第20話
「なんか疲れた。。どっか移動しない?」
「確かに確かに!ここ人多いし!」
「うん、人少ないとこ行きたい。」
結局朝帰り。。
麻衣はバスに乗って、忙しく行き交う車たちを眺めていた。
なんでこーなっちゃったのかな。
結局あのあとホテルV長崎に戻ってしまった私たち。話すことが無さすぎて、なんか沈黙に耐えられなくてやっちゃったんだよなー。我ながら情けないけど。
門松くんって喋るのが苦手だから、体で会話しようってタイプ?私は嫌だな。ちゃんと喋りたいよ。
だけど、そう、門松くんと話していても「楽しくない」のだ。
それもそのはず、門松くんとは友達でもなんでも無いのだから。知り合ってすぐ付き合った私たちはほぼ他人だ。なのに、急に「恋人」だなんて、おかしすぎる。話していて盛り上がる筈がない。
だってそもそも仲良くないんだもの。
改めてよく知りもしない相手とセックスなんかするもんじゃないな、と学んだのであった。
そして、よく知りもしない相手と付き合うのもやめた方が良い。
麻衣は急に寂しくなった。
こんなよく知らない人と付き合って、「彼氏」とか、ばっかみたい。
知らないうちに涙が溢れていた。
バスは麻衣を乗せたままゆっくりと走り出した。
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