第11話

ホテルは有名なお土産屋さんの隣にあり、ここらへんでは一番背の高いビルで分かりやすかった。(といっても11階建てであり、都会では普通の高さであるだろう。)でかでかと「ホテルV長崎」とかかれている。フロントは閉まっていたので、私たちは裏側の入り口から入り、エレベーターに乗った。全員無言になり、麻衣の動向を伺っているようで、空気は静まり返っていた。3階に着き、35歳男が降りて行った。5階に着き、30歳男も降りて行った。エレベーターの中には門松くんと麻衣の2人だけになった。門松くんは「えっと・・・これからどうするの?」ときいてきた。これからどうするの、ときかれても麻衣は何も考えていなかった。門松くんがタイプだったので、ただ付いていっただけだ。それだけだった。8階について、私たちは降りた。門松くんと一緒に部屋に入った。部屋は狭く、人が一人通れるくらいの廊下の先に、ベッドが置いてあった。窓がついていてそこから外の景色が見えるようになっていたが、あまり良い景色は見えなかった。寝るためだけの部屋、という感じでベッド以外、ほぼ何も無かった。部屋には、荷物がおいてある。門松くんははにかんで笑いながら、「泊るの?」ときいてきた。困っている感を出しているが、嫌だったら帰って欲しいというはずだ。いわないということは門松くんは麻衣が泊ることに少しは乗り気なのではないかと思った。麻衣は「うん。」と答えた。門松くんは「あ、でも歯磨きとかないし、、フロントにきいてもらってこようか。それか、コンビニで買ってこようか。」と言ってきた。麻衣は「うん、ありがとう。」と言った。門松くんは「ちょっと待ってて」と言うと、部屋を出て行った。麻衣はなんか楽しいな、と思った。始めてくる場所は楽しいものだ。(どういうシチュエーションであれ)

麻衣はお風呂や、引き出しなどを物色してみた。門松くんが使っているコンタクトや、ポーチや、鍵が出てきた。

ホテルのパジャマが一人分しか無かったので麻衣がきて、門松くんはシャツを着て寝ていた。


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