第21話

「えー、それってヤリモクじゃん!」

と雫は怒ったように言った。


ヤリモクかあ、、

なんか違う気がする。


「ヤリモクというか、、なんだろ、、一緒にいて楽しくないんだよね。」


「それ絶対別れたほうが良いよ。麻衣ちゃんにはもっと良い人いっぱいいるよ!こんなに若くてかわいいんだから!」


「若くてかわいいって、雫、おばちゃんみたいなこと言わんで。笑」


「ふふふ、、だってそうじゃん!若くてかわいい娘だから。笑

だから、他にも男いっぱいいるって!」


「どこに?」


「そこらへんにいるよー!ゴロゴロいるよ。」


「ゴロゴロ?」


見えないところにゴロゴロいたって全然面白くない。

私の目の前にいるのは、門松くん、ただ1人しかいない。

だけど、もしかしたら、雫の言う通り見えないところに良い男がゴロゴロいるのかもしれない。


「そうかなあ、、」


「うん、絶対もっと良い人いるよ!保証する!」


「そっかあ、、でも別れるのはなあ、、」


「別れるかどうか決めるのは麻衣ちゃんだけど。でも、一緒にいて良いことないなら別れたほうが良いと思うよ。」


雫は仕事ではどんくさくて怒られることが多いのに、たまに良いアドバイスをしてくれる。麻衣は雫は本当は賢い子なのではないかと思った。ただそれを仕事で発揮できないだけで。





うーん、、やっぱり別れた方が良いのかなあ、、、

麻衣は門松くんとのラインを見た。

お祭りに行ったあとから、返事を返せないでいる。


でも、別れたところで他に付き合うあてもないし。

良い人に出会える保証もない。


どうしよう。



そのとき、ちょうど門松くんからラインがきた。


「今週末どっかごはん食べに行かない?」


麻衣はすぐに別れなくても良いか、と思った。もうちょっと付き合ってても良いよね。

(ラインが来たのが嬉しかった)

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