第6話 この想い全部受け止めてくれますか?


なんの躊躇もない私の返事に少しとまどっていた部長だったけど、私の頭を優しくなでながら…部長は柔らかな微笑みとともに私をまっすぐに見つめた…


「なぁ…もう一度ちゃんと確認しときたいんだが…お前…こうゆうこと…ほんとに初めてなのか?」


「えっ…」


部長にそう聞かれ…この年まで自分がバージンであることへの劣等感と恥ずかしさが一気にこみあげてきたのを感じずにはいられなかった…


そういえばどこかできいたことがある…

男性はバージンの女は重たいし…面倒だと感じている人が多いと…



もしかして部長も…?

違うと嘘をつく?

だめ…すぐにわかっちゃう…



そんなことを考えながら…私は恥ずかしさが焦りと不安に変わるのを覚えた…


ずっと部長に片想いして…それだけで舞い上がってて…まさかこんな状況がこんなに早くにくるなんて想像してなかったから…


すぐに返事ができない私に部長は…


「まぁ…お前が初めてだろうがなんだろうが…俺がお前を抱きたいのには変わりはねぇんだけど…」


部長のその言葉に…胸の不安がスーッと消えていった…


部長になら今の自分の気持ちを全てうけとめてもらえる気がする…


「私…初めてです…部長のことが好きでこういうことどこかで夢見てたけど…だけど…ほんとは…ちょっとこわいです…。」


部長は深く深呼吸し…


「そっか…そうだよな…悪かった…」


部長が私から離れようとする…


「えっ…」


私はとっさに部長の腕にしがみつく。


「い、いえ…そうじゃなくて…私は…部長に抱いてほしい…部長じゃないとだめなんです…」


部長は戸惑いの表情をみせた…


「でもお前…こわいって…そんなお前を無理やり抱けるわけねぇだろ…」


部長は困った表情のままだ…。


「そりゃこわいですよ…だって初めてだもん…すっごく痛いってゆうし……でも…いつかは好きになった人と…って思ってて…それが部長なんだから…。でもこういうの重いですか?面倒ですか?やっぱり…そうですよね…」


「もういい…黙れ!」


といって…もう片方の腕で私を引き寄せ抱きしめた…。


「俺はたぶん…好きな女を前にして優しくしてやれるほど器用じゃない…それでもいいのか?」


私は部長の胸の中で小さくうなずいた…


部長が不器用なのは…私が1番知ってる…

だから…だから…大丈夫…。



部長は再び私をベットに押し倒した…

今度は強引に…


「さっきも言ったが…俺には優しくしてやれる余裕はない…だからお前が辛そうでもやめない…ただ…お前の全てを愛するから覚悟しろ!わかったな!」


「はい…」



部長は私に深くキスをしてきた…


私の緊張はかくせなかったけど…こわばった体を優しく抱きしめられながらのキスはとても安心できた…。


唇からのキスが首すじへとおりていき…もうすでにはだけているブラウスと下着の下へとうつり…私の口からは吐息がもれる…。


部長は余裕がないといってたけど…私を愛してくれるその唇、その指先には私を気遣う優しさが深く感じられた…。


ただ…だんだん部長の息づかいが荒くなるのを感じていた私の体は…緊張で自然に力が入ってしまっていた…。


「そろそろ…俺…限界…力抜いて…」


私はいわれるがままに力を抜こうとするが…緊張でうまくできない…。


と部長が強引に足の間に割り込んでくる…。


「ちょっと我慢しろ…辛いなら俺にしがみついてろ…」


私は体に痛みを感じた瞬間…部長の首筋にしがみつく…。顔が火照り目をぎゅっと閉じるしかなかった…。部長の息づかいと体の動きに身を投じながら…。


それから…どれくらい経っただろう…


部長の動きが激しくなったと感じた瞬間…部長は動かなくなった…。


2人の息づかいの中…部長が…私の頭をなでながら…


「大丈夫か?辛くさせて悪かった…」


「だ…大丈夫です…私…今…幸せです!」といいながら私の頬から涙がつたう…。


その涙を部長が優しく指でぬぐってくれる…。


「お前はほんとに…可愛いな!」


といいながら今度はとても優しく…唇を重ねた…。



私たちはそのまま一夜を明かした…


部長は優しくできないなんていってたけど…私が初めてだったので最初はすごく…優しく…触れてくれていた部長…


でも最後のほうは…ちょっと強引で力強い…

やっぱり…ドSな上司でした…。





後日…



「部長…あの時…私のミスを収めてくださってありがとうございました…でもあれだけのこと…部長の独断では難しいんじゃ?」


「あーあれね…気にするな!親父おやじにはもう話とおしてあるから!」


「えっ?えー!」


「そ!ここの社長…俺の親父おやじ!これ内緒だからな!」


「は、はい…でも今のが1番びっくりしました!」


「今までは親の下でって劣等感があったから必死で業績をあげることばかり考えてやってきた…でもお前のためなら…時には親の七光りでもなんでも利用してやるよ!」


と私に優しい笑顔で笑いかけた!




その光景に…


フロアにいた社員たちは皆…驚きを隠せなかったことはゆうまでもなかった…



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ドSな上司は私の本命 【R-15】 水天使かくと @sabosuke

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