第26話 初めて行く先輩の家。−4
「先輩、かわいいですね。」
頭を撫でられた先輩は腕で俺の体を抱えて猫みたいに大人しくしていた。
「弱虫…うるさいよ…」
15分くらい撫でられても動かない先輩。
「ちょっと…先輩、起きて居間に行きましょう…」
「え…まだ時間が早い…」
また、こうやって体を絡み合ってる先輩。姿は見えないけど、途中に先輩の足が俺の足を絡ませた。
「あ…」
「へ、変な声を出さないでください…」
「春木…なんで私に何もしてこない?」
先輩の顔が感じられる、すぐ前にいる。
「え…何ってなんですか…」
「こういうこと…」
静かに近づく先輩の唇が向いた場所は俺の首だった。体に押されたまま息を吐く時の感触が伝わる。
首に先輩の唇が来た。とても柔らかくて暖かい感触に体の全神経がその唇に集中される感じだっだ。先までの覚悟がなくなるほど、頭が真っ白くなってしまった。
ひどく絡まった二人の体、俺はベッドの上から先輩にやられていた。
「え…何、この状況…」
「うん…はぁ…」
先輩の舌が首をなめて思わず喘ぎ声を出してしまった。
「…はぁ。」
何これ、こんなことは初めてだ。先輩ってなんでこんなことをしてくるのか分からない、分からないけど…とてもエロくて気持ちよかった。
恥ずかしい…先輩のせいで変な気分を感じられて体が熱くなってしまった。
「…せ、先輩。」
「うん…春木、好き…」
もうダメだ。
話を全然聞いてくれない。まずはここから逃げないとこの先がやばくなる。
「暗いから、俺居間に行きます…」
「春木…」
「は、はい。」
「キスマークって知ってる?」
「いいえ、恋人同士にイチャイチャすることで…その行為の…うまく説明できません…」
「じゃー付けてあげる!」
「え…?」
先輩が首の薄い部分に窄めた唇を密着させてチューと吸った。キスマークってあっという間にできるのか、先輩の唇があったところには液と付けられたキスマークだけが残された。
「完成!わーい!」
少し息を整える先輩が耳打ちでこう言った。
「これはね…私の物という証なんだから…よく似合うよ、春木。」
小さい声で耳打ちをした先輩がほほ笑んで俺を居間に連れてきた。
「え…これなんですか…」
鏡を借りてキスマークってものを見た。赤い傷跡見たいものが首に残されて、俺は人に見せるものじゃないことだけはすぐ分かった。
これはどれくらい続くかな…すぐ消すのは無理だろう。
「どう?綺麗でしょー?」
「綺麗…です…」
「足りない…?もっと付けてあげた方がよかったの?」
「いいえ…いいです。」
先輩が照れるの俺の心を見抜いた。
「かわいい…春木!」
後ろで抱きしめた先輩は本当に満足した笑顔で見上げる。人差し指でキスマークをゆっくりいじる先輩が言った。
「春木が買ってきたチーズケーキが食べたい!」
「はい。」
「後、今日は泊まって行くことね。」
「は…い?」
この変態はまた何を言っているかな…
「いいえ、俺は家に帰りますからいいですよ。」
「え!」
「先輩…俺が泊まって行く前提で考えないでください…」
「うん…誰もいないからいいじゃん!REONに行って買い物をして春木のうちに寄って、制服も持って来よう!」
「え…でもそうしたら絶対に誤解されますよ。」
切ったチーズケーキをあーんしてくれる先輩、ちょっとずり落ちったTシャツから肌が見た。
「先輩、服を整えてください…全く。」
「あ…エッチ!何を見ている!」
「毎回、言ってますけど…それ先輩が言う話ではなっ…!」
見えないところから足で蹴られた。
「ケーキ、食べ終わったらREONに行こう!」
「はいはい…」
ちょっと出かける…?出かける…と言った。
首にばんそうこうでも貼った方がいい、このまま学校の人と外で会ったらまずい事になる。
もう…先輩のせいで頭も体も疲れた。
別にやましいことはしてないけど…毎回、やられっぱなしでちょっとだけは悔しさも残っていた。
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