第5話 ラブホでのお客様との遭遇

アルバイト高校生がラブホテルの利用客とホテルで遭遇する。

これほどばつの悪いことは無かった。

一応お客様とは鉢合わせしないよう皆とても気を付けていて

万が一会ってしまったときは無言で頭を深々と下げて目を合わせない。


お客様がうちらを見たら、絶対「子どもじゃね?」

「なんで子どもが歩いてるねん。」と思うよね。


だから周りをキョロキョロ、誰も廊下にいないことを確認してから

ほっかむりをし、ホテル内を移動していたのだが、

前書いた少し知的障害のある しゅう君はへっちゃらだった。

彼は20代前半だろうか、たまに部屋のドアの前で部屋の声に耳を傾けて

いる時があった。ちょっとゾッとした。

親切で素直な彼の闇を見た気がした。それとも無邪気なのか。。?

私はそれをほっかむりをして見ないふりをした。

おばちゃんたちは「しゅう君エッチねぇー」と言ってニヤニヤしていた。

年の功である。

私はそんな事よりも、部屋によって違う素敵な内装が楽しく、

カントリー調やメルヘン調、色々な可愛いお部屋達がそろっていて興味深かった。

一番素敵なお部屋は高額だったのか、利用客は無く一度も入れなかったのが悔しい。

仕方なしにフロントの部屋を選択するブースの写真を見て日々うっとりするのであった。



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