第2話
因みにロッカー詰めたる
「だってコント見せたくて」
「バカか今すぐ愛代に謝れ」
ハナからコントするつもりで来てんじゃねえっつうの!
「えーと、じゃあ次は私達が名乗らなきゃね」
「…うん」もう何も突っ込まないでおこう。
「じゃヒロくんどうぞ」
「だから何故俺を先に出したがる」
「さあ民間人選手のターン、一体どんな大ボケをかましてくれるのか!期待が高まります…!」
「色々突っ込みたいけど取り敢えず言うに事欠いて民間人選手はやめようぜ」
それと俺ボケじゃないから。
…前言撤回、俺がツッコミを放棄したらこの和やかな(?)部室が無法地帯と化しそうだし何より俺の
…まあここまで流れを作られたら断れないし、別に嫌という訳じゃないから、さっさと済ませよう。
「え〜と…広戸優衣です。まぁ宜しく」
大抵の人にありがちな、改めて名乗る時に敬語になってしまうのは多分、気恥ずかしさからくる一種の癖みたいなもんなんだろうな。
「どうも。優衣ってなんか女の子みたいな名前だな」
ズバリと言われるが慣れっこなので(昔はちょっとコンプレッサーだったけど)、
「よく言われる」
「どっちかいうとヒロトの方が名前っぽい」
「それもよく言われる」
「そんなにコンプレックスなら名前と苗字入れ替えたら?」
「そんな奇妙な事は初めて言われた」できるかそんなこと。
ていうかなんでコンプレックスって…。
「普通にしてるつもりかも知れないがかなり苦い顔してたぞ」
「それ恥ずいやつな…」今度から鏡常備しよ。
「___えっと、楽しそうなとこ悪いけど次私、いい?」ユウワが若干気まずそうに声を上げる。
「えー…香取有羽です。宜しくね…?」いきなり大人しくなるユウワ。
「いや私に聞かれても」真顔で容赦なく突っ込む愛代。
「お前ここで縮むなって、さっきのノリはどうした」そして素直に疑問を口にする俺。
…自己紹介に時間かけすぎだ!
「で、本題に入るけど、自称名探偵が何しに来たん?」
「そりゃ勿論依頼の取り立てだが」
「嫌すぎる探偵だね…」
「お悩みは有りませんか」
「…実は私達家族がいないです…」
『……………』
…重い…。
「ごめん」ついに折れたレイラが素直に謝った。
「…えーまあ
「閑話だったんだ今の」
「会話休題するとして」
「コミュニケーション放棄すんなって」閑話(無駄話って意味だった気がする)続ける気満々じゃんこの流れ。
「本題に入るが。___率直に言おう、地球が終わる」
率直すぎる。
俺と相方はたっぷり5秒は黙って、
「………えーっと、アレかな?冒頭の地球存続云々の流れを読んでくれちゃった感じ?」
「違うだろどう考えても」読んでくれちゃ困る。
顔は真剣そのもの(表情基本変わらないが、多分)。ここまで断言するからには、なんたるかの証拠や根拠があるか、頭がおかしいのかどっちかなのだろうが、雰囲気的に絶対後者ではないと断言できる。
「うー、んー…」ユウワはしばらく考えあぐね、俺の方を向いて、
ペロッと舌を出した。
「ごめん、フラグ立てちゃった」
「お前な!!!」
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