第5話
雫とお昼ご飯を食べている。
2人でいろんなランチのお店に行くことは麻衣にとって幸せな時間だった。
私はインスタに載せるためにトマトパスタの写真を撮った。
赤色がとてもきれいだ。
麻衣は「日曜日2人でどっか行こうよ。」と誘ってみた。麻衣は雫以外に仲の良い人がいないので、土日になると暇なのだった。
雫は「日曜日、彼氏と会おうって言ってるの~。」と言った。そして「あ、でも変えようと思ったら変えられると思う。言ったら。」そういうとふふっと笑った。そうなのだ、雫には彼氏がいる。いつもは忘れてしまうくらい存在感が薄い。雫のほうが強い立場らしく、よくラインで彼氏を「叱って」いる。ラインの返事が遅いとぶち切れている。雫は麻衣に対して優しいので想像がしにくかった。いつもうふふっと天使のように笑っているイメージだ。雫の中には麻衣の知らない一面があるようだった。「日にち変えろ、って言ったら変えられるから。」そういって雫はふふっと笑った。雫の彼氏はどんな人なのか気になる。30歳くらいで、おっとりとしており、おじいさんのような性格だと言っていた。「麻衣ちゃんも彼氏作ったら良いじゃん。川端くんとか。」と言って雫が笑った。「川端くんはもういいよ~。」と言って麻衣も笑った。「私が言っといてあげるよ。」と雫がさらにいう。「なんて?」「え、麻衣ちゃんと付き合ってあげてくださいって。」どうせそんな関係にはならないことを知っているから言えるのだ。「あの人、麻衣ちゃんのこと好きなんじゃない?」「うーん。」川端くんは長崎に来たばかりの頃、気さくに話しかけてくれて爽やかだったので、麻衣と雫の間でよく話題に出ているのだった。かっこいいと盛り上がっていたのだった。しかし、最近は川端くんと麻衣との間には冷たい風が吹いているのだった。
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