第4話 部屋に入って来た件について
俺は、一足先に自分の部屋へ戻り、休むことにした。今日はたくさん驚くことがあった。でも、父さんと蘭さんが幸せそうなら何よりだと思った。
・・・でも一つだけ、気がかりなことがあった。それは――――――先輩のことだ。
先輩は、元々再婚話を知っていた。だから俺に妹にしてくれと学校で告白してきたのかもしれない。でも、先輩は父さんに頼まれた時、俺の妹ではなく、俺の姉になると言っていた・・・。
だから先輩は、諦めたということになる。それとも、最初からからかってきただけだったのか。
どちらにせよ姉になることには変わりないか・・・・・・。
そんなことを考えていると、自分の部屋のドアが勝手に開く音がした。ドアのほうに目を向けると先輩が入ってきた。
「せ、先輩!!??」
俺の慌てふためきよう、これは、突然先輩が入ってきたから・・・・・ではなく、服装の問題だった。
先輩の服装は、キャミソールのような完全に肩や二の腕が露出した服、太ももも完全に露出しているホットパンツ姿だった・・・。そう、露出が多すぎるのだ!!目に優しいように見えて健全男子高校生には優しくない!!目のやり場に困る!!
しかし、これは男の性か、完全におっ○い!に目が吸われていく。何度も、お〇ぱい!から目を離そうにもまた〇っぱい!に目が吸われて行ってしまう。これでは完全に目が泳ぎ切っている変態だ・・・。
「せ、先輩!!なんて格好してるんですか!?」
「恰好?・・・変、かな?」
「変ではないんですけど・・・・あの・・・その・・・」
「どうしたの?そんなに気持ち悪くどもっちゃって」
「先輩のせいですよ!!そんなHな格好してるからです!」
「もう、陽斗くん、妹をそんな風に見ちゃいけないと私は思うわ」
「無理ですよ!まだ家族になって間もない――――――って今、また妹って言いました!?」
「うん、言ったけど・・・」
俺にとっては、少しトラウマとなりつつあった妹という言葉がまた、恥じらいのない先輩の口から言い放たれた。
「えっ、でも先輩、さっきは俺の姉になるって言ってましたよね!?」
「えぇ、言ったわ」
何故、先輩はこうも堂々としているのだろうと思いつつも俺は質問を続けた。
「じゃあまたなんで妹とか言うんですか?」
「だから、お兄ちゃんが欲しいからよ」
「でも、俺、学校で断ったはずですよ」
「えぇ、確かに断られたわ。でも、それは家族になる前の話、家族になった今、姉弟か兄妹になるかの選択肢が私たちには与えられているはずよ!」
「そんな選択肢はないですよ!?ましてや、先輩は俺の一つ上なんですから先輩が姉、俺が弟これがれっきとした姉弟ですよ!」
「でも、私は妹がいいの!!!」
「ダメです」
「嫌!!」
「ダメです!!」
「妹!!」
「姉!!」
「い・も・う・と!!」
「あ・ね!!」
「姉。」
「妹!!・・・・あ」
途中から、言い合いに規則性が出てきてしまったためか、俺は反射的に妹と答えてしまった・・・。こんな古典的なものに引っかかってしまった・・・。そんな俺を見て引っかけてきた先輩はしたり顔を俺に向けてくる。
このままじゃ、平行線だ。なら・・・・・・・・
「これで、私は妹ね!!」
「分かりました。」
「えっ!!」
「自分から言ってきたのに何驚いてるんですか。」
「いや~、また否定されると思ってて・・・えっと、ホントにいいの?」
「えぇ、いいですよ。ただし!!」
「た、ただし?」
俺の食い気味の言葉に先輩は少したじろいたように見えた。
「先輩の兄として振る舞うのは、二人の時だけです。父さんたちの前や学校では兄としては振る舞いません。」
「うん!!!それでいいよ!!僕はそれでも陽斗くんがお兄ちゃんになってくれるなら嬉しいよ!!」
「ぼ、僕?」
「~~~~~~っ!!」
先輩の口からは今まで、聞いたことのない一人称が出てきたと思ったら、先輩は顔を真っ赤にしてあわあわし始めていた。
今まで、弱点という弱点を見せてこなかった先輩のこの反応・・・・・・・使えるかもしれない・・・。
美少女な生徒会長の先輩に「妹にしてくれ!!」と告白された件について 夜月 秋朝 @yoruduki-syuasa
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