第10話


 ――西暦二〇一六年三月三十一日。


「カノンはその日、自分がどこにいるか知っているの?」


「もちろん。想像力豊かだからね」


「それじゃあ少し先の未来で、貴方はどこにいるの?」


「私は――」


 私はいつだって、貴方の傍にいる。



 『遅効性タイムトラベラー』――了

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