第3話 俺さ、

学校が始まって2週間が経った。

翔吾は、初日以外、で特に問題も起こすことなくまともに過ごしていた。



その日の昼、いつも通り京子とみのりと昼食を食べていたとき


「俺さ、2年の目標立てたんだけどさ」


「いきなりなに?」


いきなり語り出した翔吾に対して京子もみのりも頭にハテナが浮かんだ。

またろくでもないこと言い出すんだろうなと思いながら。ちょっとだけ、扱いを雑にされる翔吾は哀れ。


「いやぁ〜、2年になったから恋人を作って青春を過ごしたい!」


「ん?恋人出来ると思ってたの?」


「えっ?」


恋人を作るぞと意気込んだ翔吾だったけど京子に早々と追撃されるのであった。


「翔君、この2週間で私たち以外の女の子と話しした?」


そう言われて翔吾は、ハッとした。

何故なら新学期が始まって2週間。京子とみのり以外の女の子と全く喋ってなかったのであった。何故なら、誰も話しかけては来ないし、翔吾も休憩時間は仮眠を取っていたから。それに翔吾の噂が派手過ぎるのだ。


ある噂は、中学時代、女の子を取っ替え引っ替えして処女を食っていたとか、またある噂は、不良を半殺しにしたとか。またまたある噂では、親父狩りをしていたとか。


この噂は、当然、翔吾も知っているがあながち間違いでもないし、翔吾と仲のいい人間は噂の真相も知っているのであった。それでも噂を訂正はしなかった。当の本人の翔吾が止めたからである。


「そもそもいきなり腹痛いんで早退しますって窓から飛び降りて体育倉庫に連れて行かれて輪姦されそうになるのを止めに行く人がまともに思える?」


「・・・思いません」


「たしか、怪しい人を尾行して強姦魔を現行犯で取り押さえる人ってまともな人だっけ?翔君?」


「・・・思いません」



翔吾の噂は、強姦を阻止するためににしたり、を締め上げたりと半分は間違ってないが、大事な部分が抜けているのだった。



「それでも高校生だよ?恋ぐらいしたい!!」


「翔吾を好きになる子の気が知れないわ」


「・・・ブーメラン。京ちゃんブラコンで大好きなくせに(ボソボソ)」


「ン?みのりちゃん?なんか言った?」


「なーんでもありません!大佐」


京子に睨まれて敬礼をするみのりであった。

そんなじゃれ合ってる2人をよそに翔吾は外を眺めため息を吐く。


「はぁ〜、どっかに可愛い子と出会うきっかけが落ちてないかなぁ」


「キモっ」「えぇ〜」


ボソッとした呟きを2人に聞かれドン引きされる翔吾だった。


「酷いやぁ〜」


と捨て台詞を吐いて教室から出て行った。



5分後



翔吾はいちごミルクとカフェオレに飲むヨーグルトを持って帰って来たのであった。

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