古き良き海の漢達が星の大海原へ
- ★★★ Excellent!!!
作者様もキャッチコピーやあらすじで述べられていますが、ハヤカワ文庫のSF小説の様な世界観の中で、同文庫の海洋冒険小説の登場人物達が活躍する。そんな作品です。また、一部には日本のスペースオペラの風味も感じられるかな?
そんな古典と古典を掛け合わせて生み出された作品ですが、複数の書籍化実績をお持ちの作者様が両者を実にバランス良く、そしてお互いに引き立て合うかの様にブレンドされた壮大な作品に仕上がっています。
どちらかと言えば海洋冒険小説のテイストが強い、私にはそんな風に感じられました(私がそちらの方が好きだからかも……)が、設定の端々から感じられる作者様のSF愛から察するに御本人としてはSFがメインなのかもしれません。
練り込まれた世界観の中で重厚なストーリーが展開する作品で、正直言ってサクサクと読み進められるタイプではありませんが、その分読了後の満足感も非常に大きなものです。
話数も非常に多く、長くゆっくりと味わって頂きたい大作です。