災難だったわね」
「まあ、過度に貴族との関わりを
嫌った結果なので、仕方ないかなって思ってます。」
実際アルケー様は素材が手に入らなかったわけだし。
「ちなみにレイヒムが上手く交渉してキング・レックスの素材手に入れてたわよ。
レイヒムってアルケーについてたマトモな騎士の事ね」
ちゃかり素材も手に入れていたらしい
「アルケーはあの後レイヒムのお説教
コース見たいよ、自動車もいらないって
レイヒムは言ってたけど」
「あー、ちゃんと作って納品しますよ
仲良くしましょうねって意味で
ぶっちゃけ1回作るまでが大変で
出来ちゃえば、次から楽に作れたし」
「はぁー、公爵家に勘違いされても知らないわよ私」
「まさか〜、寧ろ嫌われてるだろうし」
「それはないと思うわよ意外と不器用なのよあの子、今回も家の利益っていうので
頭いっぱいでちょっと空回りしちゃってたのよ」
(実際「アルケー様そんな事して彼に嫌われるとか考えなかったんですか?彼よりも先に
絞り取る奴はいたでしょうに」って言われて落ち込んでたし。)
「そんな事はもうどうでもいいんです。
関わることも無いでしょうし。それよりも
今日一緒に頑張ってくれたこの子を労って
あげなきゃいけないんです。」
と言って、手の上に黒薔薇を召喚する。
「サイズ調整できるのねその子、しかもよく見るとその子精霊?でもちょっと違うかしら」
ソフィアさんが観察しながらブツブツ言ってる
「今日はありがとうな、お礼に名前つけようと思うんだけど、良いかな?」
蔦を手に巻き付けブンブン振ってる何だか
嬉しそうなのでつけて欲しいという事だろう
「じゃあ、メルティのメル!」
名前を付けてあげるとメルが光出して。
形が変わっていく、光が消えると
160cmぐらいで黒い薔薇の花冠に
黒く少し色っぽいドレスを着た妖艶な女性がたっていた。
「えっと、えらい変わりようだなメル」
「ありがとう御座います。この姿は
お気に召して頂けたでしょうか?」
俺の血から産まれたからだろうか
ビックリするほどストライクだ
だが、将来の御祖母様が隣にいるこの状況
何とか乗り切らなくてはならない。
「やぁ、そうだねいいと思うよ、
でもちょっと大胆すぎるかな。」
これでどうだ!
「たいへん気に入って頂けたようで」
「男ってやつは皆一緒ね、グリムもそう
だったわ」
あれ〜全然ダメだったどうして?
「それはともかく、私、メルティは
創造主であるヒロ様に花言葉道理
永遠の忠誠そして愛を誓います。」
うん花言葉とか全然知らなかった
凄い重い
「ねえメル、花言葉って全然知らないんだけど黒薔薇ってどんな意味があるの?」
「ヒロ、知らないで黒薔薇にしたの?
ある意味凄いわね」
ソフィアさんは知ってるらしいエルフだからってのは偏見だろうか?
「では、僭越ながら私自身説明させていただきます」
「憎しみ」「恨み」
「貴方はあくまで私のもの」
「決して滅びることのない愛」「永遠」
「この5つですね」
凄い地雷だったちょっとかっこいいかなぐらいにしか思ってなかった
「ご主人様に向ける感情が憎しみや恨みにならないことを願っています。
でも別に奥さんいっぱい増やしたところで
キレたりしませんのでご心配なく。
ご主人様が創造主ですので、ご主人様に都合のいい性格になってますので。」
「それだけ聞くと最低の男ねヒロ?」
ソフィアさんにジト目で見られる。
でもこんなことになるとは思わなかったんです。
「それで私もメルティと呼んでいいかしら
それとドライアドでいいのよね?」
薔薇だから花の精霊っぽい気がするけど
ドライアド、木の精霊なの?
「ご主人様、薔薇は低木です。つまり木です。リンゴだってバラの仲間です」
薔薇は木らしい、ひとつ賢くなった。
「でソフィア様の質問ですね。
私のことは是非メルティとお呼びください
それとドライアド?とエルフの方が疑問を
持つのは、私が精霊神様から産まれたので
はなく、
死神様の神力とヒロ様の魔力と血から
産まれたからでしょう。
そのため他の精霊とは少し違うのです」
そうだったのか俺も知らなかったことをしれたけど、何でここで死神様の名前を出しちゃうのメル?
「なるほど、逆にヒロに聞きたいことは
増えたけど
一旦この話は後にして、明日の話をしましょう」
まだレイドダンジョンは攻略してないからね明日の話とても重要、さっきの話は何とか忘れて貰おう。
「と言っても、難しい話じゃないわ
明日朝イチに入れるだけの人数で
ダンジョンに侵入そして攻略よ」
うーんこの大雑把もうそれ作戦じゃないよね
「仕方ないでしょ、それしか無いのよ
ダンジョン内だから陣地設営なんてできないし」
それもそうか
「ああ、でも私とヒロでボスと思われる個体を発見し次第速攻で討伐それが理想
そうすれば倒してなくても魔物が魔素に
帰るから、死骸は残るけどね」
まあ現在この星の置かれている状況を知らなければそれでいいんだろうが、
魔素を消費するためにも、出来るだけ狩っておきたい。
「メル、お前の増殖は敵から魔力か血を吸わないとできないのか?」
「以前はそうでしたが、今なら自分の魔力でも可能です。因みにご主人様の血でもOK
です。」
「じゃあ、吸っていいから、最初から多めに増殖しといて」
「はい、では早速」
がぶり、と首筋を噛まれた。
「今吸って明日使えるのか?」
明日また血下さいと言われても困る
「問題ないですよ、それよりご主人様
血吸われて怖くないんですか?」
首筋をカミカミしながら返事をして、質問してくる。
「メルのこと怖がるわけが無いだろう。
それに俺自身、血を操って戦ってるんだぞ」
「やっぱりご主人様で良かったです。」
そのまま抱きついてくる。首筋を噛まれてるので、離れられない。まあメルだしいっか
「ふぅ、美味しかったです。これで
最初から1万はいけます。やっぱり
ご主人様の血は効率いいですね」
想像以上の数だが多い分には問題ないだろう
「それだけだせるなら、メルは最初からこっちに着いてきて 、ボスと一緒に戦って欲しい、どれだけ強いか未知数だからな」
「承知しました」
「明日の動きは決まったわね。でなんで
死神様なんて神様が出てくるのかしら?」
忘れてなかった!
「簡単な話です。生者には興味がなく
死者をしっかり管理して転生させていた
死神様がヒロ様に興味を持っただけです。
神様まで惚れさせるとは流石ご主人様です」
「なんか信じられないような話だけど
取り敢えずそれでなっとくするわ
せっかく作ったんだからご飯食べましょう」
ソフィアさんの作ってくれたご飯を食べ
明日のために早めに寝ることになった
読んでいただきありがとう御座います。
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