誰かの夢が叶うころ 脚注解説
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恒例の脚注解説
エバレット工場:
ボーイング社の最も大きい工場で、もともとは747(ジャンボジェット)の生産開始にあたり新設されたものであり、同社で一番大きな工場建屋であるだけでなく、世界の建物の中でも一番広大な建物です。787型機の多くもここで生産されていましたが、かねてからの組合との労使問題に加え、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行に伴う大航空不況によりボーイングは787生産ラインのサウスカロライナ工場への一本化を決定。2021年3月にロールアウトした1095号機(全日空行き)を最後に、同工場での787型機の製造を終了しました。
https://www.aviationwire.jp/archives/211945
Bフライト:
製造されたてのボーイング機がまず最初に行う、ボーイング社によるチェックフライト。B(数字)フライトと表記され、初フライトはB1フライトです。場合により何度か行われます。
Cフライト:
ボーイング社によるチェックが済んだ後、発注していた顧客(カスタマー)によって行われる確認フライト。デリバリーのフライトとは別。これもC(数字)フライトと表記され、場合により何度か行われます。
時に自転車が行き交う:
ボーイングの工場建屋の中は広いので、自転車で行き来することが広く行われていました。なお2015年に荷物箱つきの三輪車に統一されています。自転車は倒れやすそうですしね。
https://www.boeing.com/company/about-bca/washington/retired-everett-bicycles-get-new-roll-on-world-stage-05-14-2015.page
フライトライン:
工場にてこれから飛行する予定の飛行機達がいるところ。給油やエンジンの動作チェックもここで行います。
トゥールーズの工場:
エアバスのメイン工場です。話している相手は同僚のA320-200先輩。
窓のところが黒いビニールで覆われ:
787の窓は電子シェードのため電源供給がないと遮光できないのか、長期保管の場合はシェードではなく黒いビニールで窓を覆います。
https://flic.kr/p/9Ff7Sc
ちびちゃんの受領は遅れそう:
ボーイング787製造初期は製造そのものの遅れや改修作業など、幾多の問題から製造順・エアラインのレジの番号・受領順がぐちゃぐちゃになっており、JA805Aも帳簿上受領とフェリーに若干のズレがあります。帳簿上受領は2011年12月だけどフェリーは2012年1月5日。「書類的には航空会社のものになってるけどまだメーカーのもとにある」期間が存在したことになります。
https://www.planespotters.net/airframe/boeing-787-8-dreamliner-ja805a-all-nippon-airways/rzwynz
腰のあたりをもう少し直さないといけない:
お話の中では半ば言い訳ですが、「彼女」がまるっきり嘘をついたというわけでもありません。初期のボーイング787型機には、運用によって生じる温度変化の繰り返しで機体後部の構造材が外板と剥離しやすいという問題が存在しました。飛行機として出来上がる前ならまだなんとかしやすいほうだったのですが、問題は「飛行機としてほぼ出来上がってしまった後にこの問題が発覚した」最初期製造の機体群。該当箇所は尾翼をつけてからでは非常に改修しにくい場所のため、改修作業にはめちゃくちゃ時間がかかったようです。
https://www.flightglobal.com/skin-attachment-issue-forces-boeing-into-another-787-modification/93627.article
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